記事にするのが遅くなりましたが、力士がコロナウイルスの亡くなりましたね。記事を。
>大相撲の三段目力士がコロナで死去 勝武士さん、28歳
2020年05月13日16時07分
日本相撲協会は13日、西三段目82枚目の勝武士(しょうぶし)さん(本名末武清孝=すえたけ・きよたか=、山梨県出身、高田川部屋)が同日午前0時30分、コロナウイルス性肺炎による多臓器不全のため、東京都内の病院で死去したと発表した。28歳だった。
協会員の新型コロナウイルス感染による死者は初めてで、厚生労働省によると国内で20歳代以下の感染者の死亡が報告されたのも初めて。
相撲協会によると、勝武士さんは4月8日に東京都内の病院に入院。転院先で10日にPCR検査で陽性と判定され、19日から集中治療室で治療を受けていた。
勝武士さんは2007年春場所初土俵。部屋では師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)や十両白鷹山も感染し、その後退院。勝武士さんは幕下以下だったため、当初は非公表だったが協会員で最初に感染が確認された。
相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「1カ月以上の闘病生活、ただただ苦しかったかと思いますが、力士らしく、粘り強く耐え、最後まで病気と闘ってくれた。安らかに眠ってほしい」との談話を出した。
(以下略)
どうも報道を読んだ限りでは、入院して集中治療室に入ってからはほぼ治癒の見込みがなかったように感じますね。いずれにせよ非常にお気の毒です。ご冥福をお祈りいたします。上の記事には書かれていませんが、糖尿病を患っていて、それがどうもよろしくなかったようですね。
それで医学に素人の私ですが、この方の死の報道を読んで「おや」と思ったのがこちら。
>コロナウイルス性肺炎による多臓器不全のため、東京都内の病院で死去した
多臓器不全か、と私は思いました。多臓器不全というのは、読んで字のごとく、身体じゅうの臓器がよろしくない状態になっていることですから、もしかしたら彼は、血栓か何かが生じて、それで多臓器不全になったのかもという気がしました。事実、もう半世紀ほど以前の話ですが、現役の横綱がそれで急死したことすらあったわけです。
第51代横綱である玉の海正洋は1971年7月場所前後に急性虫垂炎を発症、ようやく10月に手術をうけて成功、12日に退院予定でしたが、その前日の11日朝に肺血栓を発症午前11時30分に死亡が確認されました。右の主管肺動脈には約5cmの血の塊が詰まっていたといいます。Wikipediaの記述を借りれば、
>玉の海のような力士体型(肥満体)の人間が、手術後に血栓症を発症しやすいのは現代では常識であるが、その当時はあまり知られておらず十分な予防策も取られていなかったものと考えられる。
ということです。
それで、今回亡くなった力士についてはよく分かりませんが、どうお新型コロナウイルスでの死者には、この血栓による死者がかなり多いようですね。いくつか記事をあたってみました。
>新型コロナウイルスが危険な血栓生む、容体急変の原因か-医師ら警告
Jason Gale
2020年5月6日 1:19 JST
肺炎などを引き起こす新型コロナウイルスが、命に関わることもある別の合併症を生む可能性があることが指摘されている。
血栓に関連する大量の機能障害が世界各地で報告されている。足のつま先が霜焼けのように赤く腫れる軽度の症状から、血管を詰まらせ命を失う症例まである。危険な血栓を放置しておけば、肺炎の症状が治まったとしても数日から数カ月の間に血栓が障害を引き起こす恐れがある。
米ブラウン大学ウォーレン・アルパート医学校の肺疾患救急救命治療・睡眠医学責任者、ミッチェル・レビー氏は、血栓が発生する現象は「最近1、2カ月で明らかになった、恐らく最も重要な事実だ」と述べた。
