このブログでも何回か名前を出しているジャーナリスト、放送番組制作会社社長(すでに倒産)である高世仁が、ブログでこんなことを書いているということを、bogus-simotukareさんのブログ記事で知りました。
> おととい、早稲田大学時代のサークル「中国研究会」の後輩のT君が亡くなったとの知らせを受けた。64歳で肺がんだった。彼とは大学を出てからも1~2年に一度くらい酒を飲みかわしていた。自分より若い人が亡くなるのはつらいものだ。
T君は光文社の『フラッシュ』、『週刊宝石』で記者をやったあとノンフィクション本の出版を担当して3年前に退職した。きょうお通夜に行ったら、彼が手掛けた本の何冊かが受付に展示されていた。話題の本もたくさん手掛けている。
(中略)
私の『金正日「闇ドル帝国」の壊死』という本もT君の手で光文社から出してもらった。これは金融制裁が北朝鮮を体制崩壊寸前まで追いつめていることを書いた本なのだが、出版直後に当時のブッシュ政権が制裁を緩和してしまい肩透かしをくって全然売れなかった。申し訳なかった。
上の引用の中で、
>出版直後に当時のブッシュ政権が制裁を緩和してしまい肩透かしをくって全然売れなかった。
ていうのは、実にくだらん言い訳ですね(苦笑)。これを素直に読むと高世は、あからさまにはいわないまでも実質大要「自分の本は、内容はよかったが、ブッシュの金融制裁緩和により売れなかった。運が悪かった」と考えている、あるいはそうであるというポーズをとっています。ご当人に面と向かって「そうなんだろ」ときいてどう答えるかは定かでないですが、ご当人のスタンスは、私がまとめたようなものでしょう。
で、実際のところどうだったんですかね。そもそもブッシュの金融制裁などというもので、北朝鮮が白旗をだしたかどうか。当時のブッシュ、米国にとって、北朝鮮は、イラクやアフガニスタンなどと比べてそんなに徹底的に壊滅させて打倒するような対象だったのか。当時の韓国の政権は、太陽政策の盧武鉉大統領であり、米国が仮に強硬政策をとろうとしたとして協力したか、北朝鮮にはロシアと中国が(往年ほどではないにしても)援助をしており、米国はその2国に本格的なケンカを売るようなことをする可能性があったか。ブッシュが制裁緩和をしたから北朝鮮が延命したとする高世の意見は、妥当性がきわめて低いように思いますね。
といいますか、高世はその後いくつか著書を出版していますが、講談社から共著で神社がどうしたこうしたという本を出版した以外は、彼が長きにわたって付き合いがある旬報社から出しています。つまり彼は、光文社ばかりでなく、いわゆるメジャー系の出版社から著書を出すにいたっていません。失礼ですが、光文社からの高世本が、高世の希望通り「(運悪く?)売り上げはよくなかったが、内容は見るべきものがある」とか評価されていたら、彼は光文社あるいは他のメジャー出版社からひきつづき著書を出すことも可能だったのではないか。それができなかったのは、つまりは売れ行きばかりでなく、内容もさして評価されるものではなかったということではないか。高世はそんなことを認めたがらないでしょうが、彼がここ最近本格的な本を出すにいたっていない大きな理由は、彼の経営していた番組制作会社が倒産するほど経営状況が悪かったため資金繰りの追われていたというだけでもないでしょう。つまりは彼のジャーナリストとしての資質や実力ほかに大きな疑問符がついたからではないか。bogus-simotukareさんは、高世について
>つまりは高世の北朝鮮認識が完全に間違っていたということですね(失笑)。
とお書きになっています。私もそう思います。
さてさて、私はこの高世の光文社本を以前(いつ頃かは記憶にありません)読んだことがあります。が、内容をよく覚えているわけではないので、図書館から借りてみました。
それで高世の光文社本の「まえがき」には、
>壊死寸前の金正日体制の断末魔の現れなのだ。(p.6)
と書かれています。それ、北朝鮮が崩壊する前に自分の会社(ジン・ネット)を倒産させちゃったてめえとてめえの会社こそがふさわしい言葉だ、っていうところでしょう(笑)。まーったく北朝鮮が滅亡するするなんていう話を散々ほざいていて、北朝鮮崩壊前に自分が死んじゃったジャーナリスト恵谷某氏や北朝鮮経済を専攻していた大学教授李某氏らと同じじゃないですか。無様で無残にもほどがある。
