ポータルサイトでいろいろ取り上げられているので、お読みになった方も多いかと思いますが、私が注目したい記事を。
>「人と会わなくなり寂しくて…」コロナ禍で「薬物」再犯 国支援休止で増える摘発者
2021/4/10 22:52
3年間やめていた覚醒剤に再び手を染めたのは、新型コロナウイルスが流行した昨春だった。「人と会わなくなって、悲しくて、寂しくて」。広島県内の男性(64)は直後、逮捕されて不起訴となり、今は支援団体の施設で暮らす。昨年の全国の薬物事件摘発者数は1万4079人(前年比5・4%増)。国の更生支援事業が一時休止になり、支援団体は衝動的に再犯に走ったケースは少なくないとみる。コロナ禍は、薬物まん延の引き金にもなっている。
「コロナで家に一人でいる時間が増えた。時間をつぶすのが大変で、クスリのことしか考えられなくなった」。同県北広島町にある、薬物やアルコール依存症の人の社会復帰を支える「広島ダルク」の施設で、男性は静かに語り始めた。
▽電話確認に変更
支給された生活保護費を手に昨年4月、広島市安芸区の当時の自宅から広島駅近くへ向かった。売人とみられる男に声を掛けた。「ちょっとクスリを使いたい」。1万円で覚醒剤0・25グラムと注射器を手にした。帰宅後に使うと動悸(どうき)がやまない。自分で119番し、その後、県警に逮捕された。
それまでも覚醒剤の使用などで数回逮捕され、服役もした。4年前に大阪で使って以来、人生をやり直そうと断っていた。「弱さが出た」。今は後悔しかない。
(後略)
この記事を読んで、いろいろな感想を人は思うでしょうが、私が最初に考えたのが、
生活保護費から1万円だして、覚せい剤なんか買ってんじゃねえよ(馬鹿、クズ、カス)
というところです。度しがたい馬鹿とは、こういう人間でしょう。
それにしてもねえ、ほかにも「こういう馬鹿がいるから、他のまともな生活保護受給者が迷惑するんだ」とか「さすがにこれはあまりにひどいが、しかし(一部の)生活保護受給者は、本当に救いのない愚か者がいるからなあ」という言い方もできそうです。ほかにも罵倒する人も多いでしょうが、そういう誹謗中傷は相手にしないこととします。
それでinti-solさんの記事から引用しますと、
>生活保護というのは、細部は省略して簡単に言えば、お金がない人を対象とする制度です。しかし、世の中の「貧しい人」には色々なタイプがいます。能力も人柄も健康状態(精神的な面も含めて)も問題がなく、「お金だけ」がない人もいます。生活保護制度の理念や、支援団体の考え方も、大筋ではそういう人を前提に考えているところがあります。
ところが、世の中の貧しい人は、みんなそういう人ばかりではありません。知的、能力的、精神的、情緒・性格的のいずれか(場合によっては、その複数にまたがって)に問題があって、その結果貧しい、という例は決して少なくないのが現実です。
そういう人は、「足りないお金を支援すれば貧困が解決」とはなりません。
このブログで何回か元予備校講師の佐藤忠志氏の話を取り上げています。
これも、大金を稼いだ人がくだらん散財で財産を失う典型だと思う(複数の追記あり) ちょっと正直絶望的な気分になってしまった(元予備校講師である佐藤忠志氏の死について)(10月9日発表) 浪費癖というのは、人間にとって本当に困ったことだと思う(抗酒剤のようなものもない) 世の中自殺をふくむ極端な行動をとる人は、発達障害や精神障害の場合が多そうだ(追記あり)死の直前(数週間前?)の佐藤氏は、非常にやせていました(こちらの記事参照)。多分ですが、生活保護受給者になった以降も、おそらくその生活保護費のほとんどを酒と煙草に使ったのではないか。食事などほとんどしなかったのでしょう。アルコール依存症がひどくなるとそうなる人間もいます。それでけっきょく、生活保護受給となって半年だかそこらで亡くなってしまったわけです。
それで佐藤氏の場合、
>ついには「死ぬまで住み続けていい」という条件のもと、知人に自宅を売り払い、そのカネで高級外車を買おうとした佐藤さんに妻の怒りは限界に達した。'17年のある日、突然家を出ていってしまう。
ということで、しばらくしたら小銭を近所に恵んでもらっている始末ですからねえ(呆れ)。
浪費癖と行ってもいろいろな次元がありそうですが、佐藤氏の浪費癖というのは、ちょっと他人が同情できるようなものではないでしょう。
またこちらの事件はどうでしょうか。
あの事件どうしたと思ったら、ちょうど判決だった(生活保護ケースワーカーを巻き込まれた京都府向日市の傷害致死事件)この生活保護受給者である犯人は、傷害致死という形ですが、過去2人も人を殺して、3人目を殺して、その死体遺棄を生活保護担当の市役所職員に命じるというキチガイぶりです。おそらく重度の精神障害者、あるいは発達障害者のたぐいなのでしょう。まったく生きていること自体が迷惑な人間です。
ほかにも、これは私の知っている人間の事例ということで、詳細を知っているわけでもないのですが、ある夫婦はそろって知的障害で、生活保護受給者でしたが、夫のほうが生活保護代を煙草や酒で使ってしまい、子ども(私の知っている時点では、中学生の娘です)のドリル代も払えず、学校や地元のスクールカウンセラーも困っているという話を聞いたことがあります。私はその人物を知っていましたが、まもなく(事情はわかりませんが)夫は死んでしまいました。自殺したのか病気なのか、病気だとしてどのような種類なのかも知りませんが(さすがに、交通事故とか殺人事件とかではないと思います。もっともその同時期に、私は、引きこもりの人間が親を殺してしまった事例も見聞しました)、まあこの人物も(他人にそんなにひどい態度をとる人物ではありませんでしたが)どうしようもない野郎だったなと思います。
完全な犯罪者である覚せい剤の人物と傷害致死の人物、佐藤氏と私の知人のような刑事上の犯罪者ではない(DVはあった模様)人物とではまた話は違いますが、まさにinti-solさんがお書きになっている
>知的、能力的、精神的、情緒・性格的のいずれか(場合によっては、その複数にまたがって)に問題があって
ということになるんでしょうね。もちろんみんながみんなそうではありませんが、犯罪者とまではいわずとも、精神障害や発達障害、ほかにも様々な問題を抱える人間が生活保護受給者になりやすい現実がある。他人からすれば「とても付き合えん」「てめえいいかげんにしろ」「他人に迷惑をかけるのもほどがある」といった人間が生活保護受給者予備軍であることがおおいということか。そうであるならそれまた「どうもなあ」ですね。そういう人間に、公金をなんであげなければいけないんだということになりそうです。私は、個人的にはそれは「仕方ない」と思いますが、そうは思わない人もたくさんいるはず。それで片山さつきみたいに、生活保護受給者へのヘイトをあおる政治家もいるしねえ。そしてそれが残念ながらある程度成功もしている。彼女が、第22回参議院議員通常選挙では比例代表で自民党内トップ、第24回参議院議員通常選挙では党内3位で当選しているのも、その戦術が当たっているところも大きいはず。
片山さつきは論外かもですが、ともかく生活保護受給者の持つ闇の部分というのは、これからも折に触れて私たちの前に出てくるのでしょう。そういったことに対してどのように対応していくかということも考えていかなければいけないことだと思います。