先日こんなニュースを知りました。
>福島瑞穂氏に仏政府が国家勲章 ジェンダー政策など評価
2021年6月23日 19時28分
フィリップ・セトン駐日フランス大使(左)から勲章を授与された福島瑞穂氏=23日、フランス大使館
社民党の福島瑞穂氏は23日、フランス政府から国家功労勲章「シュバリエ」を受章した。死刑廃止やジェンダー平等推進のこれまでの取り組みが評価された。
23日、フランス大使館であった叙勲式で、福島氏は「これからも死刑廃止に取り組んでいきたいし、今は夫婦別姓も同性婚も認められない社会だが、すべての人の尊厳が守られる社会を実現したい」と語った。
フィリップ・セトン駐日フランス大使は、福島氏が弁護士時代に戦後補償裁判に関わってきたことや、2009年に男女共同参画相としてジェンダー政策を進めたこと、死刑廃止の議員連盟に関わってきたことなどを紹介した。大使館によると、この10年間に約150人の日本人が「シュバリエ」を含む国家功労勲章を受章している。
福島瑞穂のこの件についての発言はこちら。一部ご紹介。
>
(前略)
今回、受賞の知らせをいただいて、本当に驚きました。そしてその理由が、死刑廃止
やジェンダー平等、子育て支援などの活動であると知り、さらに感激をしました。賞
をいただくことなど考えてもいなかったからです。素晴らしい方たちと一緒に活動に
取り組んできました。今回いただいた賞は、共に取り組んできた仲間にも与えられた
と思います。
2001年、フランスのストラスブールに行きました。ヨーロッパ評議会に、日本の死刑
廃止議員連盟の役員として参加し、発言をしました。死刑台から生還された免田栄さ
んはヨーロッパ評議会の人権委員会で発言をされ、私は本会議で発言の機会を得まし
た。たくさんのNGOのみなさまとお会いしました。その年、評議会は、日本に対し死
刑執行停止を求める決議を出しました。日本でまだ死刑廃止が実現できていない事は
本当に残念ですが、これからも廃止に向けて取り組みます。
2009年には、男女共同参画担当大臣、少子化担当大臣に任命され、ジェンダー平等や
子育て支援を学ぶためにまたフランスに行く機会に恵まれました。様々な保育園や子
育て支援の場所を訪れ、パクス法やパリテ法などの法制度を学び、豊かで多様な子育
て支援政策が、子どもや親たちを応援していることを実感として学びました。
私は、10代、20代の時に、サルトルとボーボワールに大変影響を受けました。選択的
夫婦別姓や同性婚がなかなか成立しない日本の社会ですが、多様な生き方を認め、全
ての人の尊厳が守られる社会を実現していきたいと思います。
基本的人権の尊重という普遍的な価値を信じ、努力をしている人たちを評価するフラ
ンス政府を心から尊敬します。また、こうした活動が受賞につながったことを励みに
して、さらに多くの人と努力を続けていきます。
(後略)
私も死刑反対派、ジェンダー平等支持、子育て支援支持ですから、やはり福島瑞穂の受賞はうれしいですね。ここは彼女とフランス政府に敬意を表したいと思います。
さてさて、それはいいのですが、bogus-simotukareさんの記事を読んで、またまた「どうもなあ」です。
今日の産経ニュースほか(2021年6月28、29日分)(副題:改めて都議選での共産議席増を祈願する、ほか)
そこで紹介されている記事が、こちらです。
違和感覚える福島氏への仏勲章授与 石川弘修(国基研理事・企画委員) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
それで私も記事を読みました。なにをいまさらですが、ひどい記事ですねえ(呆れ)。
>拉致の北朝鮮を支援
フランス政府は、福島議員は旧民主党との連立政権当時、内閣特命担当大臣として少子化問題や男女共同参画に取り組んだほか、社民党党首としてジェンダーの平等や夫婦別姓運動を推進するなどし、その功績は大きいと指摘している。
しかし、日本国内の評価は違う。むしろ、拉致問題や従軍慰安婦問題での対応に反発する国民感情は強い。社民党など左派勢力への支持は減り続け、5月のNHK世論調査で社民党支持はわずか0.2%と消滅寸前にまで追い込まれている。
フランスの評価の問題であって、日本の評価なんか関係ないでしょうに(苦笑)。そもそも外国政府が誰に勲章出そうが、日本政府も無理、日本右翼がもちろんがそんなことに関与できるわけないのだから、「負け犬の遠吠え」もはなはだしい(笑)。そもそも(と繰り返し)海外の政府だって、それは石川とか国家基本問題理事長の櫻井よしこみたいな連中よりは、福島瑞穂のほうがまともな人間だと認識するでしょう。