集中治療室でCOVID19患者を治療する医師ら(イタリア・ローマの病院で、3月26日)
ウイルス感染で血栓ができるリスクが上昇するのは珍しいことではない。1918年のスペイン風邪ではおよそ5000万人が犠牲になったが、血栓による血管障害が関係していた。エイズウイルス(HIV)やデング熱、エボラ出血熱などのウイルスも血栓を生みやすいことが知られている。新型コロナウイルス感染症(COVID19)の患者では、血栓による影響がさらに大きい可能性がある。
「COVID19では、過去に見たことがない形で血栓ができている」とレビー氏は述べた。新型コロナ患者では動脈内などで血栓が生じて肺に向かう血液の流れを止め、呼吸困難を引き起こす。健康そうに見える患者が突然倒れ、血液の深刻な酸素不足に陥るのは恐らくこれが原因だと、エール大学医学部のマーガレット・ピサニ准教授は説明した。
フランスとオランダの調査によると、新型コロナの重症患者のうち30%で肺血栓塞栓症が発生した。新型コロナに感染していない重病の患者で肺血栓塞栓症が見られたのは1.3%だという。
>日本人医師が警鐘…新型コロナウイルスが「血栓」促進か 米で若年層の脳梗塞相次ぐ
瀬島 隆太郎
ワールド
2020年4月29日 水曜 午後6:00
30~40代の新型コロナウイルス患者が脳梗塞を併発するケースが相次ぐ
ウイルスが異常な血栓を作る⁉報告の日本人医師に聞くメカニズム
若年層で受診が遅れるケース 脳梗塞の全症例でウイルス検査を実施
若年層のコロナウイルス患者が脳梗塞を併発
新型コロナウイルスに感染した30~40代の患者が脳梗塞を併発する症例がアメリカで相次いでいることがわかった。ウイルスが「血栓」の形成を促進したことが原因となった可能性が指摘されている。アメリカでは今、新型コロナウイルスと「血栓」の関連性が注目を集めている。
マウントサイナイ医科大学病院のチームがまとめた報告によると、新型コロナウイルスに感染した50才未満の患者が、脳梗塞を併発した症例が2週間で5人と相次いだ。5人の新型コロナウイルスの症状はいずれも軽症か無症状。ウイルスの影響で血液の凝固機能が亢進し、「血栓」の形成を促進したことが脳梗塞発症につながった可能性があるという。
マウントサイナイ医科大学病院
同病院では、主幹動脈(脳に酸素や栄養を送っている複数の太い血管)の閉塞による脳梗塞で治療を受けた50才未満の患者は、通常2週間の平均で0.73人。1症例あるかないかだったのが、この2週間では7倍に増加した。この報告は医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に28日、掲載された。
通常、この年代での脳梗塞の発症例は多くない。実際に同病院で治療に当たり、報告をまとめた日本人医師・重松朋芳助教は、当初、糖尿病や高血圧など脳梗塞の危険因子が確認されない若年層が、新型コロナウイルスに感染した後、何の前触れもなく脳梗塞を発症する症例が相次ぎ、驚いたと話す。
重松医師:
「この5つの症例はすべて、50才未満で主幹動脈閉塞を認める脳梗塞。脳梗塞の危険因子である糖尿病、高血圧、高脂血症、睡眠時無呼吸症候群といったリスクが全くないような状況で、発症したので非常に驚いて報告した」
ウイルスが異常な血栓を作る⁉ 症例報告した日本人医師に聞く特異なメカニズム
重松医師は、この発症のメカニズムについて、「新型コロナウイルス特有の現象だ」と指摘する。感染すると、なぜ、若年層でも脳梗塞を発症するのか、また、通常の症例との違いは何なのか詳しく話を聞いた。
テレビ電話でインタビューに応じてくれたマウントサイナイ医科大学病院脳神経外科重松朋芳助教
ーー新型コロナウイルスと脳梗塞の関連性、メカニズムは?
