あ、すみません。昨日の記事と同じようなものですが。
昨日紹介した本を読んでいて、ちょっと私が思い出した事件がありました。ご記憶の方もいるでしょう。子どもを肉体的・精神的に虐待する「毒親」とはまた少し違いますが、しかしこちらも子どもを精神的にスポイルして、けっきょく刑務所に入れることになってしまったのですから、じゅうぶん「毒親」でしょう。写真も、記事から。
>息子は豪遊、母は窃盗 歪んだ愛情に救いはあるのか【JA1億円窃盗・取材記】
FNN
2018年12月28日 金曜 午後8:23
JAの係長だった母が金庫の金を窃盗 息子に渡していた
受け取った金で息子は豪遊 キャバクラや旅行に使っていた
初公判の法廷で、友人に「2年間」とピースサイン その意味は?
母が盗んだ1億円 息子はキャバクラ、旅行、札束ピラミッドに
2018年6月、千葉県にあるJAとうかつ中央松戸南支店で現金約1億円が盗み出された。
窃盗罪で逮捕・起訴されたのは、当時係長を務めていた松永かおり被告(54)。
支店内の金庫から、約1年間にわたり、数百万円ずつを盗み出していたとされる。
逮捕・起訴された母・松永かおり被告
金融機関の支店職員による金の使い込み。これだけなら珍しい事件ではない。
しかし、耳を疑うのは、その金の行き先だった。
かおり被告は盗み出した現金を息子の西弘樹被告(22)に渡し、弘樹被告は、この金でキャバクラ通いや、沖縄旅行など、豪遊を繰り返していたのだ。
さらに母親から手にした金を、ピラミッドのように積み上げて、遊ぶ姿もあった。
弘樹被告も盗んだ金と知りながら現金を受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)で逮捕・起訴された。
一体なぜ母親は犯罪に手を染めてしまったのか。
取材で見えてきたのは、息子に対する歪んだ愛情だ。
息子の豪遊 知らぬは母ばかり
裁判などによると、母・かおり被告が、息子の弘樹被告に金を渡すようになったのは、JAから現金を盗み出し始める、さらに1年ほど前だったとされる。
当時、大学生だった弘樹被告は「大学の研究費で金が必要」などと嘘をついて、かおり被告に現金を要求していた。
その額は10万円単位から始まった。
弘樹被告は、キャバクラやガールズバーに行き、酒をおごりまくった。
気に入った女性には高額のプレゼントを渡したり、旅行に連れていったりもした。
さらに、友人らを飲みに誘う際には、金を渡して付き合わせ、何度も酒をおごり、とにかく金を使いまくったという。
そんな息子のために、かおり被告は職場の同僚などに金を借りて要求に応えていたが、次第に息子の要求はエスカレートし、気が付けば要求金額は数百万円単位になっていた。
かおり被告も、同僚に金を返せなくなり、首が回らなくなっていた。
そんな時に起きたのが、職場の人事異動だった。
職場の金庫の金を、事実上、かおり被告が管理できるようになったのだ。
数百万円もの要求に応えようと、かおり被告は金庫の金に手をつけるようになったとされる。
真面目だった勤務態度
高校卒業後、JAに就職したかおり被告。
職場での態度は「真面目」で、支店ではナンバー3のポストとなる係長に昇進した。
一方の弘樹被告は、勉強が得意ではなく、大学でも、卒業に必要な単位が取れなかった。
こうした学業態度を、弘樹被告の父親は厳しく叱責した。
これ以降、息子の教育はかおり被告に一任され、夫に相談することもできなくなったようになったという。
かおり被告は、息子から金を要求されても「これで大学が卒業できるなら」と息子の将来を心配し、思いやる気持ちで犯行に及んでいたという。
友人からも、誰かに相談した方が良いとアドバイスを受けていたものの、かおり被告は、誰にも相談はできなかったとされる。
逮捕後も「息子のことを信じている」と供述していたという。
現金を抜き取った袋に、元々入っていた金額を記入(画像は、犯行に使われた実際の袋)
法廷で友人に「2年間」とピースサイン
現在、2人の裁判が行われているが、かおり被告は現金9633万円を盗んだことを認めている一方で、弘樹被告は黙秘している。
しかし、私たちは、初公判の法廷での弘樹被告の行動に目を疑った。
傍聴席に友人を見つけると、ピースサインをして小声で「2年間」とささやいたのだ。
2年で出てくるという意味なのだろう。
歪んだ愛情を注がれた息子は、自らの罪に、そして母親の想いに、向き合うつもりはないように見える。
