2月の時点で報道されていたようなので、何をいまさらの感は否めませんが、気になった報道を。
>CLでの大一番を契機に新型コロナ感染が拡大?…イタリア人医師が見解
By サッカーキング編集部 2020.03.24
チャンピオンズリーグ(CL)での注目の一戦が、ヨーロッパでの新型コロナウイルス感染拡大の要因となってしまったのかもしれない。24日、イギリス紙『デイリー・ミラー』が報じている。
2月19日、CL決勝トーナメント1回戦ファーストレグのアタランタ対バレンシアの一戦がミラノのサン・シーロで開催された(アタランタのホームスタジアムの収容人数がCLの規定に満たないため)。4-1でホームチームが快勝した試合には、アタランタのホームタウンであるベルガモから35,000人ほどが、スペインのバレンシアからは2,500人ほどが訪れていた。
アタランタファンにとっては忘れられない一戦となった一方、イタリアではこの試合から2日後に国内初の新型コロナウイルス感染者が確認された。その後、イタリアではミラノやベルガモの位置するロンバルディア地方が、スペインではバレンシアが感染拡大の中心地となり、現在の大規模な拡大と繋がっている。
ミラノにあるサッコ病院のマッシモ・ガッリ氏は、「この試合のために何万人もの人々が同じ場所に集中したことは、大きな伝染の媒介となった可能性が高い」と、この試合が両国での拡大の契機となってしまった可能性を指摘した。実際に、この試合を観戦したバレンシアファンから感染者が確認されており、その後バレンシアの多くの選手やスタッフにも感染が確認されている。
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>コロナ拡大のイタリア、ベルガモ市長がCL開催の“代償”を指摘 「試合が生物兵器に…」
2020.03.27 記事
ゴリ市長はCL16強「アタランタ対バレンシア戦」が行われたことを後悔
新型コロナウイルスの感染被害が深刻なイタリア・ロンバルディア州ベルガモ市のジョルジオ・ゴリ市長が、2月19日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16第1戦、アタランタ対バレンシア戦が感染拡大を引き起こす原因になったと語った。スペイン紙「マルカ」が報じている。
試合はミラノにあるサンシーロで行われ、4万4236人の大観衆が見守るなかで行われた。アトランタは4-1でバレンシアに勝利。後の第2戦でも4-3で勝利を収め、クラブ史上初のCLベスト8へ駒を進めることになるが、大きな代償を支払うことにもなっていたようだ。
この試合の後に2月後半からイタリアでは、ミラノやアタランタの本拠地であるベルガモがあるロンバルディア州を中心に新型コロナウイルスの感染が急速に拡大。イタリアではすでに感染者が8万人を超え、死者数は約8200人で世界最多となった。
ベルガモのゴリ市長は「(アタランタ対バレンシアの)試合が生物兵器になった。あの時点では何が起きているのか分からなかった。イタリアで最初の患者が出たのは2月23日だった」とインタビューでコメント。CLの一戦が感染拡大を引き起こす原因を作ってしまったと考えているようだ。
「ウイルスがすでに広まってしまっていたとすれば、サンシーロに行っていた4万人のファンは感染してしまっただろう。ウイルスが我々の中で広まっていたことを誰も知らなかった」
イタリアではすでに国内のほぼ全域で市民の外出を制限する封鎖措置を取るなど徹底的なウイルス対策が講じられており、もちろんサッカーを含めたスポーツイベントもすべて開催が延期されている。ゴリ市長は「あの試合がすべてを引き起こした訳ではない」とCLの開催が唯一の原因ではないとはしつつも、拡大に加担してしまった可能性は高いだけにやりきれない思いを感じているようだ。
ついでなのでもう1つ。
>WHO幹部も認めた…イタリア&スペインの大規模感染「欧州CLが重大な役割」
20/3/26 23:00【海外 一覧】シェア
国際保健機関(WHO)のイタリア代表を務めるウォルター・リッカルディ氏がイタリア『Rai News 24』のインタビューに応じ、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)の試合が新型コロナウイルスの感染拡大を促進していたことを認めたようだ。2月19日、ミラノで決勝トーナメント1回戦のアタランタ対バレンシア戦が行われていた。
スペイン紙『マルカ』などによると、サン・シーロで行われた一戦にはアタランタのホームタウンであるベルガモから人口の3分の1にあたる約4万人が詰めかけていた。その後、ベルガモやミラノが位置するロンバルディア州で大規模な感染が発生。またスペインではバレンシア一大流行地となり、35%にあたる選手の感染が確認されていた。
