土曜日(2月13日)の地震には驚きました。自宅にいたら、突然緊急地震速報が流れて、う、これはどうなると思っていたら、自宅ががたがた揺れ始めたわけです。けっこう長く感じました。それだけ大きな地震だったというわけです。今回の地震では、死者が確認されていないのは幸いでした。
それで私がさらに驚いた(といっても、無関係とも思いませんでしたから、「想定内」のたぐいですが)のが、今回の地震が10年前の2011年の東日本大震災の余震だったという話です。
>「1週間は注意を」気象庁が呼びかけ 余震は20回超す
山岸玲
2021年2月14日 7時57分
宮城県と福島県で最大震度6強を観測した13日夜の地震を受け、気象庁は14日未明に記者会見を開いた。2011年3月11日の東日本大震災を引き起こした地震の「余震と考えられる」といい、担当者は「今後1週間程度、同規模の地震に注意してほしい」と呼びかけた。特に発生から2~3日後は規模の大きな地震が起きることが多くあるとしている。
(後略)
10年たってこんなすごい余震があるなんて、どれだけすさまじい地震だったのだというところです。
それで今回私が印象に残ったのがこの件です。
>地震 高速道路 常磐道でのり面崩れ 相馬~亘理 通行止め
2021年2月14日 10時27分
14日午前10時現在、
▽常磐自動車道は、相馬ICから仙台方面に3キロの地点でのり面が崩れ、けが人などは確認されていないということですが、相馬インターチェンジと亘理インターチェンジの間の上下線で通行止めになっています。
そのほかの高速道路は通行止めが解除されています。
上の写真は、こちらより。
今回は、たまたま車が通っていなかったため、けが人もいないで済みましたが、これはもちろん単なる偶然でしかありません。運が悪ければ引っかかったし、そうなればとても助からなかったでしょう。
それで世の中タイミングが悪いこともあるもので、豊浜トンネル岩盤崩落事故では、Wikipediaから引用すれば(注釈の番号は削除。以下同じ)
>1996年2月10日午前8時10分頃、古平町側坑口直上の斜面において岩盤(最大高さ70m・最大幅50m・最大厚さ13m・体積11,000m3・重さ27,000tと推計)が崩落。落石防護のために設けられていたトンネル巻き出し部の天井を突き破り、トンネル内を走行中だった北海道中央バスの積丹町余別発小樽駅前行き路線バス(乗客18名、運転手1名)と、後続の乗用車(1名乗車)、対向の乗用車1台(1名乗車)の計3台が直撃を受けた。間一髪で脱出した乗用車運転の女性1名を除く20名が死亡した。
という事態になったわけです。なにも路線バスが走っているときに崩落しなくてもいいだろうと思いますが、そうなってしまいました。笹子トンネル天井板落下事故
では、
>2012年12月2日午前8時5分ごろ(JST)、東京方面に向かう上り線トンネルの大月市側出口から約1,700メートル付近で、トンネルの天井である横5メートル、奥行1.2メートル、厚さ約8センチと9センチ、重さ約1.2トンほどのコンクリート板およそ270枚(中壁を含む) が138メートル にわたってV字型に折り重なるように崩れ落ちた。事故発生時に走行中であった自動車3台が下敷きとなり、うち2台から発火した。トンネル内で火災が発生して黒煙が上がったうえ、天井板崩落でトンネル内の煙除去装置も機能しなくなったため火災による煙の排出ができず、トンネル内部の現場にレスキュー隊が向かえないほどの高温の煙が充満した。
崩落現場で下敷きとなっていたレンタカーのワゴン車からは20代の男女5名の焼死体が発見されたほか、普通乗用車(車種不明)から70代の男女と60代の女性が焼死体となって発見された。また、トラックを運転していて崩落に巻き込まれた食品卸売会社勤務の50代の男性は携帯電話で同僚に助けを求めていたが、救出時にはすでに死亡していた。
事故発生翌日の12月3日まで救助活動が行われ、計9名の死亡が確認された。また、重軽傷者は2人となった。