(フジテレビ「平成最後の年末に真相を見たSP」取材班 関舜太郎)
別に見たくもないでしょうが、この息子の他の写真には、次のようなものがあります。
あごの下の肉がたるんでいますね。現在服役中かと思いますので、少しはやせたでしょう。
写真を見ても、いかにも他人を不快にしそうなクズ野郎の顔をこの息子はしていますが、なんか異常に顔に緊張感がないですね。やはり自分にとって信じがたい大金を手にして、ほんとうれしくれうれしくて仕方なかったのでしょう。それでこの裁判がどうなったかといいますと・・・。
>元係長と次男に実刑判決 「息子盲信」「母食い物に」 松戸JA着服
2019年3月21日 05:00 |
女が勤務先のJAとうかつ中央(松戸市上本郷)の松戸南支店から現金2千万円を盗んだ事件で、窃盗罪に問われた元係長の松永かおり被告(54)=懲戒解雇、同市=と、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の罪に問われた次男の西弘樹被告(23)=同市=の判決公判が20日、地裁松戸支部(幅田勝行裁判官)でそれぞれ行われ、松永被告に懲役3年(求刑懲役4年)、西被告に懲役2年と罰金80万円、追徴金1400万円(求刑懲役3年、罰金100万円、追徴金1400万円)の判決を言い渡した。
判決理由で幅田裁判官は、松永被告について「11カ月の長期間にわたり通常業務を装い出納機から現金を引き出し、同支店の通用口を出た辺りで次男に手渡す手口は大胆で悪質」と非難。「紙幣を両替したように出納機を操作するなど、減った現金のつじつまを合わせ、発覚を遅らせたのも狡猾(こうかつ)」と述べた。
また、西被告から金を要求され全ての窃盗に至ったと認定した一方で、「(要求の理由は)常識的にうそと分かる内容で、息子を盲信した安易な動機に酌量の余地はない」として実刑判決が相当とした。
西被告に関しては、受け取った金を犯罪収益と知っていたと認定。「(松永被告が)言われるがままに金を用意するのを良いことに、受け取った現金を湯水のように使い、母親を食い物にした」と批判。「自身の遊興費だけでなくキャバクラ嬢との旅行やプレゼントに費やすなど犯情は相当に悪い」とした。
また、西被告が被告人質問で「脅されて金が必要だった」と主張したことに対しては「脅した相手を特定する情報もなく信用できない」と否定した。
松永被告は公判で、19回に分け9633万円盗んだと認めていた。弁護側は「起訴分の2千万円の被害弁償を済まして反省している。残りも支払い意思が強く、受刑よりも早く就労する必要がある」として執行猶予付き判決を求めていた。
西被告の弁護側も執行猶予付き判決を求め、「JAの内部について分からず、窃取金と認識していたと言うには無理がある」と主張していた。「追徴は被害弁償を遅らせる」とも指摘していたが、「被害回復給付金に充てられる」(幅田裁判官)として否定された。
判決によると、松永被告は2015年夏ごろ以降、西被告から定期的に大学セミナーなどの費用として金を要求され、次第に高額になると預金や借金で賄えず、昨年5月8日~6月15日、同支店の現金出納機などから3回に分け2千万円を盗むなど複数回にわたって現金を窃取。西被告は同支店敷地内で犯罪収益と知りながら2回分の計1400万円を受け取った。
弁償額が約2千万円にとどまっていることにJA担当者は千葉日報社の取材に「判決を精査して弁護士と相談し、民事訴訟するか否か検討したい」と話した。
現時点で「確定した」という記事も見つけていませんが、「控訴した」という記事やこの2人のその後についてのこれといった記事を見つけていませんので、たぶんこの判決で確定したのでしょう。判決は2年であり、被告人のささやきと一致します。つまり弁護士が、「だいたいこれくらいの刑期になる」と伝えて、ご当人としては「そのくらいで良かった」と考えているということですかね。どんだけクズなのよと思いますが、ただこれも、
>社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない、こういったことが通用しないと本当に迷惑だしどうしようもない
のたぐいですよね。
それにしても1億円弱横領しておいて
>息子のことを信じている
