昨日(4月15日)このようなニュースを読みました。
>3年生戦わずに引退も 陸上のインターハイ北海道予選中止
4/15(水) 6:00配信道新スポーツ
昨年の全道高校100メートルは恵庭北・御家瀬(左)が2連覇。立命館慶祥の石堂(中央)が2位に入った
インターハイは公認記録で出場者選考か?
6月16日から19日まで函館・千代台公園陸上競技場で開催予定だった全道高校体育大会の陸上が中止になることが14日、分かった。各支部大会も中止となる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、道高体連陸上競技専門部は開催困難と判断した。1948(昭和23)年に始まった同大会が中止になるのは初めて。ただし、現時点で8月12~16日の全国高校総体の陸上(静岡)は開催を目指している。全国高体連陸上競技専門部は公認記録を軸に出場者を選考する方向で調整中。
戦わずに引退か-。新型コロナが高校アスリートの最後の夏を奪い取ろうとしている。道高体連陸上競技専門部の神慶次郎委員長(43)によると、13日に全国専門部から文書で6月末までの競技会自粛要請があり、中止に至ったという。
現状では、公認記録を基にランキングを確定し、各都道府県の専門部内で協議の上で全国大会出場者を決定する方向で調整中だ。ただし、公認記録の期間については示されていない。今季は新型コロナの影響で記録会などは全て中止になっており、公認記録は昨季のものが最新。冬の間に実力を伸ばした選手や、けがから復活した実力者などは選考から漏れる可能性がある。
昨年8月の全国高校陸上女子200メートルで初優勝した石堂陽奈(立命館慶祥3年)を指導する日裏徹也監督(38)は苦しい胸中を明かした。「3年生は(大会が)何もなくなるかもしれないから、かわいそう。進路などもあるので指導者として辛い」と、部員の将来を思いやる。
全国的にスポーツイベントが続々と中止になるなか、14日には札幌市内の公立校を中心に5月6日まで2度目の休校に突入した。部活動もままならない中、仮に全国大会が開催されても出場する選手が本来の実力を発揮できるのか、選手の動揺は大きい。
「道新スポーツ」というのは、北海道新聞系列のスポーツ新聞です。したがってこの記事に登場するのは北海道の陸上選手ですが、もちろん問題は、北海道の選手だけではないし、陸上競技だけの問題でもありません。高校生のスポーツだけのことでもない。スポーツ全般の問題です。
過日私は、このような長ったらしい題名の記事を書きました。
当たり前だが、スポーツに関して報道するネタはないらしい(NHKの土曜のスポーツニュースは10分の短縮版で、おまけに7分以上はマンガの紹介)(4月5日更新)(追記あり)その記事で私は、
>つまりスポーツなんて、ほとんどまったく報道に値するネタがないってことですね。うんなもん、相撲だって実施されるかも定かでないし、プロ野球もサッカー(Jリーグ)も開幕あるいは再開のめどが立たない。これではどうしようもないにもほどがあるというものです。こんなん全然スポーツニュースじゃないじゃん(苦笑)。
(中略)
それにしてもこれはなかなかすごい事態ですね。たとえば日本で何らかの事情(たとえば2011年の東日本大震災など)で大がかりなスポーツイベントが開催されない(しかし選抜高校野球は、1995年の阪神淡路大震災の時と同様開催されました)ということはあっても、海外では、3月から4月くらいなら、欧州のサッカーあるいはMLBなどはやっているわけです。F1などカーレースなどもある。NHKも、スポーツニュースをそういうネタで放送するでしょう(震災関係の報道ばかりで、スポーツニュース自体が放送されないことはあり得ます)しかし現在、それすらない。世界的にも、その国だけでなく第3国でも興味が持たれるようなスポーツイベントは、ほぼ全滅だということです。
そう考えると、私たちはほんと、戦後しばらくしてからは、まったく経験していないことに直面しているんだなということですね。少なくとも現在のように日本への出入国がこんなに制限されることは、平和な時代になってからはなかったことだし、学校が現在のような大規模休校になっているなんて事態もない、さまざまなイベント(祭り、コンサート、スポーツその他その他その他)が中止になるなんてことも、昭和天皇が死にそうになった時に「自粛」なんてのがありましたが、あんなのよりはるかに事態は深刻です。なにしろこれが世界中なんですから。なかなか私たちもすさまじい渦中にいるのだなと再認識させられました。
