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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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夫婦別姓による利点を享受している人間が、そういうことを依頼するというのもどうかと思う

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報道されている記事を。

>丸川氏 連名文書が地方に圧力? 「選択的夫婦別姓」に“反対”
2021.03.01

オリンピック・パラリンピック担当相のバトンを渡されてから10日余り。

丸川珠代五輪相が呼びかけ人として名を連ねた、ある文書をめぐり、波紋が広がっている。

立憲民主党・辻元清美議員「丸川大臣も名前を連ねて、選択的夫婦別姓の地方自治体の意見書が採択されないようにと、地方の議員や議会の議長にこういう文書を送りまくっていた」

丸川珠代五輪相「(私が)承知しているかぎりでは、埼玉県議会でもさまざまな議論がある」

問題となっているのは、1月30日付で、自民党所属の地方議員宛てに送られた文書。
選択的夫婦別姓の導入を求める意見書などを、地方議会で採択しないよう呼びかける内容だった。

この文書を受け取った埼玉県議会の田村琢実議長は、FNNの取材に対し、憤りを表した。

埼玉県議会・田村議長「まずもって失礼な手紙だなと。地方議会の意思決定に対して、国会議員が連名で反対しろと、取り方によっては圧力になりかねない」

文書は、丸川氏のほか、高市前総務相や古屋元国家公安委員長ら、衆参両院の議員50人の連名で出されていた。

夫婦別姓の導入により、家族単位の社会制度の崩壊を招くなどと指摘している。

埼玉県議会・田村議長「(丸川大臣の)今の現職について、男女共同参画をどのようにとらえているかという問題」

丸川五輪相は、オリンピック・パラリンピック担当のほかに、男女共同参画担当も兼務している。

男女平等な社会を作り進める旗振り役でありながら、選択的夫婦別姓の導入へ反対する文書を地方議員に送っていた。

1日の国会でも、野党から厳しい追及を受けた。

立憲民主党・辻元議員「日本以外で、婚姻後に夫婦の姓を同姓とするよう法律で義務づけている国はありますか?」

丸川五輪相「夫婦同氏制を採用している国は、わが国以外に承知していない」

丸川五輪相は、夫婦別姓について、個人の意見とは関係なく議論を深めていく必要があると強調。

これについて、菅首相も「政治家個人として、さまざまな考えを持つことは当然のこと」と述べた。

野党は、丸川五輪相の起用に関する、菅首相の任命責任を追及していく方針。

現在論じられているのは、あくまで「選択的夫婦別姓」ですからね。別に法律によって別姓を強制、強要するものではない(当たり前)。同性婚といい、どうしてこういう話が通じないんですかね(呆れ)。同性婚だって、同性愛者なら同性婚をするのかもですが、同性愛者でない人間からすればそんなの知ったことじゃないしね。異性愛者(もちろん私もそうです)が迷惑するわけではない。現実問題として自民党のコアな支持者は、確かにそういうことを非常に嫌がるのかもですが、しかしそういう人にとって、現実に投票をするのなら投票できる政党は、多くの有権者にとっては事実上自民党以外にないだろうしね。「次世代の党」なんて政党がそれなりに活動していたときならあるいはそちらに投票するというのもありだったかもですが、それで投票先を変えるかどうかはかなり怪しいし、どっちみち次世代の党も、自民党に「公明党でなく我々と連立してほしい」なんて訴えてすっからかんに見捨てられて解党しちゃったしね。自民党の保守系とされる議員がそんなにこだわる価値があるのかなあという気はしますね。

が、それはともかく。古屋みたいな人物がそういう主張をするのなら、賛否はともかく(もちろん私は「否」です)理解できなくもないとして、丸川って現在の本名は大塚姓です。彼女の夫は、大塚拓です。つまり丸川自身が旧姓を用いて政治活動をしているわけで、これってけっきょく女性の社会進出に関して結婚後に姓を変えるというのが、実に不便であるということを表していますよね(苦笑)。そういうことを言い出せば、高市早苗だって、結婚している際(現在は離婚しています)は「山本」姓だったわけで、これも「どうもなあ」ですね。高市は、Wikipediaによれば

>毎日新聞の報道では、「夫婦別姓」について「通称名の使用が認められる形で十分と考えている」と述べている

とのことですが、その続きに

>しかし政府の調べでは旧姓使用を認める企業は全体の半数以下である

とあります。なお拙職場も、旧姓の使用はOKなのかもしれませんが(どうなのか実は知らない)、使っている人を私は知りません。制度はあるのかもですが、大々的に使われているというものではない。

ってことはですよ、丸川も高市も、その点では恵まれた立場にあるかと思います。この2人の意見は、結婚しても戸籍上の姓を変える必要はない、一種の変名として旧姓を使用していればいいということなのでしょうが、それ実に不必要に面倒くさいですよね。たとえばフランスなんかは同棲を意味する「コアビタシオン」なんて単語が政治での保革共存政権を意味しているくらいですが、ともかく家族のあり方もどんどん変わっているし、事実婚も欧州でもだいぶ増えています。いまどき国会議員が地方議会にこんなことで「そうしてくれい」なんて依頼の文書をおくるなんて、アナクロニズムにもほどがある。それでですよ、おまけに自分では別姓であることの利益を享受している人間が、夫婦別姓を否定するというのも、それおかしいよね(苦笑)。「隗より始めよ」の精神で、自分が大塚珠代と名乗って選挙を戦うくらいのことをするべきじゃないですかね。多分しないんでしょうけど(笑)。上にも書いたように、女性が旧姓を名乗って仕事をできる状況というのは、まだまだ整備途上でしょう。なお私の従妹で、婿をとった女性がいますが、彼女の夫は旧姓で仕事をしています。その職場は、女性であっても旧姓使用OKなのかは確認していません。

いずれにせよ「男女共同参画担当」の女性が、そんなような依頼文書を地方議会に送付しているなんて、馬鹿も休み休みしろというレベルの愚劣さですね。まったくもってどうしようもないとはこのことです。


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