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安倍政権の外交というのも、ほぼ失敗に終わっているといっていいのではないか

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各紙が一斉に報じていますね。

日露平和条約交渉6月の大筋合意見送り 歴史・主権溝深く

毎日新聞2019年4月18日 03時00分(最終更新 4月18日 04時00分)

 政府は北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結交渉について、プーチン大統領が来日する際の6月の首脳会談で目指していた大筋合意を見送る方針を固めた。北方領土の歴史や主権を巡る認識の隔たりが大きく、領土問題解決に向けた具体的な交渉に入ることができていないからだ。政府は北方四島での共同経済活動の進展などでロシアとの信頼醸成を図って状況を打開したい考えだが、交渉の長期化は確実だ。複数の政府関係者が17日、明らかにした。

 菅義偉官房長官は17日の記者会見で、6月の大筋合意の見通しについて聞かれ、「交渉以外の場で発言することは交渉に悪影響を与える」と明言を避けた。一方で、「安倍晋三首相とプーチン大統領は領土問題を次の世代に先送りすることなく自らの手で必ず終止符を打つとの強い意思を共有している」と述べ、交渉を進める意向を強調した。ただ、ロシアは強硬姿勢のままで、残る2カ月で領土問題で進展が得られる見通しはない。政府高官は「6月の大筋合意を断念していないが、事実上難しくなった」と困難なことを認めた。

 両首脳は昨年11月の首脳会談で、「平和条約締結後、歯舞群島と色丹島を引き渡す」とした1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速することで合意した。日本政府は歯舞、色丹の2島の返還と国後、択捉両島での共同経済活動などを組み合わせた「2島プラスアルファ」での決着を探る方針を固め、6月に大阪市で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席のため来日するプーチン氏と大筋合意するシナリオを描いていた。

 しかし、1月の首脳会談ではプーチン氏が「(条約締結の)環境作りに向け、長く地道な作業がある」と交渉長期化を示唆。交渉責任者の河野太郎外相とラブロフ外相が1、2月に開いた外相会談では、ラブロフ氏は、ロシアが第二次世界大戦の結果として北方領土を合法的に手に入れたとする歴史認識と「ロシアの主権」を受け入れるよう迫った。北方領土を「日本固有の領土」とする日本側が受け入れることは困難で、双方の隔たりが目立つ形となっていた。

 日露両政府は、河野、ラブロフ両外相の会談を大型連休後の5月中旬にもロシアで開く調整に入った。しかし、政府関係者は「領土を引き渡すことに対するロシア国内の反発は強く、ロシア側も交渉を前進させるのは難しい状況となった」と述べ、ロシア側が世論を背景に態度を硬化させたため交渉前進が難しい状況だと解説した。

 日本政府は当面、共同経済活動や元島民の墓参などの協議も進めて改めて信頼醸成を図りながら、北方領土を巡る交渉の糸口を探る方針だ。【高山祐、古川宗】

 今年1月にロシアで行われた日ロ首脳会談で全然結果が出なかったんだから、これは当然の話です。ついでにもう1つ

>露の思惑読み違え 日本の「2島返還」不発

毎日新聞2019年4月18日 03時00分(最終更新 4月18日 03時58分)

 安倍晋三首相は、政権のレガシー(政治的遺産)にしたいと思い描く日露平和条約締結について、当初目指した6月の大筋合意を見送らざるを得なくなった。北方領土の「4島返還」を封印することでロシアから一定の譲歩を引き出す戦略が奏功せず、歴史認識などを巡る溝が鮮明になって交渉が行き詰まったからだ。政府は経済協力などを通じて両国の信頼醸成を図る方針に戻るが、条約締結交渉の遅れは避けられない。【光田宗義、古川宗、大前仁(モスクワ)】

 「日露の外相、外務次官級による協議でやるべきことをやり、首脳会談につなげたい」

 安倍晋三首相は15日、北方領土問題に長年取り組む鈴木宗男元衆院議員と首相官邸で面会し、6月末に大阪で開く主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた日露首脳会談に改めて意欲を示した。一方で、首相は「平和条約締結交渉を停滞させてはいけない」とも強調した。焦点となる領土返還交渉の難航で、6月の大筋合意は絶望的だ。交渉の機運がそがれかねないとの危機感がにじんだ。

