Quantcast
Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

けっきょく教員ばかりか自治体ほかも迷惑しただけだ(教員免許の更新)

$
0
0

bogus-simotukareさんの記事に紹介されていた記事を読んで「おいおい」と思いました。

教員免許更新、存廃議論へ/文科省小委主査が指示

> 教員不足の一因となっている教員免許更新制について議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の小委員会で、廃止が選択肢に入ることが確実となりました。

 文科省は24日の小委に示した論点に「そもそも、『新たな学びの姿』を実現する上で、免許状に有効期限を設けて更新するという仕組みが必要と言えるのか」と明記。同小委主査の加治佐哲也兵庫教育大学長は、次回から存廃について本格的に議論を進めるための準備を事務方に指示しました。

 教員免許更新制は2009年に導入。10年ごとに義務づけられた更新講習の受講による教員の負担増大や受講忘れによる失職など多くの弊害が生じています。産育休や病気で休む教員の代わりの臨時教員の確保や、他職種からの転職の妨げになるなど教員不足にも拍車をかけています。廃止や抜本的な見直しを求める声が教職員や地方団体などから上がるなか、萩生田光一文科相は3月、中教審に抜本的な見直しに向けた検討を指示していました。

 文科省は24日の同小委に、▽時代の変化が大きくなるなかでの10年ごとの更新講習の妥当性▽更新講習の受講は主体的な学びと言えるか▽身分の喪失を招きかねないなかで安心して学ぶことができるか―なども論点として提示しました。

つまり事実上文部科学省も、「やってもコストがかかりすぎる」「弊害が大きすぎる」というような認識でいるということなのでしょう。安倍晋三直系といっていい現菅政権、さらには安倍政権時代から文科相をつとめていた萩生田文科相ですら、何らかの手直しをしなければまずいという認識に立ったと言うことであり、これまたひどい話ですね。bogus-simotukareさんは、

>おそらく「待機教師(教員資格を持っているが、現在教師でない人間)の免許失効(多くの待機教師は教師になる見込みがないのに、金と時間をかけてまで更新講習を受けないので、多くの場合で免許が失効してしまう)」について今後「少人数学級」をすすめるにあたって「かえって不合理(教員不足を助長する)」と言う認識が政府与党、文科省から出てきたのでしょう。

とお書きになっています。つまりは、そういうことでしょう。こちらを。

>教委の8割、免許更新「見直しを」 教員確保のネックに
高浜行人、編集委員・氏岡真弓2021年5月29日 18時00分

 2009年から続く教員免許更新制について、朝日新聞が教員の任命権を持つ67教育委員会にアンケートしたところ、53教委(79%)が「見直しが必要」と回答した。更新のための講習が長時間労働に苦しむ教員の負担になっているなどとして、このうち7割が講習免除対象の拡大といった制度の緩和を求めた。

免許更新は「懲役1週間、罰金3万円」 先生も疑問の声
 更新制は自民党の提案をもとに第1次安倍政権下の06年に導入が決定。現在、文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の委員会が見直しに向けた議論をしており、廃止論も出ている。アンケートでは、制度の実務を担う教委自身も課題を感じている実態が浮かんだ。

 47都道府県と20政令指定市の教委に聞いたところ、「見直し」を選んだ53教委以外では、「現行のままでよい」としたのは5教委にとどまり、9教委は「その他」を選び、「国の動向を注視している」などと答えた。

 見直しの内容について、53教委のうち39教委が「講習の受講期間を弾力化、免除を拡充するなど緩和する必要がある」を選択。夏休みなどに30時間行われる講習について、「多忙で受講が困難」(埼玉県)、「市の研修と講習内容が重複している」(浜松市)などの指摘があった。「(受講忘れによる)『うっかり失効』で即失職は重すぎ」との指摘もあった。「廃止するべき」は1教委だった。

 制度が、産休や病気療養で代わりの教員を確保する際のネックになっていることもわかった。更新制の課題について複数回答で聞くと、「教員経験があり教職についていない人を臨時任用する際、失効ですぐに任用できないケースがある」が53教委と最も多かった。例えば教員経験者に臨時で講師を依頼しても、更新講習が未受講ですぐに教壇に立てない、といった指摘だ。「代替者の確保が一層困難」(山形県)といい、教員のなり手不足に制度が拍車をかけている形だ。

 更新制のメリットは、複数回答で「定期的に最新の知識が得られる」(52教委)が最多。「自主的な研修の受講が少ない教員にとっても学びの機会になる」(26教委)が続いた。

 更新制をめぐっては、萩生田光一文科相が今年3月、「経済的、物理的負担が生じている」などとして中央教育審議会に抜本的な見直しを諮問した。近く結論が出る見込みだ。

 アンケートでは、教員免許を都道府県教委に代わって国が授与・管理する「国家資格化」についても聞いた。「賛成」「どちらかといえば賛成」は12教委、「反対」「どちらかと言えば反対」は13教委と賛否が割れた。「条件付き賛成」は5教委で、「都道府県教委の負担減につながる内容であれば賛成」(佐賀県)などとした。免許の国家資格化は、萩生田文科相が昨年6月の講演で「私見」としたうえで免許の国家資格化を目指す考えを表明した。(高浜行人、編集委員・氏岡真弓)

