またまた「どうもなあ」と思った記事を。
東京五輪まで100日切る、1%に満たないワクチン接種率に懸念
2021.04.15 Thu posted at 11:00 JST
で、すごいのがこちら。なお引用中に登場する「ホルトス氏」とは、「ドイツ日本研究所の副所長」とのこと。
>選手に対するワクチン接種の計画がないまま、何万人ものボランティアは防護の見込みがほとんどない状態で参加する形となる。
ホルトス氏は、大会組織委員会の橋本聖子会長がビデオ会議システム「Zoom」を通じて、大会の成功はあなた方の笑顔にかかっていると話しているのを聞いたという。全員がマスクを着けるのにと思い、特に不快感を覚えた言葉だったと語る。
「あなたの笑顔でオリンピックが成立する(と我々は言われた)。ふざけているのかと思った」とホルトス氏は語る。
これが事実なら、ってたぶん事実なんでしょうけど、正直
馬鹿も休み休み言え
のレベルですね、これ。
だいたい現時点ですら、日本政府は、オリンピックを開催するために、具体的にどのように政策を実施していくか案を何ら出していませんからね。たとえば選手村でどうやってソーシャルディスタンスを確保するか、何らかの規模のクラスターが発生したらどのように対応するか、そのために医療スタッフをどれくらい確保し、またオリンピックをやるにしても、一般の診療にはいかにして負担をかけないかとか、そういった細かい話ばかりでなく、総論として、開催するために必要なことはこのようなことであるとか、そういった話をしていません。
昨日(4月17日)渋谷で、大島渚監督によるドキュメンタリーの『大東亜戦争』を観ました。これは、当時のアーカイヴ映像を、当時のアナウンスメントあるいはそのアナウンスメントを録音し直したものを視聴者にきいてもらうことにより、当時の日本の戦争時における報道状況、プロパガンダ状況を追体験、再認識するというものでしたが、当然それらのアナウンスメントは、「玉砕」とかそういったような当時の日本の建前ばかりです。それらをこのドキュメンタリー放送時(1968年に日本テレビで放送されました)、あるいは現在の私たちも、「当時はひどかった(しかしさすがに現在は違う)」と考えるでしょう。私もそう考えています。あるいは、「大躍進はデタラメだった」「北朝鮮の経済政策はひどい」とかなんて大抵の人間は考えているでしょう。私もそう考えます。しかし現在の日本におけるオリンピック開催における対応の状況は、昔の日本や大躍進、北朝鮮と同じようなものでしょう。スケールは、もちろん当時の日本や大躍進や北朝鮮の方がはるかにでかいですが、デタラメぶりは似たようなものです。
それにしても
>大会の成功はあなた方の笑顔にかかっている
ねえ(呆れ)。あるいは、ほかにも
> 東京五輪のボランティアらがこの数週間、大会の運営側に対し、自分たちは新型コロナの感染からどのように守られるのかを尋ねた。大会に当たっては各国から選手が日本に押し寄せるが、国内でのワクチン接種率は低い。
運営側の回答はシンプルなものだった。ボランティア1人につき、手指消毒液入りの小さなボトル1本とマスク2枚を配布するという。
なんて、ほとんど竹やりでB29と戦うのたぐいですね。笑顔にかかっているなんて、またに日本の戦争末期のスローガン並みの愚劣さじゃないですか。これは本当に末期的状況じゃないですかね。だいたいオリンピックを開催するにしたって、聖火リレーなんかしている場合じゃないでしょうに。正気かよとというレベルです。これ、橋本聖子ほかも、神風でも吹いてほしいと思ってるんじゃないのという気すらしますね。
こういったような精神論が横行するようになったら、正直どうしようもないですね。私たちはいかにしてそういった不毛な精神論を超越する社会を作っていくかということを考えなければならないし、また考えていると思いますが、つまりは都合が悪くなったらそういう話でごまかそうとするということなのでしょう。これではお話にもならない。
それでちょうど菅首相が訪米する日に、自民党幹事長が、オリンピック中止も視野という趣旨の話をして、すぐ「釈明」するなんてこともありましたが、つまりはそろそろそういうことを話をしなければいけない段階に来ているという認識なのでしょう。首相に記者が殺到しないタイミングを狙っての発言です。やはり中止の方向を模索していると言うことですかね。
これからも今後の動向を見ていこうと思います。