 首相とプーチン露大統領は昨年11月に「平和条約締結後、歯舞群島と色丹島を日本に引き渡す」とする日ソ共同宣言(1956年)を基礎に、交渉を加速させることで合意した。日本側は従来の「4島返還」ではなく、歯舞、色丹の「2島返還」を掲げることでロシアも軟化し、交渉が動き出すとの読みがあった。

 ところが、両首脳が「交渉責任者」に指名した外相同士による交渉が1月中旬に始まると、両国の溝は表面化した。ロシアが北方領土の歴史認識やどちらに主権があるかを持ち出したため入り口で対立。ロシア側は返還後の島に在日米軍が展開すれば、安全保障環境が悪化するとの懸念も繰り返した。

 それでも、首相は国会答弁や2月7日の「北方領土の日」の返還要求全国大会で、「ロシアの不法占拠」や「日本固有の領土」といった表現を、ロシアが交渉のテーブルから離れる口実にされることを懸念して封印。秋波を送り続けた形だが、1月下旬の首脳会談、2月の再度の外相会談でも、ロシアは軟化しなかった。

 そもそもロシアが領土返還に応じる構えがあったのか。プーチン氏は昨年9月、安倍首相も同席した会議で「領土問題を棚上げ」して平和条約を締結する提案をした。日本が「棚上げ」をのまないのを承知のうえでの揺さぶりとみられるが、「ロシア側の本音」(日露外交筋)との見方は根強い。

 ラブロフ露外相も今月上旬、露メディアとの会見で「第二次大戦直後ならば、国境を画定すれば全てが解決したかもしれないが、現在は大きな合意が必要だ」と語った。ロシアには平和条約をテコに、日本からの天然ガス開発などへの大型投資を引き出す思惑もあるとみられる。

 プーチン氏の政権支持率も、北方領土問題に影響を与えている模様だ。プーチン政権は2014年にウクライナ南部・クリミアを編入。愛国心がわき起こり、支持率は8~9割に達した。ただ、昨年夏に年金受給年齢の引き上げ案を発表した後は6割程度に落ち込む。ロシア国内では昨冬から北方領土返還への反対運動も起きており、露外交筋は「ロシア国民の関心が高まっており、島の引き渡しは難しくなった」と指摘する。

 日本政府関係者は「ロシア側の真意や状況をどれだけ推し量れていたのか」と嘆息する。野党からは甘い見通しを追及されかねない。「我々は『6月に大筋合意』とは言っていない」。外務省幹部は17日、一斉に口をそろえ、政権のダメージコントロールに躍起になった。

「信頼醸成」振り出し 任期中「黄信号」
 安倍首相は条約締結交渉を継続し、自民党総裁任期の2021年9月までの大筋合意を目指す方針だ。ただ、日本がロシアとの信頼醸成のカギと見定める北方領土での共同経済活動は、双方の法的立場を害さない「特別な制度」が必要で、協議は難航が予想される。

 「日露は東アジア情勢を安定させたいとの共通の目標がある。ロシアも平和条約締結に後ろ向きなわけではない」。日本外務省幹部はこう強調した。

 ロシアは14年のウクライナ南部・クリミア編入を巡り、欧米諸国との関係が悪化。政治・経済両面で中国依存を強めたが、国内には「中国とのバランスを取るためには日本との関係が重要」(カーネギー国際平和財団モスクワセンターのトレーニン所長)との見方があるためだ。特に極東開発を進めるうえで、日本企業への期待は大きい。

 ただ、ロシアは北方領土を、数千万人に上る国民の犠牲を強いながら勝利した第二次世界大戦の「見返り」として獲得したと認識している。日本との関係強化との引き換えであっても、北方領土を手放すのかは不透明だ。日本政府関係者は「『ポスト安倍』が親露的な保証はない。ロシア側も安倍首相の任期中に合意したいはずだ」とみるが、ロシアの本音は見えない。

 第2次内閣発足(12年12月)以降、既に6年を超える長期政権を築いた首相は、政権のレガシーとして「北方領土問題解決」「拉致問題解決」「憲法改正」を狙う。ただ、今夏の参院選で、憲法改正に前向きな勢力の合計が3分の2を割れば、改憲は遠のく。拉致問題も北朝鮮との対話の糸口すらつかめていない。政権の推進力維持のためにも、「北方領土問題」を降ろすわけにいかないのが現状だ。

