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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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TBSのCSチャンネルで、山口百恵の初連続ドラマが放送される(「顔で笑って」)

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今年の7月初めにこのような記事を発表しました。

「赤いシリーズ」の山口百恵出演作品が、7月1日からTBSのCSチャンネルで放送されている(1日2話放送)

赤いシリーズ」の放送は現在も続いていますが、本日お伝えしたいのは、やはり大映テレビ製作のドラマ(世にいう「大映ドラマ」)の話です。12日月曜日から、山口百恵の連続テレビドラマデビューである「顔で笑って」が放送されます。放送局のサイトはこちら。内容を、同じサイトから引用します。

>永遠のスター・山口百恵の連ドラデビュー作。1973年に制作されたこのドラマで山口は、宇津井健と初の父娘役で共演している。本作の共演がきっかけで、翌年の1974年には大映テレビドラマの名作“赤いシリーズ”第1弾の「赤い迷路」が制作される。今でも根強い人気を誇る大映テレビドラマファンにとっては、まさに超お宝ドラマと言える作品。
百年あまり女系が続く鎌倉の外科病院を舞台に、院長に就任した有能な外科医とその家族、病院のスタッフ、そして患者たちとの日常を描いたホームドラマ。

【ストーリー】
鎌倉にある、百年あまりも女系家族が続いている「花田外科病院」。代々婿養子が院長を務め、現在の院長・花田誠一郎(松村達雄)も婿養子。養子という立場上、妻のきり(葦原邦子)、ひとり娘の秀子(倍賞美津子)、義妹の徳子(冨士眞奈美)らにまるで頭が上がらず、先代から勤めている婦長・岩崎千代(初井言栄)をはじめ、看護婦や医師たちまでもが院長を馬鹿にしている。誠一郎にとって味方は、花田家の主治医で後輩の内科医師の吉本(フランキー堺)と、お手伝い兼看護婦見習い・内田久利子(川口晶)だけだった。
ドラマはある日、院長・誠一郎が脳溢血で倒れたところからはじまる。知らせを聞いて東京から駆けつけてきた山田大吉(宇津井健)は、十年ほど前に妻と死別し、中学生の娘・悦子(山口百恵)とやもめを通している腕の良い外科医である。大吉は亡き父の親友・誠一郎の援助のお蔭で外科医になった。大吉はその恩師のたっての頼みで院長代理を引き受けた。妻のきりは世間知らずで、妹の徳子にのせられ、いいなりになっている。一人娘の秀子は男を男とも思わない大変なじゃじゃ馬娘。病院の経理担当責任者で事務長の徳子はケチのかたまりのようなオールドミス。医師の富田(橋本功)は徳子にそそのかされ次代院長の座を狙っている。婦長の千代は、同じ病院に勤める外科医の息子・明夫(水谷豊)のために、病院の実権を持つ徳子には決して逆らわない。これら数多い敵の中でも大吉にとっての最強の相手は、やはりもうけ第一主義の徳子。看護婦の悠木ひな子(春川ますみ)をはじめ、鈴木初恵(紙じゅん)、渡辺桃子(青山美樹)らたちと明夫は大吉の奮闘ぶりを面白半分で見守っている。この中で、はたして子連れの大吉は男の威厳を取り戻すべく、どこまで奮闘できるのか?

解説を読めばお分かりのように、このドラマは、まさに赤いシリーズのプレプログラムとでもいうべきものであり、まさに導入部です。宇津井健と山口百恵の黄金コンビ(赤いシリーズでは、宇津井健はまさに別格の扱いでした)の始まりは、まさにこのドラマだったわけです。

内容を読むと、赤いシリーズのようなえげつないといっていいくらいの濃いストーリーではなく、かなりホームドラマの色彩の強いものです。このドラマも大映テレビ制作の「大映ドラマ」なのですが、たぶん現在赤いシリーズが「大映テレビ劇場」で放送されているので視聴者も百恵の連続テレビドラマデビューに関心があると考えたのでしょうが、、別の時間、すなわち

>10/12(月)から10/28(水)まで 毎週(月)-(金)午前7:00〜午前8:40[2話ずつ]

で放送されます。1日あたり2話の放送予定で、これは大映テレビ激情と同じです。10月に放送されるのは、やはりこの10月が、山口百恵引退40周年だからですかね?

