すみません、ちょっと(いや大いに)お知らせするのが遅くなりました。本日(5月7日)から、高倉健が主演した1977年放送のテレビドラマ『あにき 』が、TBSチャンネル2にて放送されます。また、20日にこれもCSであるAXNミステリーで、高倉が95年にNHKで出演したドラマ『刑事 蛇に横切られる』が放送されます。
ご存じの通り、高倉健という人は、ほぼ映画専科の人でした。Wikipediaによれば、駆け出しといっていい1956年に1本出て、その後77年に上の『あにき』に出演、あと90年代にNHKで2本(うち1本が『刑事』)、フジテレビで1本出ただけです。90年代は、やはりやや彼が出演できる映画の本数が減ってきたことが出演の一因かと思います。77年の連続ドラマ出演(主演での連続テレビドラマ出演は、これが最初で最後でした)は、彼が東映を退社して、ことによったら干される可能性もあった時期(実際は、同じ年に公開された『八甲田山』『幸福の黄色いハンカチ』の成功で、彼は国民的スターにステップアップします)というキャリアの過渡期だったということでしょう。事実彼が国民的スターになったために、その後十何年彼はテレビドラマに出演することはなかったわけです。
さてここで、文化勲章受章者のリストを見ていますと、俳優で受賞した人は、歌舞伎は当然としても、森繁久弥も山田五十鈴も森光子も、受賞を辞退した杉村春子や高倉の後に受賞した仲代達矢も舞台での活躍が評価されての受賞であり、映画俳優として評価されたのは、現段階高倉だけです。2010年に吉永小百合が文化功労者に選出されているので、あるいは彼女は、文化勲章を受章するかもですが、吉永以降で、舞台とはあんまり縁がなくて文化勲章受章もあり得る俳優って誰かいますかね? ちょっと私はいま思いつきません。
余談が過ぎました。『あにき』のほうは、倍賞千恵子が特別出演という形で登場しているので、たぶんこれは『幸福の黄色いハンカチ』との相乗効果を狙ったのでしょう。映画の公開が10月1日、ドラマのスタートが同じ月の7日です。脚本が倉本聰で演出が井下靖央、大山勝美というのもなかなか豪華です。倉本は、1981年公開の駅 STATION』の脚本を書き高倉が主演していますが、このドラマもその実現に多少なりとも役立っているのですかね? 文献か何かを読めばわかるのかもですが、今日のところは未確認ということで。
なおNHKのドラマの方は、現在オンデマンドでも視聴できるようなので(この記事を書いている時点では、5月28日が購入期限)、CSを観られないが興味のある方はご検討を。またこの記事は、テレビドラマの話ですが、便宜上「映画」のカテゴリーとします。