 日露両政府は22日、日露外務次官級協議を開き、共同経済活動を議論する。来月末の開催で調整する日露の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)などを通じ、信頼醸成を図る方針だ。「交渉加速」で合意した昨年11月以前と同じ手法に戻るが、信頼醸成や共同経済活動の前提となる「特別な制度」の設計に時間がかかれば、任期中の平和条約締結には黄信号がともる。

いろいろな意見はあるでしょうが、例の、北方領土を返還後に日米安保の除外とするという話ですら、安倍は

>「在日米軍は日本や極東の平和と安全を守るために存在し、決してロシアに敵対的なものではない」と強調。「今までもプーチン氏に説明してきた。必ず理解いただけると思う」と述べた。

なんていうあやふやな話ばかりしていたわけです。そんなのロシア側に相手にされるわけがない。あ、断っておきますが、もちろん安保を除外したらロシアから北方領土が返ってくるというものではないですよ。ロシア側は、どうせ日本は、この件で除外はできないだろうと見込んでこのような要求をしているのかもしれない。しかしそれ以前の問題として、ロシア側が安保除外を要求するのは当然です。島を返したら、そこに米軍基地が建設されたなんてことになったら目も当てられない。

いずれにせよこのような事態になることは、1月の日露首脳会談で、返還に前向きな姿勢がロシア側に見られなかったことで明白だったし、そもそも初めから、「そんなにロシアはこの件で前向きなの?」という疑念は、それこそ専門家から一般市民にいたるまで、広く共有されていたと思います。最初の話では、6月に平和条約をまとめて、7月の参議院選挙はこれで自民党が大勝する(それで、改憲手続きを加速させる?)という目論見であるなんて話がけっこうまことしやかに流れていたかと思いますが、選挙の結果がどうなるかはともかく、この目論見は失敗に終わったということなのでしょう。

それで、直接この件とは関係ないですが、こちらの記事も非常に興味深いですね。

>河野外相、13日から訪中と発表

2019/4/12 17:27

河野太郎外相は12日の記者会見で、13~15日に中国の北京を訪問すると発表した。王毅外相との会談や河野氏や世耕弘成経済産業相ら日本から6閣僚が出席する「日中ハイレベル経済対話」も予定している。経済対話では中国におけるビジネス環境の改善や日本産食品の輸出拡大などを協議する。

河野氏は「日中関係を新たな段階に押し上げる1つのステップにしていきたい」と語った。経済対話には日本側から吉川貴盛農相や石井啓一国土交通相、原田義昭環境相、片山さつき地方創生相も出席する。

この記事はこの記事でかなり変な記事です。たとえば見出しだけだと「ああ、河野外相が訪中するのだな」と読めますが、実際にはほかに5閣僚が一緒に訪中するわけです。見出しが変てこです(苦笑)。これは一体どういうことなのか。

さらにすごいのが、13日からの訪中を、前日の12日に発表するということです。記者らには一応情報は出していたのでしょうが、キッシンジャーの秘密訪中じゃあるまいし、なぜ前日に発表する必要があるのか(苦笑)。

やっぱり・・・産経新聞や、櫻井よしこ、国家基本問題研究所その他いろいろあるでしょうが、そういう極端な反中の連中から嫌がられることを考えたんですかねえ。マスコミからの質問も嫌だったのか。

そのあたりの真相はともかく、いずれにせよ日本政府、首相である安倍晋三は、もはや反中政策なんてものは取る意思はなさそうです。もともと安倍の反中なんて、実際に首相になったら(復活したら)すぐ腰砕けになるぞと私は予想していましたし、だからこれはこれで大変いいことだと思いますが、安倍のことを反中であるがゆえに支持していた人もいるわけで、そういう連中は昨今の状況をどう考えているのかなとは思います。さらにこちらはどうでしょうか。

>自民・二階氏、24~29日に訪中 一帯一路会議に出席

2019/4/12 18:33

自民党の二階俊博幹事長は12日、安倍晋三首相の特使として24~29日に中国を訪問すると発表した。中国独自の経済圏構想「一帯一路」の国際会議の第2回会合に出席する。二階氏は記者団に「首相の親書を携えて行く」と述べた。中国要人と会談し、日本産農産物の輸入規制の緩和を促す考えを示した。政府は同会議に関芳弘経済産業副大臣を派遣する方針だ。

