前に記事に書いた荒木和博の非常識きわまりない記事で、ちょっと補足というか突っ込みなおしを。
＞２、情報にかかわる公的機関の現役及びＯＢの皆様へ
警察・海上保安庁・公安調査庁・自衛隊・内閣調査室など、公的機関に関係する皆様にも同様情報収集へのご協力をお願いしたい。調査を続ける中で私たちは様々な情報が公的機関の中で死蔵、あるいは隠蔽され、拉致問題解決に使われていないことを痛感してきた。血のにじむような活動が救出に活用されず、せいぜい記録として留められて終わりという現状を変えることが必要である。法律に縛られる公的機関より自由に行動できる民間の方が情報を有効に活用していくことができる場合があることを、私たちは11年間の経験の中で確信している。ぜひご協力をお願いしたい。
この発言は、つまりは政府・公安関係が収集した情報を（非合法に）自分たちにまわしてくれという依頼であるわけです。当然これは、関係職員に対して国家公務員法、地方公務員法その他法令違反（守秘義務違反など）を慫慂していることになります。完全な犯罪のそそのかしです。
どうですかみなさん。私はこれだけで十分に絶句します。これ酒の席や、非公然の場での発言じゃありませんよ。HPやブログ記事で公然と書いているものです。これだけでも正気の沙汰じゃありませんが、しかし前の記事を書いた時点では忘却していましたが、かなり重大なことを指摘します。荒木は、陸上自衛隊の予備自衛官だということです。
予備自衛官とは、
＞予備自衛官（よびじえいかん英:Reserve Self-Defense Official）とは自衛隊が予備要員として任用している非常勤の自衛官のこと及びその官名。特に予備自衛官の官職または官職にある者をいう。非常勤公務員として、有事・訓練等の際に召集され、自衛隊における各任務に就けられる。一般の軍隊における予備役、大日本帝国海軍における予備員制度等に相当する。
ということですから(Wikipedia)、荒木は、つまりは非常勤とはいえ国家公務員の立場です。そのような立場にある人間が、他の国家・地方公務員に公然と守秘義務違反を慫慂するというのは、これは非常に悪質じゃないですかね。自衛隊なり防衛省なりに上の記事などを指摘したら、相手にしないで無視するかそれとも何らかの対応をするかはともかく、すくなくとも筋論からすれば荒木に対して厳重注意のようなものがあってしかるべきじゃないですか。当然なんらかの処分なり注意なりをするべきだし、荒木はされて仕方ないでしょう。
で、私が「予備自衛官であるあなたが、公務員にそのような完全な違法行為をそそのかしていいのか」と指摘したら荒木はどう抗弁するんですかね。別に私はそんなことを荒木や防衛省その他にメールなどで指摘するつもりもありませんが、仮にしたとして、荒木の反応については興味があります。
あ、私はこんなことをいまさら防衛省などにお知らせはしませんよ。防衛省だって既知のことかもしれないし。でも彼がまたおなじことを（性懲りもなく）書いたらまたあらためて考えます。
補足の話はこれで終わります。次は、荒木の別のこれまた非常識きわまりない記述について。さきほど引用した記事の後半です。
＞法律に縛られる公的機関より自由に行動できる民間の方が情報を有効に活用していくことができる場合があることを、私たちは11年間の経験の中で確信している。ぜひご協力をお願いしたい。
＞法律に縛られる公的機関
公的機関が法律に縛られなかったらこの世は闇でしょうに、なにこの人こんなあたりまえなことを書いているんだと呆れますが（法律なんか無視しろ、「愛国無罪」っていう精神なんですかい、っていうところです）、
＞民間の方が情報を有効に活用していくことができる場合がある
とまで言うのなら、じゃあいままであなたたちはどんな成果・実績を上げているんですかいとお伺いしたいですね。
このブログで前に、荒木らが主張する「反物事案」の話を紹介したことがあります。さすがにあの荒木の主張を読んで、本気で北朝鮮拉致（の可能性がある）と考える人はきわめて少ないと思いますが、あんな馬鹿きわまりない話をほざいていて、なにが
＞情報を有効に活用
なのでしょうか。馬鹿な主張もいいかげんにしてくれです。
だいたい現在に至るまで、「特定失踪者」なんて誰一人として政府は拉致認定していないじゃないですか。今後される見込みも常識的に考えてきわめて低い。まあ荒木も話題作りのために主張しているわけで、実際に認定される可能性は二の次でしょうが、こんなものに付き合わされてというか、いいようにたぶらかされている行方不明者の家族や関係者には、こんな男にはかかわらないほうがいいですよとご忠告申し上げたいんですけどね。
荒木がでたらめな話をもちだす実例は、たとえばこちらの記事を参照してください。
つまりは、元静岡県警本部長が、行方不明者の家族、関係者に向かって、不用意で軽率な発言をしたというだけの話ですが、それを荒木は
とまで書きたてます。実際には県警本部長は（荒木の記事を参照しても）「直前」なんて発言はしていませんし、荒木がすべきことは「このような発言は実質のないものですので、期待されないほうがいいですよ」と関係者その他をたしなめることでしょう。それをこんなでたらめな記事を書くのだから、その悪質さたるやひどいものです。けっきょくこの方の関係者は、翌年（2012年）に活動を停止しています。それが正解でしょう。万万が一にも、荒木らとかかわっていいことなどありはしません。
ほかにも日弁連が書いてもいないことを書いていると主張したり、このようなことを繰り返す荒木らに、情報の有効な活用なんかできるわけがありません。する意思もないでしょう。
くりかえしますが、さすがに行方不明者を身内に持つ人でもなければ荒木の発言や行動にまともに付き合う人間も多くはないでしょうが、なんとも無残でひどい光景だと思います。反物事例なんて、私が拉致被害者家族なら、荒木に激怒していると思いますが、読者の皆さまはいかに？
荒木にしても西岡力にしても、単にないネタをふりしぼって話題作りをしているだけです。なんとも罪深いというか、他人にも世間にも迷惑をかける連中だと思います。