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死刑が確定している人間に「反省」とか「贖罪」を求めても、不快になるだけだと思う

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前にも同じような記事を書きましたが、あらためてということで。記事を。

>植松死刑囚が「作品」出展 都内で23日から「表現展」

社会 | 神奈川新聞 | 2020年10月21日(水) 12:40

被害者家族失望「贖罪の気持ちない」

植松死刑囚の応募作(主催者の「死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金」提供)
 障害者施設「津久井やまゆり園」(神奈川県相模原市緑区)で入所者ら45人を殺傷した植松聖死刑囚(30)が拘置施設内で制作した「作品」が、東京都内で23日に始まる「死刑囚表現展」に展示される。犯行前から公言する独善的な主張の箇条書きで、被害者家族は「何ら贖罪(しょくざい)の気持ちがない」と失望している。

 植松死刑囚は2016年7月、園での勤務経験から「障害者は不幸をつくる」と一方的に憎悪を募らせ、入所者19人を刃物で殺害、職員を含む26人に重軽傷を負わせた。今年3月に横浜地裁で開かれた裁判員裁判で死刑が宣告され、弁護人の控訴を自ら取り下げて判決が確定した。東京拘置所に収容されている。

 出展したのは、角2サイズの茶封筒4枚に書き連ねた「7項目の提案」など。「安楽死の法制化」「大麻合法化」「美容整形の推進」といった内容で、犯行数カ月前にトランプ米大統領候補(当時)に触発されて着想した独自の「政策」だ。主催者が国会議員経由で出展を呼び掛け、7月に応募があったという。

 一命を取り留めながらも重傷を負った尾野一矢さん(47)の父剛志さん(76)=座間市=は「死刑確定後も罪に向き合っていないのは明白だ。展示自体も彼の主張に感化される人々が現れる恐れがあり、有害でしかない」と失望した。

 展示担当者の深田卓さん(72)は「死刑囚は出展を重ねるうち、贖罪の気持ちを深めていく傾向がある。彼らの処遇がほとんど開示されない日本で、心境を垣間見られる機会にしたい」と話す。

 会場にはこのほか、17人による計約110点が展示される。秋葉原無差別殺傷事件(08年)の加藤智大死刑囚(38)や、大阪・寝屋川中1男女殺害事件(15年)の山田浩二死刑囚(50)のイラストや詩歌もある。

 表現展は、死刑廃止派の市民団体が05年に始め、今年で16回目。会場は、東京都中央区の松本治一郎記念会館5階。25日まで。入場無料。問い合わせは、港合同法律事務所電話03(3585)2331。

>死刑確定後も罪に向き合っていないのは明白だ。展示自体も彼の主張に感化される人々が現れる恐れがあり、有害でしかない

そういうことを言いたくなる気持ちというのを理解しないではないですが、ただ罪と向き合うとか、そういうことを求めても、まったく実現する見込みはなさそうですから、あんまりこのようなことには反応しない、かかわらないほうがいいと私は思いますね。

死刑判決というのは、犯した犯罪に対する反省がない、反省が足りない、十分反省をしていることは認めるが、事件の重大さから死刑にせざるを得ない、と裁判官・裁判員が考えたわけです。つまり死刑判決を受けた人間は、仮に反省をしていてもそれは死刑判決を下すうえでの最終的な障害になりえなかったわけであり、あとは死刑執行を待つ身の上です。そういう人間に、「贖罪」とか「反省」を求めたところで、その期待は裏切られる可能性が非常に高いと思います。反省して何か特をすれば反省するかもしれませんが、いまさら再審なんか請求する気もないとかいう死刑囚だったら、もはやそんなことはどうでもいいでしょう。

ましてやこの事件の場合、植松死刑囚は、死刑判決に控訴すらしませんでしたからね。自分で弁護人控訴を取り下げている。パターンとしては、附属池田小事件の宅間守に似ています。宅間は、判決確定後1年くらいで死刑が執行されています。異例の早期執行ですが、植松死刑囚も同じような早期執行になる可能性もある。そういう人間ですから、ますます反省などしないでしょう。

死刑囚(あるいは、それに値する犯罪者)というのにもいろいろあって、公安事件、誘拐事件、シリアルキラー、大量殺人、強盗殺人、家族間殺人など犯罪の種類も多方面にわたりますが、このやまゆり園の事件は、犯人が障害者殺害に特化しているというかなりすさまじいものですから、そういう点でもやはり態度は変わらない、少なくともきわめて変わりにくいと思います。この人物から反省や贖罪の言葉が出てくる可能性は皆無かそれに近いでしょう。

そう考えると、被害者家族(この事件の被害者遺族は、匿名ですから、なかなか表立っての発言は難しいと思います)はあまりこのようなかかわらないほうが精神衛生上いいのではないかですが、やはり抗議をしないわけにはいかないのでしょう。それは理解しますが、それはひどい不快さと表裏一体のものです。いまさら被害者家族が不快になっても得るものはないと思います。「あんなクズが何ほざこうが、いまさら相手にしない」というスタンスも考慮したほうがいいかもしれません。植松死刑囚は現在死刑囚としての処遇であり、発言の自由は大幅に制限されていますが、彼自身は黙るということはないのでしょうし、何らかの形で(今回のように)彼の発言を伝えるチャンネルはあるでしょうから、そのあたりはあんまりまともに対応しなくてもいいのではないかと思います。


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