     ◇

〈教員免許更新制度〉 国公私立学校・幼稚園で教えるのに必要な教員免許に10年間の期限を設ける制度で、教員の資質向上のために2009年に導入された。それまでは終身有効だった。更新するには大学などで開かれる「更新講習」を30時間以上受け、教育委員会に申請する。費用は3万円程度で、原則、自己負担。教員でない人の一部を除き、講習を受けないと失効する。自民党の案をもとに制度化され、第1次安倍政権の教育再生会議も導入を促した。

それで次の朝日新聞の記事も興味深い。

>免許更新は「懲役1週間、罰金3万円」 先生も疑問の声

阿部朋美、高浜行人、三島あずさ2021年5月29日 18時00分

 2009年から続く教員免許更新制について、朝日新聞が教員の任命権を持つ67教育委員会にアンケートしたところ、53教委(79%)が「見直しが必要」と回答した。

 学校の先生が、10年ごとに30時間以上の講習を自費で受ける教員免許更新制。なり手不足や多忙化が問題となるなか、当事者たちはどう受け止めているのか。

 「ただただ、アリバイ的に授業をやっているという印象。有意義な時間にならなくて残念だった」

 北海道の30代の高校教諭は、数年前に免許を更新した。近くに講習会場はなく、3泊4日で遠くの大学での講習に臨んだ。費用は受講料に宿泊費などを含め、約5万円かかった。

 講習には小中高の教員が参加し、大学の講師がオンラインで講義する様子をひたすら見た。実践的な指導方法が学べるかと期待していたが、自然や文化など講師の専門分野の授業が繰り広げられただけ。自身が担当する数学に関する講義も、授業法にまつわる内容もない。職場に持ち帰って実践できる「収穫」はなかった。

 学校では不祥事があるたびに校内研修が行われ、残業がさらに増える。睡眠時間が削られると、仕事上のミスも増加。そんな悪循環に陥っていると感じる。そこに更新講習が加わると、さらに時間を取られてしまう。「教員として新たな学びがあれば、時間やお金がかかっても文句はない。実態は、実のない講習を聞かされるだけなのが残念」

教委の8割、免許更新「見直しを」 教員確保のネックに
各地の教師から疑問が次々「意義がない」「手間に対して利点が…」
 文部科学省によると、更新講習は主に大学が開設し、受講生の評価はおおむね高いと説明する。プログラミングや教育哲学を学んだ元教員の30代男性は「楽しくて勉強になった。教員が研鑽(けんさん)するのはいいと思う」と話す。

最初の記事中

>「廃止するべき」は1教委だった。

とありますが、これはある程度国に肩を持った表現であり、現実には、こんなの廃止になったところでおそらく何の問題もないでしょう。無意味に行政コストも高くなり、もちろん個々の教員のコストも馬鹿にならない。

そう考えるに、廃止になるかどうかは別として(廃止になったら、地方行政も喜ぶんじゃない?)、何らかの手直し、負担軽減、名目的なものになるということは避けられなさそうですね。つまりは、こんなのそこら中が迷惑しただけというところではないか。

そうすると、こんなくだらんことをごり押しした安倍晋三は論外として、民主党政権もひでえなあと改めて思いますね。要は、民主党(当時)の中の右派系議員が廃止にいい顔をしなかったと言うことなのでしょうが、つまりは安倍の系統をくんだ現在の自公政権ですら何らかの見直しを余儀なくされるくらいろくでもない制度のわけで、これは政権交代をしたのだから廃止なりなんなり改善をする必要があったはず。いかに民主党政権が先見の明がないかです(苦笑)。いや、安倍晋三が「悪夢の民主党政権」と批判したほどには、私は民主党政権を悪いとは考えていませんが、それにしたってひどいものです。

けっきょくこれもですねえ、安倍晋三の日教組にたいする憎悪とかくだらねえ話で組合員以外の教員から地方自治体にいたるまで迷惑をこうむるのだからほんと馬鹿げていますね。実際安倍でなくても西村眞悟のマニフェストなるものを拝見すると、

>日本教職員組合→廃止

とまで書いてありますからねえ(呆れ)。そもそも労働組合って「解散」はあっても「廃止」するものではないでしょうに(苦笑)。馬鹿にもほどがあります。

とても総選挙での前職の候補者の公約ではない

安倍とか西村なんて論外にもほどがありますし、とくに西村は、さすがに彼が国会議員に復帰することはないと思いますが、このような連中が偉そうな顔をしている現状では、まったくもってろくでもないとしかいいようがないですね。お話にもなりません。なお本日の記事は、bogus-simotukareさんの記事からヒントを得ましたので、感謝を申し上げます。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4143

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>