あ、すみません。社会時評というほどのネタでもありませんが・・・。記事を。
>いじめ調査、3校68人分の回答改ざん 講師を懲戒免職
徳島慎也、大宮慎次朗、近藤咲子 2020年12月8日 6時23分
仙台市が毎年実施しているいじめの実態調査で、いじめを訴える児童の回答を改ざんしたなどとして、市教育委員会は7日、市立七北田小学校(泉区)の荒木武講師(48)を懲戒免職処分にしたと発表した。改ざんは確認できただけで3校ののべ68人分。市教委は私文書偽造の可能性があるとして、警察に相談する。
市教委によると、荒木講師は11月、自分が受け持っている児童33人のいじめ調査の回答のうち、のべ24人分を無断で書き換えたという。
2人については、調査用紙ではいじめられたことが「ある」に丸印があったのに、「ない」に書き換えていた。いじめが「つづいている」や、いじめをしたのは「おなじクラスの人」などとした丸印も消していた。
さらに22人分について、学校がいじめ防止にしっかり取り組んでいるか聞く設問で、「すこしおもう」や「あまりおもわない」の回答を「おもう」にするなど、学校の対応をより高く評価する選択肢に書き換えていたという。
11月中旬、いじめを訴える児童の保護者との面談で、荒木講師が示した回答用紙と食い違っていることが判明。保護者が回答の控えを持っていたことから、改ざんが発覚したという。
市教委の調査に対して、荒木講師は2016、18、19の各年度にも、勤務先のそれぞれの学校で同様の改ざんを認めた。18年度はのべ28人分、19年度はのべ16人分の改ざんが確認されたという。16年度は用紙が破棄され、内容を確認できなかった。
荒木講師は臨時的任用職員で、「常に評価を上げなければ、将来の任用に影響すると考えた」と説明したという。
11年の大津市の中学生の自殺を機に、仙台市も13年にいじめ調査を始めた。子どもたちの声を拾い上げるためで、毎年11月に市内全域の小中高校などを対象に実施している。
市内では14年以降に中学生の自殺が相次いだ。市教委の谷田至史・教育人事部長は記者会見で、「いじめの未然防止と早期対応に努めてきたなか、書き換えが判明した。児童、保護者の皆さまに迷惑をおかけし、不安を生じさせ、心からおわび申しあげます」と謝罪した。
(以下略)
最初この件を報道で知った際、私は「たぶん任用の関係でそのようなことをしたのではないか」と考えまして、そしてどうもその通りだったようです。
それで私が思うに、この件は、単純にこの講師を批判するだけでは話がすみませんね。もちろんこの講師のしたことは論外の沙汰であり、懲戒免職も仕方ないと思います。しかしこの人物がなぜこのようなことをできたかということも考えなければいけないでしょう。
つまりこの件では、市教委が行う「いじめの実態調査」というものが、その教員の人事評価の資料となり、そしてそのとりまとめを人事評価される側の教員が行うということだったわけです。これはまずいでしょう。
一般の教員よりも臨時的任用職員のほうがはるかにこういったことはシビアになるわけで、さすがにこのようなことをする人間はそう多くはないのかもですが(’実際がどうなのかは知りません)、数はともかく必ずそういうことをする人間は出てきます。実際にそのような書き換えをしたことにより、どれくらい人事評価に影響があり、そしてこの講師の再雇用に役立ったのかは定かでありませんが、しかしこの教員はそうすれば自分が職を続けられると考えたわけであり、結果的にはばれるまではそうだったわけです。この講師は継続してこのようなことをしていたとのことで、また
>勤務先のそれぞれの学校で同様の改ざん
とありますから、このような取りまとめ方式は、少なくとも仙台市の小学校ではみな同じだったんですかね。そうなのでしょうが、これではあまりによろしくありませんね。だいたいこのアンケートは記名式のようですから、最初に担任が確認するというのは問題がありそうです。遺憾ながら、この講師のように自分の来年の雇用のほうがずっと大事というような人間がそれを確認するということもあるわけです。
さすがに来年以降の調査では、仙台市ではこのようなことは改善されるかと思いますが、しかしほかの自治体はどうか、仙台市でも、他の件では同じようなことをしていないか、いろいろ疑問は生じます。教師が多忙なのはわかりますが、最低でもこのようなことはしっかりしてくれないとなと思います。もちろんここの学校、自治体もです。