昨日（2020年1月21日）河井案里の選挙違反事件の裁判で、判決が出ました。記事を。
＞河井案里参院議員に有罪判決 東京地裁 確定すれば当選無効
2021年1月21日 18時03分
河井案里参議院議員がおととしの選挙をめぐり公職選挙法違反の買収の罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は、地元議員らに現金を渡したのは買収が目的だったと認め、「供与した額は多額に及び刑事責任は重い」として懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。有罪判決が確定すれば、公職選挙法の規定によって案里議員の当選は無効になります。
参議院議員の河井案里被告（47）は、夫で元法務大臣の克行被告（57）とともに、おととしの参議院選挙で広島の地元議員5人に合わせて170万円を渡したとして、公職選挙法違反の買収の罪に問われました。裁判では案里議員が無罪を主張した一方、検察は懲役1年6か月を求刑していました。
判決で東京地方裁判所の高橋康明裁判長は、4人の県議会議員に現金を渡した目的について、「自民党広島県連の支援を得られず、地元議員からの支援を期待できない状況で、厳しい選挙情勢だった。県議会議員に渡した金額は票の取りまとめの報酬に見合う」と指摘し、買収目的があったと判断しました。
また、夫の克行元大臣との共謀について、「現金の交付は克行元大臣が全体を計画し、取りしきっていたと認められる。案里議員が現金を渡したことは当時の選挙情勢のもとで、克行元大臣が差配したと認められ、案里議員の単独行為ではなく、共謀によると認められる」と指摘しました。
そのうえで「民主主義の根幹である選挙の公正を害する犯行で、供与した額は多額に及び、刑事責任は重い」として、懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。
一方で、起訴内容のうち、江田島市議会議員に10万円を渡したとされた部分については、「主導したのは克行元大臣で、案里議員の積極的な関与は認められない」として無罪としました。
有罪判決が確定すれば、公職選挙法の規定によって案里議員の参議院選挙での当選は無効になりますが、控訴すれば議員の立場が維持されます。
21日の判決は、100人に対して現金を配ったとして前例のない大規模な買収の罪に問われている夫の河井元法務大臣の裁判の行方にも影響を与えるとみられます。
(以下略）
一部について無罪を認めたので、それで求刑から2か月割り引かれてということなんですかね。それで、さらに5年の執行猶予が付きました。
求刑の〇年6か月というのは、検察としては、裁判所に対して執行猶予OKというメッセージを裁判官に送っている意味合いがあるという話を聞いたことがあります。正直この事件に関しては、夫の河井克行は、有罪になったら実刑は避けられないでしょうが、検察も裁判所も、河井案里についてはある程度の情けをかけているというところはあるのでしょう。
さてさて、この事件ですが、なんでいまどきこんなめちゃくちゃな買収があったかといえば、つまりは2019年に執行された第25回参議院議員通常選挙で、広島県選挙区にて定数2で自民党2人の当選を目指すと称して、事実上現職の溝手顕正氏を落選させるための刺客として、彼女が擁立されたからです。しかしすでに5選、6選を目指す溝手氏と案里では実力ほかは比較の対象にもなりません。したがって金をばらまくというもっとも古典的かつ最終手段をとったわけです。
そもそもながら）自民党広島県連は、2人の当選なんて無理だと猛反発したのですが、中央の執行部が強行、やっぱり1人落選という事態になりました。それではなぜこんな無理筋なことになったかというと、つまりは、落選した溝手氏と、当時の自民党総裁であり首相でもある安倍晋三が関係が悪かったからです。2012年に溝手氏は、安倍を過去の人と評しました。私もこの件では「よく言ってくれた」と思い（現在でもそう思っています）、記事を書きました。しかしその後安倍は「過去の人」から復活、2013年の参議院選挙でも溝手氏以外にも自民党の立候補者を擁立しようとしましたが（「報道特集」で、当時の自民党幹事長だった石破茂が話していました）、これはできず。しかし2019年に懲りずに立候補させるところにこぎつけ、積年の恨みを晴らしたのです（苦笑）。どんだけ馬鹿でクズなんだか、首相のくせに。
遅すぎるがよくぞ言ってくれましたただ安倍という男は、首相なのだからそういうことはすべきでないという考えを持たず、自分は首相（自民党総裁）なのだから、そういうことをしてよいのだという認識の人物ですから、やっぱりそういうことをするのでしょうね。何をいまさらながら、ほんとどうしようもない野郎です（笑）。
だいたいこの河井夫婦の件にしたって、たぶん溝手陣営からそうとうにいろいろな情報が検察にまわっているはずです。広島県の自民党の関係者だってこの件で河井夫婦や自民党中央に激怒している人間は多々いるわけで、その人たちが積極的に検察に協力しては、さすがに河井夫婦もどうしようもありません。
しかしですよ、河井克行には同情の余地はないとしても、河井案里はさすがにちょっとかわいそうなところもありますね。別に彼女が、積極的に自分を売り出そうとしたわけじゃないしね（苦笑）。Wikipediaによれば
＞2019年2月19日、自民党の岸田文雄政調会長と甘利明選対委員長が国会内で会談。同年夏の第25回参議院議員通常選挙広島県選挙区に向けて、党は6選を目指す岸田派の溝手顕正を公認済みであったが、この日、甘利は岸田に2人目の擁立に理解を求めた。候補者としては、自民党への入党を図る愛知県選挙区の無所属の参議院議員、薬師寺道代の名前が挙がっていたが、愛知2区を地盤とする田畑毅が準強制性交容疑で刑事告訴されたことに伴い、3月1日に衆議院議員を辞職したため、薬師寺は田畑の後任を狙うこととなった。3月2日、自民党は河井を擁立する方針を固め、3月13日に正式に公認候補に決定した。
というわけです（注釈の番号は削除しました）。つまりは、案里の立候補については偶然的な要素が大きく、薬師寺道代が立候補している可能性も高かったわけです。
それで彼女が控訴するにしても、現在公設秘書有罪に伴う連座制で彼女の当選無効を求める行政訴訟が広島高検により起こされているわけで、これは高検必勝でしょうから、どっちみち彼女の失職は免れないでしょう。まーったく安倍がくだらんことを考えなければ、こんな無様で無残な事態にはなりませんでした。それを言うわけにはいかないから言いませんが、河井克行も案里も「安倍の野郎、こんなことに我々を追い込みやがって」と考えているのでしょうね、きっと。河井克行はそれ以前にそれなりにいい思いをしていたかもですが、案里のほうは、それほどのこともないでしょう。お話にもならないとはこのことです。
ほんと、溝手氏もそうですが、河井夫婦も安倍のおかげで人生狂わされましたね。ひでえ野郎です、安倍って。