最初の記事は政府ですが、こちらは与党の自民党の最高幹部の行動です。なにしろ

>安倍晋三首相の特使

>首相の親書を携えて行く

ですからね。以前は、二階幹事長が出すぎて中国と交渉しているなんて非難していた連中(たとえば福島香織)もいましたが、さすがにこれではそうも言えないでしょう。悪いのはすべて側近、官僚であり、安倍首相は・・・なんて安倍をかばっていた連中も、「でも二階氏は首相特使で首相の親書を持っていくんじゃん」と言えばそれでおしまいです。それでも安倍をかばう人間は、安倍狂信者かどうしようもない嘘つきであり、相手にする必要がない。

いずれにせよこれも安倍の挫折ですよね。「自由で開かれたインド太平洋」なんてのも、まるっきり実態がない。

さてさて、こういう事態に産経新聞なども脅威を感じているようです。16日の社説です。

>【主張】日中経済対話 立ち止まって戦略考えよ

2019.4.16 05:00コラム主張

 関係改善に突き進む姿勢に危うさを覚える。

 河野太郎外相ら6閣僚が大挙して訪中し、ハイレベル経済対話や外相会談などを行った。

 しかし、日本にとって成果と言うべきものは乏しく、牛肉輸出の再開に道を開く動物衛生検疫協定に合意した程度だ。

 安倍晋三首相は「日中関係は完全に正常な軌道へと戻った」としてきた。一連の会談は、その証左ということだろう。

 だが、ここは立ち止まって考えたい。経済、軍事で覇権を追求する中国の強国路線は対米摩擦が激化しても本質的な変化がみられない。むしろ最近は勢力を拡大して反転攻勢を図る動きが顕著だ。

 そこに目をつむって中国に傾斜するわけにはいかない。日本が切り崩されれば国際社会に誤ったメッセージを送る。前のめりの対応は厳しく戒めるべきである。

 日本産食品の輸入規制なども議論した。無論、隣国との経済関係は重要だが、これがもたらす負の側面も認識する必要がある。

 案の定、中国側は、米国と対立する第5世代(5G)移動通信システムで中国企業を日本市場から排除しないよう迫った。巨大経済圏構想「一帯一路」では、日本が「より明確な態度で参加することを期待する」と求めた。

 一帯一路はインフラ支援で中国の影響力を高める国家戦略だが、相手国を借金で縛る手法に批判は多い。日本は条件次第で協力する姿勢をみせてきたが、これを前面に出すと対中傾斜が際立つため「民間経済協力」の形にして実態を糊塗(こと)してきた。中国はそうした曖昧さを排そうとしている。

 中国はイタリアとの間で先進7カ国(G7)で初めて一帯一路に協力する覚書を結び、欧州分断を助長した。日本参画は中国の覇権追求を後押ししよう。「イタリア化」を避ける慎重さが必要だ。

 日本側からは、強制的な技術移転や知的財産権侵害への懸念も表明した。対応を促すのは当然である。ただ、真に改革を迫るには20カ国・地域(G20)などの場で包囲網を敷く必要がある。日本が議長国を務めたG20財務相・中央銀行総裁会議で、その努力が見えなかったのはどうしたことか。

 政府は昨年も首脳会談を成功裏に導こうと関係改善に躍起となった。だが、目先の成果を求めて動けば禍根を残す。いま一度、戦略を精査する冷静さが必要だ。

 産経らしい社説ですが、安倍はこのような意見は完全無視でしょうね。つまりは、かつての安倍流や産経流、櫻井よしこら流の反中政策なんてものが、現実性、実効性ともに見込みがないということでしょう。昨今インドがどうしたこうしたなんて話もかつてほど話題にならない。もちろん産経は、このようなことがあっても安倍支持はやめないのでしょうが(苦笑)。やはり改憲が、最後のよりどころなんですかね?

それで逆に、安倍は、韓国大統領とは首脳会談をしない意向であるという報道が流れています。おそらくですが、最近の日本政府、安倍晋三の対韓姿勢というものに、中国で挫折した分を韓国で晴らそうという意思を私は感じます。実際に日韓首脳会談がG20で行われるかどうかは現段階わかりませんが、でもしないというのはやっぱりだめですよね。関係が悪いからこそするべきことというのも少なくないわけであり、首脳会談なんてのはまさにそのようなものじゃないですかね。これも「失敗」の1つでしょう。

今回の記事は、bogus-simotukareさんの特にこちらの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。


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