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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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ともかく良かったと思う(3月16日更新)

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すいません、すでに読者の皆さまご存知のニュースでしょうが…。

>横田さん夫妻、孫娘とモンゴルで対面 幼児同席、ひ孫か

朝日新聞デジタル 3月16日(日)20時48分配信

 外務省は16日、北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの両親、滋さん(81)と早紀江さん(78)が10〜14日にモンゴル・ウランバートルを訪れ、めぐみさんの娘キム・ウンギョン(ヘギョン)さん(26)らと面会したと発表した。横田さん夫妻とウンギョンさんの面会は初めて。

 日本政府は否定しているが、日朝双方は昨年末から少なくとも計3回、秘密に接触。今回の面会は、拉致問題の解決を最重要課題の一つとする安倍政権の主張に、北朝鮮として応じる用意があるとの考えを示したものだ。今後は拉致問題などの解決と国交正常化をめざし、接触が本格化する可能性がある。

 複数の政府関係者によると、面会にはウンギョンさんの子どもと見られる幼児も参加。日朝の両外務省担当者らも同行した。双方の会話の内容は明らかにされていない。

 北朝鮮は2002年の第1回日朝首脳会談の際、めぐみさんは「死亡した」と伝達。拉致問題の「象徴」でもあり、幕引きに躍起になった。北朝鮮での横田さん夫妻とウンギョンさんとの面会も提案したが、夫妻は訪朝による幕引きを懸念し、応じてこなかった。

 政府高官によると、日本側がモンゴルでの面会を提案。北朝鮮が受け入れたという。面会の事実は、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)と支援団体「救う会」には事前に伝えられなかったが、横田さん夫妻の年齢や第三国での面会を考慮し、今回の行動に理解を示している。

 不安定な政治体制と経済難から、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権は昨年夏ごろから日韓に接近。中韓との外交に行き詰まる安倍政権が応じ、昨年12月に中国で外務省課長級の予備秘密協議を、今年1月と2月にベトナムと香港で秘密協議をそれぞれ実施。今月3日には中国・瀋陽で外務省担当課長の非公式協議も開いた。

 こうしたなか、「拉致問題は解決済み」としてきた北朝鮮が面会に応じたことで、拉致問題が進展する可能性が出てきた。19、20両日には瀋陽で、外務省担当課長による非公式協議が行われる見通しで、一昨年11月以来となる外務省局長級協議の開催で合意するとの見方も出ている。

 日朝双方は今後、他の被害者も含めた拉致問題の解決に向け、秘密協議も本格化する可能性がある。ただ、解決の基準をどこに置くのか、高度な政治判断を求められる。米韓などは北朝鮮による核、ミサイル問題の解決も求めており、日朝首脳会談による最終的な決着まで、なお時間がかかりそうだ。


     ◇

 ウンギョンさんの名前をめぐっては、めぐみさんの夫だったとされる韓国人拉致被害者の金英男(キムヨンナム)さんが2006年6月に北朝鮮で記者会見した際、「本名はウンギョンで、ヘギョンは幼名だ」と説明している。

朝日新聞社

とりあえずは良かったですね。私は、このブログで何回も、横田さん夫妻は、お孫さんにあったほうがいいんじゃないんですかと書いてきました(たとえばこちらの記事)。実際、日本の外務省が、その方向で動いている様子もありましたが、なかなか実現するに至りませんでした。が、ともかく面会が実現したわけです。

それで、私がちょっと興味を感じたのが、面会の場所がモンゴルのウランバートルだということです。私は以前、面会するのなら、ウィーンか北京あたりでいいんじゃないの、とか考えていましたが(上にリンクした記事参照)、ウィーンはともかく、北京というのは、昨今の日中関係を考えると可能性が低い。そう考えると、モンゴルのウランバートルというのは、今の日本の状況をよく表象している国と街かな、と思います。どっちみち、中国以上にモンゴルが、日朝問題の懸案解決に役立つ国であるとは思えませんけど。

さてここで、私がこのブログでなにかというと批判する荒木和博のブログ記事を引用しましょう。かなり急いで書かれたものかと推察します。

>横田滋さん・早紀江さんご夫妻がモンゴルで孫の金ヘギョン(ウンギョン)さんに面会したとのニュースが流れています。

 これについて何件か問合せは受けたものの、正直なところ私自身が今日知ったばかりで、表に出ていること以上には情報を持ち合わせていません。

ははははは。つまりは、横田夫妻は、荒木には相談や通告をしないでこの件を決めたということですね。それはたいへん正しい決断です。荒木らにこんな話をしたら、相当めちゃくちゃなことをしでかす可能性すらないではないでしょう。この件で、連中に相談したり話をしていいことなどないと判断したということでしょう。そんなことは最初から分かっていますが、実際にそれを実行したのはたいへん妥当な判断だと思います。

>また高齢の横田さんご夫妻の孫娘と会いたいという思いに対してわれわれがどうこう言える資格はありません。

え、あんたに限らず、基本的に家族会とか巣食う会は、横田さんたちがお孫さんに会うのを絶対反対、という態度じゃなかったっけ。ていうか、正直荒木さん、あなた横田さん夫妻が亡くなった時点で、ほらみろ、孫に会えなかったのは北朝鮮が・・・って北朝鮮批判ネタにしてやろうと考えていたんじゃないの?