北朝鮮が崩壊する前に亡くなったという話(恵谷治氏)(追記あり) 李英和氏の死があまり報じられないことが、対北朝鮮や拉致問題への関心の実情ではないかお二方とも、上の記事でも書いたように、自分だって全然そんなことできっこないと考えているようなデマを右翼集会でほざいたり、自分の団体が活動不能になって狂信右翼雑誌に寄稿したり(もはやどうでもいい話ですが、李某氏は、「月刊Hanada」なんていう雑誌が、北朝鮮うんぬん以前に在日コリアン(もちろん韓国籍の人もふくめます)のことをどう考えてどういう態度で接しようとしているのかまともに考えていたんですかね? そんなことで正確な認識を持てないほど、彼だって馬鹿でも狂信者でもないでしょうに)して、それで北朝鮮滅亡より先に死んでいたら世話はありません。これは、共産党からも追い出されるという醜態となった萩原某氏もご同様。このブログで何回も取り上げている関川某も、いずれは同じことになるのでしょう。彼は、自分の北朝鮮言論を「黒歴史」と考えているので、長きにわたって北朝鮮関係から逃げまくっていますが、私はしつこいので、今後も徹底的に彼のデタラメさを追求する所存です。
もはや韓国(人)にとっては、北朝鮮は「脅威」「打倒の対象」よりもメロドラマのネタ程度のものなのだろう(たぶん日本も同じ 関川某も自分の書いたことを撤回しろとおもう)さらに「あとがき」がまたひどい。
>急がなくてはならない理由がもう一つある。アメリカが、北朝鮮に対して軍事的オプションを使う可能性が出てきたからだ。もし北朝鮮が「暴走」を続け、核などの大量破壊兵器を拡散するなどの事実が明らかになった場合、アメリカの軍事攻撃を止められるものは誰もいない。
体制打倒とはあまりに過激だと言うあなたに、私はこうアピールしよう。
「早く倒さないと、アメリカが戦争しに来るよ!」(p.239)
無様で無残とは、このことだというレベルの戯れ言ですね(苦笑)。それで高世自身も認めているように、
>出版直後に当時のブッシュ政権が制裁を緩和
ですからねえ(呆れ)。正直これでは、高世の後輩T氏も、高世の次なる著作を実現する気にはあんまりならないでしょう(苦笑)。さらに「あとがき」での協力者への謝辞で登場する人たちの中には、上で取り上げた恵谷某氏や、右翼活動家の三浦小太郎氏もいますからねえ(呆れ)。一応ジャーナリストでもあった恵谷某氏はまだしも(彼だってほとんど政治活動家みたいなものですが)完全な右翼活動家である三浦氏に謝辞を送るなんて、やっぱりこの時点で高世という人は完全に一線を越えていたのでしょうね。それで高世の会社が経営順調ならまだいいですが、会社をこかしたのだからどうしようもない。たぶん高世仁自身も会社の連帯保証人だったのでしょうから、全財産を失ったのかなと思います。そうでなくても、どっちみち高世はそもそもフリーなんかになる能力のある人間ではなかったのでしょう。フリーになって産経新聞在籍時からひどく劣化した福島香織みたいなものでしょう。お話にもなりません。そんなことは絶対御両名とも認めないのでしょうが、たぶん高世は「日本電波ニュース社をやめなければよかった」と考えているし、福島は「産経を退職しなければよかった」と思っているでしょう。福島なんぞ、現況は、彼女が産経在籍時には、完全に馬鹿にしていたような連中にすり寄っているし、実質的には連中よりなおひどいというレベルでしょう。過去のそれなりの実績を完全に裏切っている。
それでさらに私が思わず笑っちゃったのがこちら。
>余談だが、私が今も北朝鮮問題の取材を続けているのは、この安明進との出会いがあったからである。安明進もまた、私と出会ったせいで「横田めぐみ目撃証言者」として引っ張り出されることになった。あのときの偶然が、2人の人生を変えたのだ。(p.74~p.75)
・・・(失笑)。まあ確かに2人とも人生変わりましたよね。高世は会社を作って独立して倒産させたし、安はシャブで逮捕されて、死亡説まで流れる始末です(苦笑)。もっとも安は実は生存していたと荒木和博は今年の1月に指摘していますが、でも安は、社会的には抹殺されていますから、物理的に生存していても、一生とまでは言わずとも、当分の間は日陰者として暮らすのでしょう。この2人が出会わなければ、高世は今よりはましな立場である可能性が高い。安は、どっちみち似たような境遇なのかもですが、これもそうでなかった可能性はある。まったく、不幸な、きわめて無様で無残な出会いと偶然です(笑)。双方共々はっきり言ってこの出会いは相当な迷惑だったのではないか。いずれにせよ近日中に拙記事も訂正、あるいは注釈をつけておきます。連休が明けてからかな。余談ですが、私がbogus-simotukareさんから情報をいただいているのに記事を訂正あるいは注釈をつけなかったのは、つまりは安なんてとっくの以前に過去の人になっていたと認識していたからでしょうね(自分のことなのに「でしょうね」もないものですが、つまりはその程度の興味関心しかなかったということです)。そもそも昨今高世は、過去の自慢はしていても、まともな北朝鮮・拉致取材なんかしていないでしょう。
過去の人間だが、安明進が死んだらしいだいぶ話が飛びましたが、高世もそんな過去の繰り言を述べているより、もう少しまともなジャーナリズム活動をした方がいいんじゃないのということを書いてこの記事を終えます。bogus-simotuakreさんの引用した複数の記事を参考にしました。感謝を申し上げます。