という状況でした。もちろんこれも大変な重大事故ですが、事故の時間ほかを考えれば、むしろ被害は少なくて済んだというところかもという気がします。よくわかりませんが。なおこの事故について私も記事を書いています。
インフラの整備よりも既存分の維持管理のほうが優先される時代なのかもしれないそれで、これも私が記事を書いているもので、まさに考えられる中で最悪のタイミングでの自然災害というのが、こちらでしょう。
最悪のタイミングで起きた噴火当時(2014年9月30日付の記事)の私の記述を引用すれば
>御嶽山の噴火は、実に最悪のタイミングで起きたと思います。なにしろ、①紅葉シーズンの②週末土曜日の③正午近くです。これにおまけに④天気が良かったから、まさに最悪です。
(中略)
当たり前ですが、登山というのも年がら年中山が込んでいるということはないわけで、込むシーズンがあり、込む曜日があり、込む時間があります。そして、その日の天気があります。今回は、山頂に人が多くいる要素が、片端からそろってしまっています。こうなるとどうしようもありません。亡くなったか、ケガをしたか、何とか無事に下山できたかは、正直運でしかありません。今回の噴火は、たぶん山岳遭難の規模としては戦後史上最悪でしょう。
(中略)
それでNHKのカメラが、ちょうど噴火の直後の映像を撮影したというのがまさに上に書いたタイミングを象徴しているわけで、つまりNHKは、紅葉を撮影しようと考えてこの取材をしていたわけです。そういう時期にこのような噴火が起きるというのも、全く予想がつかない(いくら群発地震が起きていたとはいえ、それは気象庁の判断でも「危険」という認識ではなかったわけですから、これまたどうしようもありません)ことです。悪天候の遭難とかなら、冬山は避ける(あるいはそれなりの覚悟をして行く)、悪天候なら無理をしない(トムラウシ山の遭難は、つまりは悪天候で無理に出発して、それでどうにもならなくなったケースです)という判断もできます。天候だったらネットなりラジオなりで天気図もわかりますから、低気圧が接近しているとかは分かるし、あとは自分の判断で小屋にとどまるとかそもそも登山を中止することもできます。
ということになります。トムラウシ山遭難事故にしても、あれで最もまずかったのは、非常に悪い天候であることをよくわかっていなかったツアーガイドが小屋を出発したからです。小屋にとどまっていれば、あのような事故は起きませんでした。
台風とかなら、事前の予想がつきますからまだいいですが、地震とか噴火なんてのは、いつ起きるかわからない。だから予言者(?)とかが富士山が噴火するとか地震があるとかいうわけですが、本当に噴火する際は、できたら非登山シーズンの平日、最大限登山者がいない時間に噴火してくれればですが、そんなことはもちろんコントロールできるわけがありません。地震でも、東日本大震災の発生は14時46分、阪神・淡路大震災は、5時46分でした。阪神のほうは、早朝でしたので就寝中で圧死、あるいは動きが取れず火事に巻き込まれての焼死が多かったようです。Wikipediaの死因というところでは、9割程度が圧死ではなかったかという推測が記載されています。これが昼などで、オフィスビルがつぶれたり、新幹線が脱線したり、高速道路が崩壊したりしたら、住宅での圧死者は減ったかもですが、そちらの方で相当目も当てられない事態になっていた可能性もあります。
地震ですと、地域の特性(住宅地かオフィス街か工業地帯か)でいろいろ危険な時間がちがうでしょうから、どの時間が災害に際して都合がいいかなんてことも言えたものではないですが(そういうのは、相当綿密なシミュレーションをしないとめったなことは言えません)、ともかく地震というのも危険な時間というのがあります。学校が休みの日だったり夜間での発生だったら、大川小学校の悲劇は起きませんでした。
いずれにせよこのような時間の予測が立たない、いつ起きるかわからない災害というのは、まさに起きる時間によって死者の数に強い影響がでます。こういうのもほんと運ですね。私としては、せめて自分は、そういう不運には巻き込まれたくありません。当たり前ですけどね。今回は、犠牲者が(確認されている限りでは)いなかったらしいことは、大変な幸いでした。