と指摘し、さらに追記として
>4月11日追記:(中略、画像略)
ついに番組自体お休みになっちゃいましたね(苦笑)。たぶん私同様「ネタがない」「番組に意味がない」という指摘をする人が無視しえない数いたのでしょう。
と書きました。さらにこの翌日の日曜日のNHKのスポーツニュースでは、アスリートのメッセージとかそんなのばかり放送して、最後は昨年の4月に取材されたという南北アイルランドのラグビー代表についての取材の再放送でした。私も昨年これを観ています。アイルランドには、私は並々ならぬ関心があるのでこの取材を再放送してくれたのはうれしいのですが、ともかくNHKがまともに取り上げることのできるスポーツコンテンツが現在存在しないということです。それこそnordhausenさんがコメント欄で指摘されているように中央競馬くらいしかないんじゃないんですかね。そして大きなレースでないと、NHKもニュースでは取り上げません。
そしてこれが、プロ野球やJリーグといったプロスポーツ同様、高校や大学のスポーツにも相当な影響が出てきています。経営基盤が強いプロ野球に関して考えてみましょう。このスポーツは、プロ野球のあり方がアマチュア野球に大きな影響力があるので取り上げるのに好都合です。現在プロ野球は、開幕のめどがほぼ立っていません。が、なんとか比較的早い段階で コロナウイルスが解決したと仮定します。そうなると、さてプロ野球の開幕はいつごろになるでしょうか。
7月中に開幕するとなったら、6月初めには全体練習ができるようにならなければいけません。ミニキャンㇷ゚をはってオープン戦をして、それに1か月くらいの時間をとって7月に開幕するということになるでしょう。7月1日から31日のどこかの日付で開幕するとしても、やはり6月中には始動する必要があります。
しかしそうなるとかなりタイトな日程になるので、甲子園で高校野球を開催するのはかなり難しくなりますね。そもそも予選をするにしても全国一律に予選ができるかもかなり怪しい。A県ではできてもB県では難しいということが起こりうる。たぶん起きます。甲子園球場を所有する阪神も、今年はプロ野球のスケジュールを優先させざるをえないんじゃないんですかね。仮に甲子園で大会をするにしても、47都道府県の代表をすべて甲子園でプレーさせて、しかも全試合をNHKが生中継するというのは無理でしょう。
無観客試合になるかはわかりませんが、各高校の応援団が応援をするというのは危険すぎて不可でしょう。選手たちの交通手段、宿泊施設での感染も心配です。
そう考えると、これはプロ野球なども同じことですが、高校生が大勢集まってスポーツ大会を開催するというのは、今年の夏の段階ではほぼ絶望じゃないですかね。そもそも論としてするべきでもないでしょう。上の記事では、
>現時点で8月12~16日の全国高校総体の陸上(静岡)は開催を目指している。
とありますが、「感染したら責任とれるのかよ」というレベルでよろしくないと思います。
しかも陸上ですとまだ個人練習も多いですが、チームスポーツですと当然ながら集団練習となります。格闘技などは、最悪「感染してくれい」みたいなものになりかねません。
そうであれば、しばらくスポーツはお休みにしたほうが良さそうですね。練習自体が危険極まりないのだから仕方ない。10代20代くらいの健康な人たちがそうそうコロナウイルスによる肺炎で死ぬこともないのでしょうが、やはり感染のリスクは最大限低くする必要があります。
というわけで私は、夏の時点では高校生の大規模なスポーツ大会のたぐいは開催しないほうがいいし、また開催はされない可能性が強いと思います。が、もし夏の高校野球をするのなら、真夏の盛りに甲子園球場で全試合NHKの全国生中継付きで開催するというようなめちゃくちゃなことを見直す機会にはなるのではと思います。たぶん今年は、開催するのであれば何らかの手直し、簡略化、見直しは必至でしょう。そうなるのであれば、長期的な視点で見れば、それも決して悪いものでもありません。いずれは通らなければいけないことなのではないか。高野連、朝日新聞、毎日新聞、あるいはNHKや読売新聞、産経新聞、民放キー局などもそうなのかもしれませんが、世間一般の人間らも、まともに直視することを避けてきたことを、あらためて再考する機会とすることができるし、またそうしなければいけないと考えます。