ベルガモのジョルジオ・ゴーリ市長は25日、欧州CLを指して「このパーティーは生物爆弾だった」と主張。「あの時点では何が起こっているのか知らなかった。イタリアで最初の感染が確認されたのは23日だった。ただすでにウイルスが広がっていたのであれば、サン・シーロを訪れた4万人が感染したことになる」と推論を語っていた。
こうした見解に対し、WHOもお墨付きを与えた。インタビューに応えたリッカルディ氏は「2月19日の試合が重大な役割を果たしたと考えている。ベルガモの人口の3分の1がスタジアムに集まり、試合を開催した。最も影響を受けた地域となったのは偶然ではないし、イタリアからスペインに帰ったバレンシアの人々が感染源になったかもしれない」と述べた。
実際どうなのかというのは正直めったなことを言えないとはいえ、自治体の行政のトップ、WHOのイタリア代表といった人たちが
>CLの一戦が感染拡大を引き起こす原因を作ってしまったと考えているようだ。
>月19日の試合が重大な役割を果たしたと考えている。ベルガモの人口の3分の1がスタジアムに集まり、試合を開催した。最も影響を受けた地域となったのは偶然ではないし、イタリアからスペインに帰ったバレンシアの人々が感染源になったかもしれない
というようなことを述べ、あるいは上のように認識している模様であるというのは、非常に重大なように思いますね。
現段階日本では、大相撲は無観客で行われたし、高校野球(選抜大会)は中止、プロ野球やJリーグなども開幕あるいは再開のめどが立っていない状態です。大相撲も、5月で東京で行われる五月場所も、どのように開催されるかも定かでありません。それでどんどんさまざまなイベントも中止ということになりそうです。いくつか例を。
>新型コロナで「コミケ」も中止 主催者「苦渋の決断」―東京
2020年03月27日20時42分
同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)98」の準備事務局は27日、東京ビッグサイト(江東区)で5月2~5日に予定していた開催を中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「苦渋の決断」としている。中止は1975年の開始以来、初めて。
コミケは数十万人の集客力を誇り、マンガやアニメ、ゲームに関する日本最大のイベント。毎年8月に同会場で開催されているが、今年は東京五輪のメディア施設として使用されるため、5月に変更していた。
>博多どんたくパレード中止へ 新型コロナ感染拡大防止で―福岡
2020年03月27日18時59分
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月に福岡市で予定されている「第59回博多どんたく港まつり」のパレードなどを中止する方向で調整していることが27日、関係者への取材で分かった。天候以外の要因で中止になるのは初めてという。
関係者によると、福岡市や福岡商工会議所などでつくる主催団体「福岡市民の祭り振興会」は、大勢の人が集まる行事で、新型コロナの感染対策は困難だと判断した。30日にも決定する見通し。
私はコミケには行かないし、博多どんたくも今のところ行ったことはありませんが、たぶん日本中のイベントが、ゴールデンウィークあたりでも中止を余儀なくされるでしょう。本当に大変な、すごいことになっています。首都封鎖という事態にはならないかもしれませんが、あながちそれも大げさではない話になっています。いまのところ正式な発表はないようですが、たぶん私が2年続けて見物している「ザ・よこはまパレード」も、今年は中止ということになるのでしょう。ほかのさまざまなイベントもご同様。
そうなると卒業式の中止ほかなども、当然の配慮ということになりそうです。しかし先日のK-1の興行などは行われましたしねえ。現実問題として「中止にしたとして行政が補償してくれるわけでないし、開催しなければ存亡の危機になる」とかいう話になったら、それは興行する側だって開催を強行するでしょうしね。「自粛」なんてできるものでもない。「興行を中止しろ。しかしお前たちが倒産や経営破綻をしてもそれは仕方ない。我々は補償はしない」なんて話では、主催者だって聞く耳は持たないでしょう(当たり前)。こういうあたりもどうすればいいか。行政のみならず真剣に考えないといけないでしょうね。
しかし1年に1回とかの定期的イベントやとりあえず開催が独立している興行とかも大変ですが、リーグ戦が行われるプロスポーツなどは、前にも書きましたように赤字がかさむ可能性がありますね。Jリーグの鳥栖などは経営が苦しいと報道されているし、赤字経営であるとされるプロ野球のオリックスやヤクルトは、身売りになるかもしれません。そこまではいかなくても、今シーズンは試合数が少なくなるのでともかく経営は例年以上に大変でしょう。たぶん今年の選手の年俸更改は、野球もサッカーも他もかなり厳しくなります。これは、日本以外もかわりません。
ともかく大変なことになりましたね。首都封鎖になったらこんな記事を書いている場合でもなくなりますが、ともかく私も、事態の推移を見守りたいと思います。