キャストを見ると、「赤い疑惑」で百恵の祖父を演じた松村達雄や、赤いシリーズ(赤い激流)にも出演していた水谷豊が出演していることが目を引きます。倍賞美津子フランキー堺など、のちの大映ドラマ出演者とはちょっと毛色の違う人も出演しています。倍賞さんは、前に記事にした映画と同じ年の出演ですね。

三波伸介も、やはりシリアスな方向へもシフトしようという意思があったのだと思う(ご存命なら今月90歳)

ちなみにフランキーさんは、大映ドラマでは、「ポニーテールはふり向かない」に出ていました。伊藤かずえ演じる娘(主人公)にドラムを指導する父親役でした。このドラマははるか昔観たことがありますが、あんまりまじめに観なかったのでよく覚えていません。たしか最初の方に出演しただけの特別出演みたいな形式だったはず。フランキーさんといえばドラマーですから、まさにうってつけといえばこれほどの役はないはず。

ほかには、春川ますみもこの時代のドラマでは大常連さんですね。何回か記事に書いている「ウルトラマンレオ」でも、MAC全滅後の40話以降において彼女はレギュラーだし(金がなくて予算削減のためにレギュラーを主人公と子役1人をのぞいて切ったのに、当時引っ張りだこだった彼女を起用するあたり、さすがウルトラシリーズということでしょうか)、高倉健主演の連続テレビドラマ(彼が、連ドラに主演したのは、この1回のみ)にも出演していました。また、大映ドラマでは、岡崎友紀主演の「なんたって18歳!」では、主任格のバスガイド(岡崎ら新人バスガイドを厳しく教育する指導役)を演じていて、彼女がそういう役をやると、ほんとそういう人に見えます。「レオ」でも、看護婦長(当時の呼称)そのものという印象がありました。ほんとうまい女優さんです。

ともかく注目すべきは、この初ドラマで早くも宇津井健と山口百恵による親子が実現していることですね。それで前年の1972年に放送された「シークレット部隊」で芸能界デビューした三浦友和に、大映テレビの野添和子にあやかって(野添は、「シークレット部隊」と「顔で笑って」両方のプロデューサーでした)「友和」という芸名をつけているのも宇津井ですから、友和も百恵も、宇津井には頭が上がりません。この2人の結婚の際の仲人が宇津井夫妻だったのも当然というべきものかも。

それで思うに、このドラマはのちに(1981年)TBSで制作された宇津井主演の連続ドラマ「野々村病院物語」の下敷きみたいな性格がある程度あるかもしれませんね。たぶん意識はしているのでは。いや、私は「野々村病院物語」は観ていないので(もちろん「顔で笑っても」観ていない)めったなことは言えませんが。コンセプトが似ているのは確かです。なお制作会社は、「野々村病院物語」はテレパック(TBS系列の会社)ですので、大映ドラマではありません。

この作品自体は、大映ドラマ独特の、異常なまでの濃いストーリーとはまた別ものだと思いますので、軽く楽しみたいと思います。視聴できる環境のある方は、ぜひご覧になってください。私ももちろん楽しみに観ます。なおTBSチャンネル2での「大映テレビ激情」での放送は、本日(10月7日)で「赤い激突」が終了、明日(10月8日)から「赤い嵐」ですが、能瀬慶子じゃちょっといまいちやなというところはあります。いやべつに能勢さんにうらみはありませんけど。ていうか私も1日2エピソードの放送スケジュールについていけず、現段階「赤い衝撃」の25回目あたりを見ている段階です。が、やはりこうなったら「赤いシリーズ」全作品全エピソード制覇をしたいので、最後まで見つづけます。見終わったら記事にしますが、はたして今年中に可能か? ましてや「顔で笑って」を観ていたら、さらに遅れそうです。


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