解明されていないが、新型コロナウイルス感染症の症例を見返すと、凝固機能が非常に亢進しているというデータがちらほら見られる。新型コロナウイルス自体がなんらかの凝固、血が固まりやすくなる状況を作り出して、異常な血栓を作り、脳梗塞を起こしたのではないかと考えている。
細い血管が血栓によって詰まっていくというようなメカニズムは頭だけでなく、肺などでも起こっている。それが頭の中でおこれば脳梗塞を起こすのではないかなと考えている。
ーーウイルスが血栓を作るというのは珍しい現象か?
新型コロナウイルス特有じゃないかと今のところ言われている。肺炎が重症化するメカニズムでも肺の中の細かい血管に血栓ができて循環が悪くなり、肺炎が悪化し、重症化するのではないか。
ーー新型コロナウイルス特有の症状では味覚障害が有名だが?
味覚障害の直接の原因ははっきりしていないと思うが、同様に新型コロナウイルスによる血栓症もこれまで(関連性が)はっきり指摘されていなかった。
普段は血栓がつかないようなところにつく
ーー今回の症例で特異な点は?
普段は血栓がつかないようなところにつく。頸動脈、首のあたりに血栓がついて、治療したら消えてしまうということもあった。もしくは血管内治療を行った症例では、血栓をある程度とってもまた自然にそこに血栓ができ、詰まってしまうという状態が繰り返されることもあった。
普通、脳梗塞で主幹動脈が詰まる場合は例えば心臓内で大きな血栓ができて、頭にとんで大きな血管が詰まってしまうというメカニズム。その場合血栓は一度回収すればおしまいだが、若い症例では血栓が一度できたら回収してもできやすく、何度でもできやすい。または異常なところに血栓ができやすいというような形だった。だから、心臓から血栓がとぶようなタイプの脳梗塞、我々が普段治療しているような脳梗塞ではなかった。
ーー全米レベルで症例数は?
まだつかめていない。ただ、血栓症の中でも、脳から戻る血管、静脈に血栓ができる脳静脈洞血栓症という月に1例あるかないかの症例が、新型コロナウイルス感染が始まったのと同時期に急に4例相次いだ。元々は経口避妊薬を内服している若い女性や肥満のリスクがある方に起こる。マンハッタン内でニューヨーク大学やブロンクスの病院でも同じような疾患を見たという話があった。
ーーなぜ若年層に起こるのか?
実際には、コロナウイルス陽性の高齢の方も脳梗塞になりやすいと思う。若い人でも(感染した場合は)凝固機能が亢進するため、脳梗塞がみられるようになってきたし、また、重症なタイプの脳梗塞がみられるようになってきたのではないかと考察している。
ーー治療法は特別なものか?
脳梗塞に対する治療は通常の治療。それにコロナウイルスの治療、呼吸管理、全身管理が必要になってくるかどうかの違いだ。
症状があれば早期受診 脳梗塞患者には検査の徹底を
インタビュー中、重松医師の声のトーンが変化した瞬間があった。それは、症状が確認された場合どのように対処すべきかと質問した時だ。重松医師は「脳梗塞の治療は時間との闘いだ」と強調し、患者、医療従事者の双方に対し、次のように警鐘を鳴らす。
重松医師:
「脳梗塞の治療は時間との闘いだ。血管が詰まった瞬間から脳細胞がどんどん死に始め、脳に早く血が流れるようにしてあげないと脳を救うことができない」
特に若い世代の場合、受診が遅くなることが問題で、ダメージが最小限に抑えられなかったり、思うような回復が得られなくなるケースがあったと言う。また、以下の症状があった場合は、若い世代でも脳梗塞の恐れがあると注意を呼びかける。
重松医師:
「ろれつ障害、体の片側だけ力が入りにくいなど筋力低下、顔が非対称になる、片側だけ動きにくくなる、半身だけのしびれというのが一般的な症状だ。頻度が高いわけではないと思うが、(脳梗塞の症状が)若い方にも起こりうると認識してもらい、万が一症状が出たらコロナがいるからいやというのではなく、一刻も早く受診してほしい。早く来て早く治療すれば、より回復がよくなる、それを伝えたい」
