先日こんな本を読みました。
個人的な意見を言うと、ほんとの「毒親」なら、介護なんかする必要ないじゃんと思いますが、世の中(私のように)そうあっさり割り切れる人間ばかりではない、というより割り切れない人間のほうが多いのかもですが(実際どうなのかは知りません)、ともかくろくでもない親を介護する羽目になる人がいるわけです。
なお、介護をしないで逃げたい人のためのことも上の本には書いてありますので、そういう人にも参考になります。世の中子どももいない、天涯孤独な人間も少なくないですが、そういう人だってみんながみんな孤独死をするわけではなく、何とかなる例が多いのですから、最終的には介護を逃げることも可能です。あるいは、金を出すのは仕方ないが、オムツ交換のたぐいは絶対嫌だというのもありだし、世の中いろいろなオプションがあるわけです。そのあたりは、気楽に構えてもいいと私は思います。前私がご紹介した、悪い男の事業に全財産を出して生活保護を受けて意識不明の重体だった女性も、絶対世話になりたくないと公言していたらしい甥(子どもはいなかったらしい)にめでたく見送られたそうです。まーったく無様で無残にもほどがあるというものです。
それで本を読んでいると、上の本の帯にもありますように、親の過干渉に悩んでいる女性(やはり男性より女性のほうが、こういうことに悩むようです)の話が出てきました。私が読んだ限りでは、明らかに母娘が共依存になっていて、しかも母親は認知症になっているようですが、母親の方は非常識なわがまま(たとえば旅行に行く日に突然母親が「行かない」と言い出して、なら留守番していてというと、あんた(娘)私を見捨てるのかとかほざく)を繰り返して周りの家族もドン引きになるし、娘の方は共依存で親のわがままを聞いてさらに母親のわがままがひどくなるとか。それでこういう母親や娘に、「そういうわがままを許すのはよくない」とか「そういうことを聞いているとさらにひどくなるぞ」とかいう「正論」(産経新聞の「正論」じゃないよ、念のため)を唱えてもしょうがないしね(苦笑)。私なら、じゃあ勝手にしろでそのまま家を去りますが、共依存の人間はそうはいかない(苦笑)。周囲は振り回されて迷惑しますが、しまいにはこのような娘は「自分しかこの母親を介護できる人間はいない」くらいの独りよがりの使命感めいたものすらもちますからねえ(笑)。はっきり言って世の中、こういう独善的な正義感や使命感ほど迷惑なものはないんですが、そういう話が通用しないのだからほんと困ったものです。
でですよ、こういう話ならまだいいですよ。他人のどこかの家庭が、もともとはじめっからろくでもない性格だった女性が認知症になったかどうかしてさらに悪化して、そのおかげで子どもがひどい迷惑をするなんて話は、子どもが未成年ならそうもいっていられませんが、成人なら正直他人が介入することが難しい。しかしこれが政治とかそういうものになると、とてもそんなのんきなことは行っていられませんよね。具体的には、安倍晋三とか櫻井よしことか産経新聞とか日本会議とか、そういう連中のことです。
たとえば安倍晋三について、「安倍は中国に対してさんざんえらそうなことほざいていたけど、中国国家主席を国賓で迎えるんだって? それ右翼の連中が安倍を本格批判しないのおかしいじゃん」といったら、どうなんですかね。右翼の連中も、なんだかんだと陰口めいたことはさんざん言っても、でもやっぱり安倍を支持し続けるんでしょうね、きっと。あるいは、「安倍は靖国神社だって1回しか参拝しなかったし、河野談話だって破棄しないし、改憲(「憲法改正」とは、私は書きません。どう考えても「改正」とは思えないので)だって全然具体的なスケジュールが定まらないじゃん。口先だけの野郎だ」といったとして(私は靖国参拝も河野談話破棄も改憲も賛成しません。ねんのため)、そうしたら櫻井よしこら右翼の連中はそれにどう反論するのか。まあまともな反論はないんでしょうね。そうでもなければ「それは反日左翼の陰謀だ」とでもいうのか。うんなもん反日左翼の陰謀だとして、何の関係もないことですが。
あるいは、森友も加計も統計不正も桜の会も検事長の定年延長も首相としてあまりにひどすぎる。どういうことなんだよ、といって、これまた安倍擁護を正当化するなんらかの具体的な理由をあげられるのか。まああげられないでしょうね。みてみぬふりをするだけでしょう。そんなものがあったら、とっくに出している。
で、その安倍を絶対支持している産経新聞はどうですかね。産経に、阿比留瑠比のようなデマ記事連発のクズ野郎を出世させるのはどういうことなんだよと聞いたところでこれまたお答えはないでしょうね。まともな常識があれば阿比留なんかとっくにクビだし、それ以前に辻元清美についてのデマ記事なんか、紙面に出るわけがない。
それでこれまた話の次元が全く違いますが、上でご紹介した全財産を失った女性に、「あんな男とかかわらないほうがいい」と忠告したところで(たぶんかなりの人間がしたでしょう)、けっきょくその女性は、全財産をつぎ込んでしまったわけです。あるいは、キャバクラ嬢に横領した会社の金をつぎ込んだ男も、これはもちろん他人には知られないことですが、でもやっぱり他人から忠告されてそれをやめるということはなかったのでしょうね。そうであれば、初めからそんなことはしない。
そういうわけで、つまりは、安倍晋三といい阿比留瑠比といい産経新聞といい、男に全財産を貢いだ女性といい、あるいはキャバクラ嬢に横領した金を渡した男といい、こういう連中はほんとタイトルにもした
>社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない
ということが通用しない連中ですね。キャバクラ嬢については、どうもそのキャバクラ嬢は、別の男に金を流していたらしい(苦笑)。そんなことは当然で、金なんかそんなに必要なわけがない。他人からもらった金なら、そういうくだらん目的ですぐ使っちゃうでしょう。安倍といい阿比留といい産経新聞といい貢いだ女性といいゴム会社の社員といい、最低レベルの常識があればさすがにそのようなことはしないか忠告されればやめるでしょうが、こいつらは、そういう常識や道理、「正論」、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけないといったことより自分のしたいことを優先させて恥じないからほんとどうしようもありません。男に全財産を貢いだ女性は、さすがに犯罪はしていないのかもですが、安倍とか阿比留や産経新聞なんて、嘘や名誉棄損や詭弁がひどすぎて本当に絶句します。そしてこういう連中のクズぶりを擁護する連中もです。本当に迷惑です。
こういう話は、拉致被害者家族の一部もそうだし、ほかにもいろいろいるでしょう。で、こういうモラルの問題は、私は安倍が首相になってからかなりひどくなったと思います。少なくとも安倍以前の首相は、イデオロギーとかはともかく、もう少しまともだったでしょう。安倍の極右的側面などは、上にも書きましたようにさまざまな経済的現実や諸外国の監視、あるいは国民世論などもありそうそう無茶ができないところもあります(安保法制が成立したのは、米国が全面支持したためである側面が大きいでしょう)。しかしこういった基本的なモラルの崩壊とか堕落というのは、かなりの部分安倍の一存でどうにかなってしまうところがある。私は、安倍政権の最大の負の部分がこのようなモラル崩壊、堕落、社会常識の欠如にあるという気が最近してきました。たぶん安倍晋三と産経新聞が非常に近い関係にあるのは、イデオロギーだけでなくこのようなクズの部分が共鳴しあっているところもあるのだと思います。なんとも無様で無残な光景です。