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荒木和博(ら)も、いよいよ拉致問題に関するスタンスの変更を余儀なくされるのか

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最近かの荒木和博こんなことを発表していますね。

>特定失踪者家族会会長
今 井 英 輝

としていますが、荒木のブログにそれが掲載されているのだから、彼も事実上そう考えているのでしょう。

>昨年の要請への回答の中で「全ての拉致被害者の方々の生存を前提に(中略)情報収集を行っております」とあったが、前提はそうであっても時期的に考えたとき拉致される途中ないし北朝鮮で死亡した人がいることは否定できません。死亡が確認された場合に政府としてはどのように対応するのか明らかにしていただきたくお願いします。

「(中略)」も引用のままです。

荒木らって、拉致被害者が亡くなっている(かもしれない)なんてことは絶対認められないみたいな趣旨のことをさんざん主張していたような気がしますが、そうじゃなかったんですかね。あるいは、さすがに拉致被害者帰国からですら20年弱という昨今では、そんな主張通用しないと考えているのか。このあたり荒木の真意はわかりにくいですが、しかし私の知る限り、家族会は荒木を非難するに至っていませんね。これはこれで変な話です。荒木については、こちらの記事も興味深い。

同じ「国基研ろんだん」で西岡力・救う会会長の書いたものへの反論です: 荒木和博BLOG
西岡氏に問う、「即時一括帰国」でいいのか 荒木和博(拓殖大学海外事情研究所教授) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所

>以下は先月27日付本欄で西岡力・救う会会長が書いた「共同通信の拉致報道に注意せよ」への反論である。

(中略)

 看過できないのは「部分帰国やさみだれ帰国、日朝共同調査委員会などは絶対に認められない」という点で、共同調査委員会についてはともかく、一部でも帰国させられる人は帰国させるのでなければ大多数を見殺しにしかねない。

●安倍政権は正しかったのか
 西岡会長は「助けを待っている被害者がいる以上、ぶれずに『全被害者の即時一括帰国』を求め続けていくしかない」というが、待っていても全員になるまでは放置するのか。その間に間違いなく北朝鮮で死んでいく人が出る。
 この論文は安倍晋三政権の拉致問題への取り組みが正しかったという前提で書かれている。それならストックホルム合意から5年経って何も動いていないのは何故なのか。被害者の救出どころか1人の拉致認定もできないのは何故なのか。

(中略)

 「全拉致被害者の即時一括帰国」は北朝鮮に要求する内容としては正しい。しかし実際の対応は柔軟に行わなければ「全拉致被害者の見殺し」になりかねない。共同通信の報道にあった田中実さんと金田龍光さん、そしておそらく他にももたらされていたであろう拉致被害者の情報について政府は明らかにし、救出への具体的な動きを進めるよう求めたい。

「共同調査委員会」には賛同できないあたり、しょせん荒木かもしれませんが、それにしても荒木が西岡をかなり強く批判しているのは注目すべきでしょう。またこの論説が、国家基本問題研究所という、いわば日本の(日本会議系)右翼の権化みたいなところのHPに掲載されたのもとても興味深いというものです。つまり国家基本問題研究所側は、荒木に「それは、あなたのサイト等で発表してください」とは、少なくともこの件では要請しなかった、あるいはそれはしたのかもですが掲載拒否はしなかったということです。

これって、今までの荒木らの態度とやっぱり異なりますよね。連中は、こういうことを言い出すこと自体に、「それをいうのは北朝鮮を利する(よって安倍政権批判はすべきでない)」という意見を主張していたと思いますが、考えを変えたんですかね? それならそれで、それは大変いいことです。記事中、

>この論文は安倍晋三政権の拉致問題への取り組みが正しかったという前提で書かれている。それならストックホルム合意から5年経って何も動いていないのは何故なのか。被害者の救出どころか1人の拉致認定もできないのは何故なのか。