ほかにも家族会のメンバーの話を。フジテレビの報道から。

>北朝鮮に拉致された横田 めぐみさんの父親・滋さんと母親・早紀江さんが、3月、めぐみさんの娘のキム・ウンギョンさんと、モンゴルで初めて面会していたことがわかった。
面会が実現したことについて、拉致被害者の蓮池 薫さん夫妻は、「今後、拉致問題の進展に希望を持たせてくれる出来事と思います」とコメントした。
増元 るみ子さんの弟・照明さんは「北朝鮮の思惑が、まだわからないというか。どういう考えで、この日本政府の要請に応じたのか。ヘギョン(ウンギョン)ちゃんに会って、よかったけれども、そこにめぐみさんがいないということを、やはり家族としては、重く受け止めていかなければならない」と述べた。
市川修一さんの兄・健一さんは「ちょっとしたチャンスをとらえて、やはり、もっともっと交渉してほしい。チャンスがないかぎりは、『交渉、交渉』と言っても、前には進みませんからね」と話した。
日本政府は、北朝鮮との政府間交渉の再開に向けて調整を続けていて、19日から再び行われる日朝の赤十字会談でも、双方の外務省の課長による非公式協議が行われる見通し。
拉致問題の具体的な進展につながるかどうか、注目される。

(03/16 17:59) 

かつて増元照明氏は、

>ヘギョンさんと横田夫妻が面会するのは、めぐみさんと一緒に日本で面会するときだ。

とまでおっしゃっていたので、お考えが変わったのかどうかはさだかでありませんが、

>よかったけれども

と一応肯定しているのは、やはりここでめったなことを言いうとまずいという判断があるんですかね。そうだとすれば、それは正しい判断だと私は思います。

このブログで私は、何回も横田さんの奥さんに対して批判的な態度を取ってきました。今回の面会実現も、つまりは奥さんの方が最終的に折れた、っていうことではないかと思います。滋さんが、お孫さんに会いたがっているという話は前から伝えられていました。しかし奥さんがいい顔をしなかった。滋さんて、多分に優柔不断な人間で、奥さんに頭の上がらない人間なのだと思います。奥さんが最終的に今回の行動をするにいたる決意をした背景は、もちろんご当人以外わかりませんが、それは年齢的な問題もあったのでしょうが、さすがに巣食う会や家族会の意見通りにしていていいんだろうかという疑問もあったのかもしれませんね。あと今の首相が安倍晋三であることも大きいのかな。私安倍大っ嫌いなので、そうだとしたらそれってあんまりうれしくないんですが(笑)、それはそれ、これはこれで、ともかくよかったと思います。

それでですよ、滋さんもそうですが、特に奥さんは、これを機に、家族会はともかく、巣食う会の連中とは縁を切ってもいいんじゃないんですか。前に紹介した「反物事例」なんてあんな馬鹿なものに協力しなくてもいいでしょう。こんな連中とかかわっていいことなど何もありはしません。小泉訪朝前なら巣食う会にもそれなりの意義はあったでしょうが、いまは横田夫妻にとって迷惑にもほどがある連中でしょう。

つまりは世の中、「これはこれ、それはそれ」で行動すればいいんですよ。横田さんたちは、娘さんが生きているという考えをひっこめる気はないと言明しています。それでいいんですよ。私としては、ぜひこれからも定期的に横田さん夫妻、あるいはめぐみさんの弟さんたちがヘギョンさんに会えばいいと思います。そうすれば、ヘギョンさんの身の安全にもつながります。

それにしても、今回のニュースはあんまり大きくは取り上げられていないなという気はします。それだけ拉致問題のニュースヴァリューが低くなったということかもしれません。

ところで横田さんたちが、次のようなコメントを寄せたとのこと。

>マスコミの皆様へ

 この度のウンギョンさんとの対面につき、色々と御心配をおかけしております。ものすごく疲れて、休ませて頂いており、沢山の取材にも出られませんで失礼致しました。

 ウンギョンさんとの対面は、本当に奇跡的な事で大きい喜びですが、一つの事をきっかけに日朝会談が何とか良く進められ、全被害者救出の為になる事を切望しています。

 早い時間に皆様と会見させて頂きたく思っています。

 よろしく御了解下さいます様お願いまで。

 3月16日

 横田滋 早紀江

>奇跡的な事

いや、私には奇跡とは思えませんね。悪い言い方をすれば、単に奥さんがいつ折れるかという問題でしかなかったでしょう。むしろ折れたことが「奇跡的な事」だったのかもしれません。

なお、今回の記事も、bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。


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