もないもんだと思いますが、たぶんですけど、母親からすると、息子に対して何らかの負い目があるんでしょうね。母親と息子が姓が違うのも、いつどういう事情でそうなったのかはわかりませんが、たぶん負い目と全く関係がないということもないのかもです。わかりませんが。
で、子どもの方も、これも事情は分かりませんが、たぶん親に対して「自分にはそのくらいのことを親に要求する権利がある」と考えているのでしょうね。いや、これもわかりませんよ。どういうことなのか。でも、親に大学生くらいの年齢でめちゃくちゃな無心をしたり、親に横領までさせるというのは、単にこいつが人間のクズであるというだけでは説明しにくいと思います。一応2人とも、この事件を始めるまでは、そんなにひどい犯罪ばかりしている人間でもなかったみたいだし。上の記事で、
>弘樹被告は、勉強が得意ではなく、大学でも、卒業に必要な単位が取れなかった。
こうした学業態度を、弘樹被告の父親は厳しく叱責した。
これ以降、息子の教育はかおり被告に一任され、夫に相談することもできなくなったようになったという。
とありますが、母親の子どもへの態度に、こういうところが関係しているのかもです。
それにしてもだねえと思いますね。うんなもん、この母親に「そういうことを子どもにしてはよくない」なんて横領の時点では論外ですが、金を借りて渡した時点で注意したところで、やっぱり彼女はそれを聞く耳はなかったのでしょうね。クズの息子もご同様。
人間、さすがに多くの場合、「横領」とまでいくと実行は躊躇するでしょう。また最低の常識や良識があれば、親に金を横領させてまで金を用意させたくはないくらいのことは考えるでしょう。この母親だって、「こんなのいつかはばれる」と思っていたはず。息子だって、こんなの一生続けられるとまでは思っていなかったでしょう。でも、そういった
>社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない
といったことは、なんらこの人たちの行動を抑制するものにはならなかったわけです。どちらかが抑制すれば、この事件は成立しませんでした。が、双方ともどもよほど馬鹿で常識がないのかそのあたりは定かでありませんが、このような事件が成立してしまったわけです。
昨日の記事で取り上げたゴム会社の横領社員も、けっきょく女のほうが無心するから金を渡したわけです。女が要求せず、男の方も「いくらなんでも」と思えばこの事件も、刑事事件まではならなかったでしょう。しかしおういう常識は、この連中には通用しませんでした。
それでかなりの重大犯罪ですが、長崎県と佐賀県であった長崎・佐賀連続保険金殺人事件だって、女のほうがさっさと逃げれば夫と子どもを殺害するなんていう事態にはならなかったわけですが、どっかで歯車が狂ったということでしょう。そろそろ判決が下るようですが、京都で死体遺棄を手伝わされた市役所職員(ケースワーカー)だって、手伝う前に警察に通報すればそれまでなのに、それができませんでした。完全に精神が狂っていたのでしょう。あるいは、これは犯罪ではありませんが、私も記事(こちら、こちら)にした元予備校講師の佐藤忠志氏もどうでしょう。彼は、家に住み続けていいという条件で家を売却して1億円の金を手にしたら、それで高級車を買って使い果たしてしまいました。おかげで奥さんからは逃げられ、近所に100円の金を借り歩く始末です。それで生活保護を受けて孤独死ですからねえ。これまた実に多くの人間が、「まずいですよ」「よくないですよ」「奥さんに謝ったほうがいいですよ」などと彼に忠告したはずだし、また彼も自分に問題がないと考えるほどの馬鹿でもクズでもないでしょうが、これまた浪費癖というか、買物依存症みたいなもので、どうしようもなかったのでしょうね。精神病院にでも自己入院したほうがよかったんでしょうね。完全なアルコール依存だったみたいだし。
佐藤氏も、奥さんその他への迷惑は半端じゃなかったはずですが、彼にとって人生最後のチャンスであった大金は、高級車を買うことにして明日の生活も成り立たなくなったわけです。本当に馬鹿だし迷惑だしどうしようもないですが、まったくもって孤独死するべくしてしたのでしょう。お話にもなりません。
ほんと、社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけないといったことを無視するようになったら、人間おしまいです。いや、安倍晋三みたいなクズもいるから、一概にはそうも言えないか。