と書いていますが、私も正直、荒木が安倍政権の対北朝鮮対応にかなり不満を持っていることは感じていました。が、森友と家計などでは妙に安倍を擁護していたので、あ、やっぱりそっちの業界の関係とかで、安倍批判はやめたのかと思っていたのですが、この上の文章は、安倍の拉致問題対応はこれといった成果が出ていないと主張するものです。いや、それは当たり前の話で、無理やり安倍をこの件で擁護する人間のほうがデタラメなだけですが、それにしても荒木がこういうことをはっきり書くのはその意図、今後の展開などを注視する必要があるかと思います。

>「全拉致被害者の即時一括帰国」は北朝鮮に要求する内容としては正しい。しかし実際の対応は柔軟に行わなければ「全拉致被害者の見殺し」になりかねない。

なんて、これも拉致被害者家族会は、次のように主張をしています。

> 日本の立場は一貫しており全拉致被害者の即時一括帰国が果たされない限り経済支援をする事はありません。

 部分的な解決や段階的な解決では納得しません。

私はもちろん、これを主張する横田拓也氏の意見よりも荒木の意見のほうが正しいと思いますが、でも家族会からすれば、「荒木さんからはしごを外された」っていうところじゃないですかね。いや、家族会と荒木って、すでに関係悪化、あるいは縁切りされているのかな? そのあたりの事情は、当方存じませんが、つまりは荒木も、さすがに今までのやり方では、拉致問題を半北朝鮮言説の道具にするということにも限界がきたという認識なのですかね。いずれにせよ、これは家族会は、荒木を強く非難するのが筋じゃないですかね。まあでもなんとなくですが、家族会は、適当に荒木の言説については「不問」にするんじゃないかなという気がします。いや、もちろんどうなのかはわからないですが。なお巣食う会のメールニュースなるものを確認すると、12月の最後のメールニュースが

共同通信の拉致報道に注意せよ(2019/12/27)

であり、これが荒木が批判した西岡力の言説です。そのあと1月は、私がこの記事を書いている1月27日現在で、

明日、東京連続集会-最新の北朝鮮情勢と拉致問題(2020.01.23)

のみであり、これらは荒木とも西岡とも、直接関係ないものです。

荒木のブログを読んでも、この記事以外は毎度おなじみの内容ですが、やはり荒木は、このままでは将来がないとは考えているんでしょうね。そう考えているとは私も思っていましたが、ここまではっきり書くのは意外です。

ところで荒木の先ほどの国家基本問題研究所に投稿した記事の略した部分の一部を引用しますと、

> そもそも拉致問題以外でも対露外交や靖国参拝、消費税引き上げ、最近では中国の習近平主席の国賓としての招聘など、現実に安倍政権がやっていることは国民の期待を裏切ることばかりではないか。拉致問題だけが例外ということはありえない。
 それでも安倍政権を支持する人たちは「他に誰がいるのか」と言う。たしかに自民党であれ野党であれ、本当に任せて安心という政党、政治家はいない。しかし、それと安倍政権のやっている個別の政策を認めるのとでは意味が異なる。
 私たちも安倍政権に対して様々な要望はするし、協力できることはしているが、それは個別具体的にどうするという話であって、全体として信頼するということではない。もちろん次の政権がどうなろうが私たちの姿勢は同じである。

靖国神社や中国国家主席の国賓問題なんか拉致問題に関係ないじゃんと思いますが、この種の界隈では、安倍晋三および安倍のやっていることは、神聖にして犯すべからずなので、そういう連中の巣窟である国家基本問題研究所のHPでのこの意見は、荒木の真意やその組織のトップである櫻井よしこらの真意などもいろいろ考えさせられますね。書いた荒木はもちろんのこと、掲載した連中も、それなりの考えはあるのでしょう。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事から情報提供および参考にさせていただきました。感謝を申し上げます。また

金丸信吾氏のこの発言に、拉致被害者家族らはどのように反応するのか(無視だろうが、それではどうしようもないというものだ)

の中で、

>拉致問題に関しては、もう1つ書きたいネタがあるので、今週中に記事を発表したいとおもいます。

と書いたのがこの記事です。記事にするのが遅くなって申し訳ございません。


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