最近2冊の本を読みました。
「大東建託」商法の研究 “サブリースでアパート経営"に気をつけろ!
最初の方の本は前に読んだことがありますが、次の本を読むに当たって再読しました。
それで内容はなかなかすさまじいですね。以下Amazonおける2冊の紹介文です。
>一括借り上げ(サブリース)で資産運用”の甘い罠。「こんなはずではなかった」と苦しむアパート経営者たち。契約を取るために犯罪に手を染める社員、パワハラが横行する職場、成果主義に追い詰められて自殺事件が続発―。「いい部屋ネット」の大東建託で何が起こっているのか!
>野放しの収奪的営業、崩壊する企業モラル、暗躍する金融機関、いまアパート経営の現場で何が起きているのか!
それで下の方の本を読んでいると、第1部で6件のケースが紹介されていまして、第1章が、農協の知人から野誘いを受けてアパートを作って経営破綻、第2章は、大東建託に勤務する同級生から営業をかけられてアパートと作って経営が厳しくなったケース、第3章は土地所有者の姪が、(保証人になるために)養子になってくれと大東建託の職員から迫られて自宅まで押しかけられたり(さすがにこれ法律違反じゃね?)、第4章は、何の連絡もなく家賃保証を打ち切られたオーナー(そしてこの人元大東建託の社員(苦笑))、第5章は欠陥マンションに居住する女性の災難、第6章は、絶対に採算なんかとれっこなさそうなアパート経営を、かなり詐欺的な手法で契約させたケースといったところで、かなりすさまじいですね。大東建託って東京証券取引所一部上場企業なんですが、こんなことでいいのか(苦笑、いや笑ってばかりもいられませんね)。だいたいWikiediaのCM出演者というところを見ても、中井貴一から横浜流星など、過去の人でも大杉漣、上白石萌音 、また津川雅彦から西田敏行、髙嶋政宏、純名りさ、高嶋政伸、大沢啓二、米倉涼子、佐藤隆太、深田恭子、桜井日奈子など、若手からベテランまでなかなか華麗なラインアップです。よほどギャラがいいのでしょうが、いいんですかねえ、こんな悪徳企業の広告なんかに出演して。このブログでかつてこんな記事を書いたことがあります。
ジャパンライフのCMをご紹介(昔ほど、日本独自のCMで外国の芸能人を見ない)ナスターシャ・キンスキーがジャパンライフのCMに出ていたなんて、今では「時代だなあ」ってところですが、悪徳企業のCMに出ていたなんてことは、決して自慢できることではありませんよ。新聞、民放、NHKなども、こういった問題を報道したがらないのはなぜか? 下の本の第2部では、職場のひどいパワハラ・セクハラ(正直今のご時世で、こんなのあり? と絶句するような代物です。30kmを徒歩で帰社命令するとか。言葉だけでなく、ほんとにさせた模様)の話があります。第3章は、同業他社(大和ハウス工業、レオパレス21、東建コーポレーション)も同じようなよろしくない商法をしているということが紹介されています。なお、各社とも、CMには、すごい芸能人を過去から現在にいたるまでいろいろ起用していることがわかります。またいろいろなテレビ番組に広告を提供している。やっぱり、自分たちの商売がよろしくないということを認識しているから、テレビ局その他に金を配っているという側面は明らかにあるはず。
それで、やはりこれは商売の鉄則ですが、人間関係で攻められる、あるいは陥落するというパターンが多いように思います。下の本の第1部では、各章の1,2,3は人間関係で攻めるパターンだし、6章(3章もそういう側面あり)はせっせと若手の営業社員が訪れて落とすというパターンです。大和ハウス工業の話は、やはり知り合った人物のすすめでアパートを経営して失敗した人(知り合った人物も、大和ハウスの回し者だった模様)、東建コーポレーションの元凄腕社員の人も、人間関係で落とすという話をしています。上の本の第2部第10章でも、感じのいいセールスマンにほだされて詐欺レベルの契約をしてしまった人が紹介されています。こんな話は、枚挙に暇がありません。
豊田商事の手口なども、Wikipediaから引用すれば
>また勧誘においてはおもに独居老人が狙われたのも特徴だった。まず電話セールスで無差別に勧誘し、脈ありと判断すると相手の家を訪問する。家に上がると線香をあげたり身辺の世話をしたり「息子だと思ってくれ」と言って人情に訴えるなど相手につけ込み、インチキな契約を結ばせていった。
というわけです。まさに永遠の最高の手口といって過言でない。私が前にご紹介した話で、
金をためられる人、財産を残せる人は、けっきょく金にシビアなのだと思う(追記あり)その記事で紹介した全財産を男に貢いだ女性も、けっきょく人間関係を断ち切れなかったからそのようなことになったわけですからね。どうしようもないとはこのことです。
このブログの読者で、大東建託などの会社から本気でアプローチされる人がどれくらいいるか定かでありませんが、かなり決定的な大東建託オーナーの言葉を。最初の本より。
「もし今、大東建託でアパートを建てるころを考えている人がいたら、やめなさいと言いたい」(p.127)