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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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これは、職員課長までで懲戒処分は食い止めるべきではないか(幸手市の不祥事(?))

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過日読んだ記事を。

>2021年2月6日(土)
夜の反省会、前幸手市長がトラブル 断れず参加の元職員、懲戒に不服訴え 過去の職員は処分なし

 2019年8月、埼玉県の前幸手市長が広島市の平和記念式典に中学生と参加した夜にトラブルを起こし辞職した問題を巡り、当時随行し懲戒処分を受けた20代元職員女性が処分を不服として市の公平委員会に審査請求を申請し5日、口頭審理が開かれた。元職員は「行政のトップから誘われ、一職員が断ることはできない。納得できず処分の撤回を求める」と訴えた。

 元職員は同年8月5日と6日夜、中学生をホテルに送った後、市長、男性秘書課長に誘われ酒を伴う「反省会」に参加した。前市長は6日夜、「反省会」終了後、別の店で女性に暴行を振るったとして現行犯逮捕、釈放され、その後辞職した。同10月、現市長が当選し、市は秘書課長を減給処分に、中学生の安全管理を怠ったとして女性を戒告の懲戒処分とした。

 女性は処分を不服として同年12月、審査請求を申請。前市長のトラブルを巡り、市民から苦情を受けたり、庁内でも仕事がしづらくなり、昨年退職した。

 口頭審理で女性は、代理人弁護士の質問に答える形で、「反省会」が勤務時間外にホテル近くの飲食店で開かれ、中学生の部屋のそばにいる別の引率教員と、携帯電話ですぐ連絡を取れるようにしていたと主張。「反省会」は毎年行われ、当日も秘書課長に誘われる形で参加。過去に参加した職員が処分を受けたことはないとして「納得できない」と処分の撤回を求めた。

 審理後、取材に応じた元職員は「本当は働き続けたかったが、精神的に厳しかった。キャリアアップをしたいが、懲戒処分は履歴書に書かなくてはならない」と訴えた。代理人弁護士は「勤務時間外、何かあった場合の対応も取っていた。たまたま前市長が逮捕されたからといって、懲戒処分は明らかに行き過ぎだ」と述べた。

たぶんこの市長(当時)の不祥事については、ご記憶の向きも多いかと思いますが、次のようなものです。Wikipediaから引用しますが、注釈の番号は削除します。

>広島市で開かれる平和記念式典に参列するため、2019年8月5日、渡辺は市内3校の中学生6人とともに2泊3日の予定で同市を訪れた。8月6日朝、平和記念式典に参列。市内のホテルで夕食をとったあと、生徒6人はとうろう流しに参加したが、渡辺はとうろう流しには行かず、近くの飲食店で21時すぎから閉店の23時半まで市職員2人と酒を飲んだ。3人は8月7日0時頃ホテルに戻り、そこから渡辺は「ジュースを買いに行く」と言って一人で外出した。

同日2時半頃、中区新天地にある雑居ビル4階のバーの女性店員と代金支払いを巡って口論になり、女性をエレベーターの中に無理やり引きずり込み、顔面を数回殴るなどした暴行の現行犯で逮捕された。渡辺は「身に覚えがない。なぜこんなことになったかわからない」と述べ、容疑を否認している。渡辺は2012年から平和記念式典に参加しているが、市の発表によれば、ほぼ毎回飲酒していたという。

渡辺の逮捕を受け、幸手市は8月8日から9日まで、副市長の成田博を職務代理者として設置する対応をとった。

8月8日、広島地方検察庁は処分保留で渡辺を釈放した。釈放の理由は明らかにされていない。釈放後には幸手市に戻り、8月9日15時より幸手市役所第二庁舎2階第1会議室で釈明会見を開いた。会見では市民や関係者に対して迷惑をかけたと謝罪した上で「青天の霹靂。全く身に覚えのないこと」と逮捕容疑についてあらためて否定し、代金支払いを巡った口論についても「余裕を持って1万円を支払ったところ、大変喜んでいた。したがって、女性店員との間で料金トラブルは全くない」と完全否定した。自身の進退についても11月の任期満了まで市長を務め、辞任しない考えを示した。

しかし、同月20日15時より開かれる臨時市議会において、議員側から「市政への信頼を大きく失墜させた」として市長に対する不信任決議案が提出されることになっていたことを受け、同日中に渡辺側より市議会に辞職願を提出し、同日の臨時市議会で翌21日付での辞職が許可された。臨時会の終了後、市役所で記者会見し、「事件は事実無根で今後も争う」と暴行容疑を改めて否定した。

渡辺の退職後、幸手市は新たに市長が就任するまでの間、再度副市長の成田博を職務代理者として設置する対応をとった。

渡辺の辞職に伴い行われた10月6日投開票の市長選挙の結果、2015年の同選挙で渡辺に敗れた元市助役の木村が当選した。

2019年12月27日に広島地方検察庁は渡辺を不起訴処分とした。

これねえ、たしかに形式的にはこの職員にまったく問題がないとは私も言いませんが、でも彼女に懲戒処分を課すのはかなりまずいんじゃありませんかね。どう考えても彼女は、断れる立場、状況じゃないでしょう。

彼女がどういう職責なのかはちょっと調べていませんが、たぶんですが秘書課の職員ではないかと思います。そうでなくても随行職員なわけで、どこの職場でもそうであるように、おそらく容姿にも恵まれた女性かと思います。こういってはなんですが、「反省会」要員としての意味合いの随行ではなかったかという気もします。

それで彼女は年齢的にも確実に管理職でないはずで、上にも書いたように市長が酒を飲む際に一緒に行くのは「お約束」みたいなものでしょう。断ることができるとも思えません。

それで市長が不祥事を起こしたのも、まさにその「反省会」のあとの、いわば私的な時間の行為ですからね。市長である以上私的な時間でも上のような不祥事があったとするなら、それはなんらかの責任は取らざるを得ませんが、「反省会」最中における

>中学生の安全管理を怠ったとして女性を戒告の懲戒処分

ってのはさすがによろしくないんじゃないんですかね。正直職員課長だって私は、彼が懲戒処分を受けるのは「運が悪い」と思います。が、この人は課長職ですから、まだ仕方ないところはある。でもこの女性は、戒告の懲戒処分は酷じゃないですかね。断れる立場でないし、そんなにかばいようがないという事態でもない。市長の不祥事のとばっちりを受けただけでしょ、この人。

新しい市長(ちなみに、その前の選挙で、不祥事で辞任した人に僅差で敗れています)からすれば、前任者の負の遺産の清算をするためにそのあたりは容赦をしなかったのだとかいうことなのかもだし、そういうことも「世の中そんなもんだ」という気もしますが、でも20代の女性ですからね。形式的な「厳重注意」とかで十分では。懲戒処分を受けたことが、彼女の退職の直接の引き金になったかどうかは私は何とも言えませんが、

>懲戒処分は履歴書に書かなくてはならない

というのはまさにそうなわけで、それはよろしくないとしか言いようがない。せめて懲戒処分は、職員課長までで食い止めておく必要があるのではないか。「甘すぎる」という人もいるでしょうが、この前に書いた検察の話と同じで、世の中こういうことを常に厳しく律するばかりが能じゃないでしょう。この件に関しては、いろいろな状況を総合的に鑑みれば、懲戒処分の必要はないと私は思います。

検察も、被告人の重罰ばかりを追求しているわけではないことを示す一例

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