あ、すみません。この記事自体は、読んだのはずいぶん以前だったのですが、今日にいたるまで紹介しませんでした。が、ちょっとさすがに昨今、いろいろよろしからぬことが多々起きているので、ご紹介したうえで私の感想を書きたいと思います。
>入国制限が遅れた代償は 五輪開くため聖火到着待ち、ウイルス拡散
2020/6/25 6:00 (2020/6/25 9:21 更新)
西日本新聞 一面 塩入 雄一郎 湯之前 八州
ウイルスの感染拡大を政府はどこかで食い止められなかったのか。その答えを示唆する研究成果が4月27日、国立感染症研究所から発表された。
感染研は国内の陽性患者から検出されたウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解析した。分かったことは二つあった。一つは初期のクラスター(感染者集団)は中国・武漢で検出されたウイルスの特徴を備えていたが、このタイプは抑え込みに成功し、ほぼ終息したとみられること。
もう一つは、3月以降に検出されたウイルスの多くが、欧州を「起源」とする遺伝子の特徴を備えていたことだ。感染研のリポートには「3月中旬までに海外からの帰国者経由で“第2波”の流入を許し、全国各地に伝播(でんぱ)したと推測される」と記されている。
米国が欧州(英国を除く)からの入国を禁止したのは3月13日。日本も早急に水際対策を講じる必要があったが、政府が欧州などからの入国制限に踏み切ったのはその8日後だった。
なぜ遅れたのか。この間に何があったのか-。
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当時の焦点は東京五輪・パラリンピックの行方。大会組織委員会幹部は、国際オリンピック委員会(IOC)が大会中止に傾くことを警戒していた。「IOCメンバーで最も多いのが欧州出身者。無理に日本でやる必要はないという雰囲気が漂い始めていた」
欧州でくすぶる中止論を封じ、日本開催を「既成事実」とする戦略が練られた。その一つが聖火を確実に日本に到着させること。安倍晋三首相は当時、面会した公明党幹部にこうささやいている。
「聖火が到着しさえすれば、延期になっても日本開催は揺るがない。日本に聖火が着くことこそが重要なんだ」
聖火の採火式は12日、ギリシャで行われた。出席した遠藤利明元五輪相は、次々と感染の火の手が上がる欧州の現実を目の当たりにした。現地の聖火リレーは初日こそ行われたが、2日目の13日に中止された。
「採火式が何日かずれていたら(聖火を日本に移すのは)難しかったかもしれない」。遠藤氏自身、フランスでの視察予定を取りやめ、急きょ帰国した。ぎりぎりのタイミングだった。
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20日、待望の聖火が日本に到着。翌21日、政府は欧州を含む38カ国からの入国者に自宅待機を要請する措置を始めた。イタリアの感染者は4万7千人に達し、フランスは1万人を超えていた。
そして24日夜、日本の戦略が成就する。首相はIOCのバッハ会長と電話会談し、東京五輪の1年程度の延期で合意した。「東京オリンピック・パラリンピックの中止はないということを確認した」。首相は記者団にあえて強調した。
政府が欧州からの入国拒否に踏み切ったのはその3日後だった。既に欧州各国から帰国した旅行者らを通じてウイルスは都市から地方へ拡散、感染経路をたどれない状況が水面下で進行していた。
欧州を刺激せず、聖火の到着を待ち、五輪の日本開催を守るために、私たちは何を失ったのか。どんな代償を払ったのか。詳しい検証はまだなされていない。 (塩入雄一郎、湯之前八州)
ひどいですねえ、これ。絶句するほどひどい。
正直、「じゃあ、安倍じゃなかったら、違う対応したのか」っていう問題になったら、私も「どうかなあ」というところはあります。ありますが、この記事が事実であれば(って、たぶん事実なのでしょう)、こういうことをしでかした人物が、大要「我々(安倍内閣、自民党)は、(民主党政権と違って)危機管理に強いのだ」なんてよく言えたもんですよね(苦笑、いや、笑ってはいけませんね)。お話にもならんとはこのことです。要は安倍が、コロナウイルスの関係を軽くみた、っていうことなのかもですが、どのような理由にしても見当外れもはなはだしいとしか言いようがない。
実は私、昨年に、ちょっと聖火リレーの関係に若干かかわっていたのですが、もちろんそれどころでなく中止となりました。それでどうなんですかね。今年は、聖火リレーをするんですかね?
>ある組織委関係者は、「基本的に一般職員は粛々と作業を進めていますが、感染拡大を受け『幹部クラスで“中止”が話し合われているのかも……』と疑心暗鬼になっています」と打ち明ける。
というのも、中止決定の「デッドライン」が迫ってきているからだ。2月中旬にも決まるかもしれない。組織委と国際オリンピック委員会(IOC)が2月、準備状況を確認するプロジェクトレビューを行う予定。3月25日には聖火リレーがスタートするだけに、「沿道の警備やコロナ対策など、もろもろの準備作業は大変。中止するならプロジェクトレビューがある2月がギリギリのタイミング」(前出の関係者)というのだ。
「3月いっぱいで組織委との契約が切れる職員も多い。彼らは五輪をやるなら契約継続ですが、中止なら次の就職先を探さないといけません。『決めるなら早く』と焦っている職員が多いのです。そもそも、今年の3月で満了となる契約自体が不自然でした。開催するなら、普通は大会終了後の9月まででしょう。以前から、『中止が視野に入っているんだろうな……』という声が上がっていました」(同)
inti-solさんも
>現状オリンピックが開催できるとはとても思えないことは歴然としています。聖火リレー、各競技の予選(とりわけ国際試合)、選手団の派遣、観客の渡航や会場への入場、どれをとっても無理だろうと思わざるを得ません。
とお書きになっています。まーったく私が先日書いた記事から引用すれば、
>オリンピック開催なんてほとんど机上の空論でしかないように思いますが、あらゆる困難を排して開催したとしても、「やっぱりやらなければよかった」と後世に語られる結果以上のものは見えないですね。マドリードもイスタンブールも、よかった、オリンピック開催に落選してと思っているのでしょうね。思っていなければうそでしょう。
ということです。そしてこの惨憺たる事態を招いた重大な責任のある人物の1人が安倍晋三であることは間違いありません。何をいまさらながら、まったく迷惑な野郎です(苦笑)。なおこの記事は、inti-solさんの記事を一部参考にしました。感謝を申し上げます。