一方、医療従事者に対しては、若い世代を含む全ての脳梗塞の患者に対して新型コロナウイルスの検査をすべきだと強調する。
重松医師:
「脳梗塞の患者さんに対しては、症状がなくてもコロナウイルス感染症を疑うことが自分を守る、スタッフを守る、病院を守る、患者さん、また院内の他の患者さんを守るという立場から大事じゃないかと思う。当院では症状が無くても、脳梗塞患者の全症例に、コロナウイルスの検査をしている。安全管理、患者さんマネージメントの面からしても大事なことじゃないかと思う」
アメリカメディアによると、新型コロナウイルスと脳梗塞を巡る同様の症例は国内の他の病院でも相次いで確認されていて、大型医療センターが近くデータを発表する準備が進めているという。
また、脳梗塞とは別に「COVID toes(コロナのつま先)」という足の指先の病変も話題に上っている。ノースウェスタン大などによると、若年層の新型コロナウイルス陽性患者のつま先が赤や紫色に変色するもので、ウイルスとの関連性について研究が始まっているという。一部の専門家からは「血栓」との関連性を指摘する声も出ている。
「COVID toes(コロナのつま先)」
アメリカでは一部の地域で経済活動が早くも再開したが、第二波発生の懸念もある。新型コロナウイルス発症と治療のメカニズムの一刻も早い解明が待ち望まれる。
【執筆:FNNワシントン支局 瀬島隆太郎】
どうやら新型コロナウイルスのせいで血栓ができるというのは、疑うべくもないみたいですね。そうすると糖尿病でしかも肥満体系の力士がコロナウイルスで発症すると、かなり血栓がやばそうです。たぶんですが、今回亡くなった力士も、この血栓ができてそれが悪く作用した可能性が高いのではないか、と素人ながらに考えます。
それにしても日本人で20代でコロナウイルスにかかって死亡したのは、確認されている限りではこの力士が最初のようですから、なんともはやです。海外でも10代、20歳をちょっと超えたくらいの人の死が報告されていますが、死亡者数が少ない日本でもついに出てしまいましたか・・・。
しかも小児が、川崎病めいた病気にかかったいるという怖い報告もあります。
>川崎病に似た症状の子102人、NY州 コロナと関連は
ニューヨーク=藤原学思 2020年5月14日 16時04分
米ニューヨーク(NY)州のクオモ知事は13日、州内で102人の子どもが、発熱や発疹が続く原因不明の難病「川崎病」と似た症状を起こしたと明らかにした。このうち7割は集中治療室(ICU)に入ることが必要になり、3人が死亡したという。過半数が新型コロナウイルスの検査で陽性と診断されており、詳しい原因を調査している。
NY州ではこれまでに約34万人が新型コロナに感染し、約2万2千人が亡くなっている。ただ、子どもが重症となるケースは少なく、入院者の1%未満だった。クオモ氏は会見で「親にとっては最悪の悪夢だが、子どももウイルスから重大な影響を受ける可能性がある」と述べ、体調の変化などに注意するよう呼びかけた。
NY州によると、確認をされているのは「多臓器炎症型疾患」。主な症状として、5日以上の発熱▽激しい腹痛や下痢、嘔吐(おうと)▽目の充血▽皮膚の発疹などが確認されている。また、皮膚が青白くなったり、呼吸が困難になったりするケースもあるという。
この疾患の正体は依然明らかでありませんが、ともかく非常に怖い疾患です。新型コロナウイルスというのは、まさに私たちの予想できないような災禍をもたらすようです。まったく始末に負えない。これから徐々に社会もまた動き出すでしょう。そしてやはりそれによってウイルスが散らばります。私たちとしては、最大限感染したくないし、したとsても発症しないでほしいと願うばかりです。
勝武士さんのご冥福をあらためてお祈りしてこの記事を終えます。