記事解禁ということかどうか不明ですが(でもたぶん偶然ではないと思う)、ほぼ同時に2つの記事が発表されました。
パリ人肉事件・佐川一政を介護する弟が実名告白「バカな奴だけど、絶縁できなかった」
「パリ人肉事件」佐川一政のいま、ドキュメンタリー映画に出演の実弟が初告白
つまり、1981年にパリで、オランダ人留学生を殺害してその肉を食したというので世界的に話題となった佐川一政のドキュメンタリー映画が公開されるということです。
映画「カニバ/パリ人肉事件38年目の真実」公式サイト|2019年7/12公開
それで2つの記事とも、一政の弟さんのインタビューをもとに書かれていまして、そしてこれは予想通りでしかありませんが、ご家族(両親と弟さん)も大変な苦労をしたみたいですね。
佐川一政は、1981年、オランダ人女性を殺害してその肉を食し、死体を遺棄しようとしていたところを目撃され、その後逮捕されました。フランスではその2年後に心神喪失として不起訴となり日本に送還されます。日本の当局は、彼は心神喪失でないので起訴可能であると考えたようですが、一事不再理でフランス側が捜査資料を渡すことを拒否しました。84年に帰国して1年精神病院に入院し、退院します。「AERA」の記事より。
> 佐川氏はすでに、日本国内で「人肉を食べた男」として有名になっていた。退院後には執筆活動を開始し、自らの猟奇的犯罪の経験を語り、講演やトークショーにも呼ばれた。そこで得た金で、外国人女性と海外旅行に出かけた。アダルトビデオに男優として出演したこともある。人肉を食べた男の素性に、多くの日本人が興味を持ったのだ。その間、家族は複雑な気持ちだった。
「私としては『いい加減にしろ』という気持ちでした。被害者に申し訳ないですから。何度も執筆や講演活動をやめるように言ったことがあります。父親は、書店に行って並んでいる本の帯を、片っ端からはがしてきたこともあった。それでも、兄はやめようとしませんでした」
弟さんは、結婚をしなかったとのこと。写真で見る限り、弟さんはなかなかの美男子のように思いますが、やはり兄貴が兄貴ですから、現実問題としては難しかったでしょう。兄から、大事にしているチェロを売り飛ばされたりもしたとのこと。現在は、介護が必要で胃婁で栄養摂取している状態の兄を、弟さんが介護しているとのことです。弟さんは、50歳で会社を退職(広告代理店に勤務でした)現在69歳で、年金と生活保護で暮らしています。デイリー新潮の記事より。
>ぼくは広告会社に25年勤め、2000年に退職しました。好きな絵を描いていきたいと思ったのですが、なかなか上手くはいきません。現在は年金と生活保護で暮らしています。年金は兄も受給しています。年金は収入になるので生活保護は、それを差し引いた額になります。ぼくの場合、年金は2ヶ月分で23万円です。生活保護は、1ヶ月当たり1万9000円もらっています。その中から飲んだり食ったりという形で、ギリギリで生活しています。でも、やっていけないことはないです。
佐川一政の方は、最終的には(貯金とかができる人間ではないようですので)生活保護でもなければ生活できないでしょうが、弟さんのほうは正直「?」ですね。親からの遺産もあったようだし、結婚していないのだからそんなに金はかからないはずですが。
で、このあたり真相はわかりませんので私の勝手な想像ですが、弟さんが職場を早期退職して絵を描いていたいとか考えて、現在生活保護受給者になっているのも、最終的には兄の犯罪が影響したのかな・・・と思います。弟さんが結婚して家庭を持っていれば、広告会社にもっと長く在勤していたのではとか、いろいろ考えます。で、正直私なら、たぶん兄なんか顔も見たくないと絶縁しているでしょうが、弟さんは
>胃ろうで、兄もいつ死ぬかわからなくなって、『かわいそうだな』と思ったんですよね。兄弟愛っていうんでしょうか。昔はとても仲が良かったですから、ようやくその頃に戻れた気がします。いろんなことがありましたけど、今では、わだかまりはまったくないです。むしろ、もっと一生懸命に介護しなきゃいけないなと
と語ります(「AERA」の記事より)。正直私も弟さんの心境を理解できないですが、しかしそうだからこの映画が撮影されたわけです。佐川一政だけなら、彼のドキュメンタリーになります。
それにしても弟さんが主観的に現在考えていることについてどうこう言う気はないですが、ほんと犯罪者が身内に出ると、想像を絶する迷惑をします。弟さんばかりでなく、両親も、大変な迷惑をこうむりました。7月12日から公開とのこと。もちろん私は観にいきます。
同日の追記:コメント欄でbogus-simotukareさんからこの映画についての記事をご紹介いただきました。ぜひお読みになってください。bogus-simotukareさんどうもありがとうございます。なおだいたいご想像はつくでしょうが、タイトルはかなり大げさです(苦笑)。
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