ていうか、フランス側は、政治家としての福島というより、人権活動家としての福島を評価したんじゃないんですかね。参議院議員福島瑞穂と弁護士(人権活動家)福島瑞穂とでは、立場も違いますし、評価も違うでしょう。政治家としてでは動けないことでも、人権活動家としてなら動けることもあるし、その反対もありです。正直フランスも、「社民党党首」としての福島には、大して関心はないのでは? そもそも論として人権活動なんてものは、多数者から少数者の人権を保護するものであり、あえていえば社会の多数派からはどうでもいいことについて動くものです。世の中たいていの人間は死刑囚にはならないし、ハンセン病にもかからないし、生活保護受給者になるほど追い込まれはしない。ある意味多数者が興味関心を持つようになったら、その人権活動は大分進展しているはず。そういう意味では、福島瑞穂に対して多数者があまり関心を持たないのは当然といえば当然でしょう。
ところでちょっと気づいたのですが、上の引用の前の段落に、
>だが、福島氏は前任党首の故土井たか子氏らと一緒になって、日本人多数を拉致した北朝鮮を支援してきた中心人物の一人である。
(中略)
福島氏への国家功労勲章授与は、むしろフランスのイメージ・ダウンになったのではないだろうか。
とありますが、つまりはフランスは、そんなことを大して気にしていないということですね。実際福島が北朝鮮を支援あるいは好意的に接していたとしたって(詳細は知りません)、そんなのは2002年以前の話だし、どちらにせよそんなことはフランス政府からしても問題とはしていないということです。なおWikipediaのこちらの項目によると、
>フランスと朝鮮民主主義人民共和国の公式な国交はない。フランスは欧州連合で北朝鮮を国家承認していない2つの国のうちの1つであり、もうひとつはエストニアである。そのため、フランスは韓国が主張する朝鮮半島全土の領有を認めている。平壌にはフランス大使館や他のいかなる形の外交官もおらず、パリにも北朝鮮大使館はないが、外交事務所がヌイイ=シュル=セーヌ近郊にある。
フランスの公式な立場は北朝鮮がもし核兵器開発を放棄し、人権の状況が改善されれば国交を樹立するとされている。
とあります(注釈の番号は削除)。つまりフランスは、EU諸国の中では、むしろ北朝鮮に厳しい態度をとっている国ではないか。そういった国ですら、
>福島氏は前任党首の故土井たか子氏らと一緒になって、日本人多数を拉致した北朝鮮を支援してきた中心人物の一人である。
などということを特に問題視していないし、また
>福島氏への国家功労勲章授与は、むしろフランスのイメージ・ダウンになったのではないだろうか。
というのも、石川の主張に反して、そんなことがイメージダウンになるなどとは考えていないということです。当たり前の話です(笑)。こんな20年前くらいのことを蒸し返して福島に難癖をつける石川が異常な人間なだけですが(笑)。日本国内ですら、そんなことがどれくらい福島の評価を下げることにつながるか疑問ですが、まして外国ではでしょう(笑)。
それはそうと、荒木和博とか西岡力みたいに、事実上北朝鮮以外にセールスポイントのない人間はまだしも、それ以外の人たちは、さすがにいまどき「かつて(現在にあらず)親北朝鮮だった」などということが、他人を非難するネタになるなんて考えは捨てた方がいいと思いますけどね。拙ブログもいまさら、私を「親北朝鮮」なんて非難する人物も近寄ってきません。
>自国のイメージを高めてくれた貢献者を積極的に叙勲するのはフランスだけではない。国内の叙勲でも首を傾げるケースがある。河野洋平元衆議院議長は2011年、勲一等桐花大綬章を受章した。1993年、宮沢内閣の官房長官として慰安婦問題で謝罪と反省を表明、これが今日まで「性奴隷」といういわれなき海外からの批判を招く結果となり、日本のイメージを傷つけている。
石川弘修も「河野談話を破棄せよ」という意見なのでしょうが、河野談話を破棄したら日本のイメージはさらに悪くなるでしょうに。そんなことを本気で理解できないほど石川も馬鹿ではないでしょうが。だいたいそういうことを言い出すのなら、「安倍晋三は、河野談話を破棄するなんてさんざんいっていてなにもしなかったじゃないか。どういうことなんだよ」と安倍を批判すればいいじゃないですか。そういうことをしないチキンの分際で、よくこんな偉そうなことをいえるものです。全くもってどうしようもない腰抜け野郎です。まあマジ論すれば、首相にはならなかったとはいえ万年与党の党首を務め、政府高官を歴任、長きにわたって衆議院議長を務めた人物がそれ相応の位の叙勲となるのは当然でしょう。
それからこういうことは、石川みたいな人間は絶対認めないのでしょうが、海外の政府なども少女像(世にいう慰安婦像)が作られた際その撤去の説得を作成者にする際、「日本政府も『河野談話』というのを発表して反省の意を示しているから、そのあたり理解してほしい」というようなことをいっているんですけどね。河野談話を破棄と同時に少女像の阻止なんていう都合のいい考えは、成立しない。またこれも絶対そういうことは認めたくないのでしょうが、河野談話は私的なものでなく公のものです。河野氏が撤回すレバ決着するようなものではないし、安倍晋三もついに撤回はできなかったものです。
>朝日新聞が一連の従軍慰安婦報道が間違いであると謝罪、記事を撤回したのは2014年で、河野氏が叙勲を受けた後ではあるが、最近も河野氏は中国の共産党建党百年に当たり、祝電を打っていたことが明らかになっている。
そんな2014年の話をいまだに固執する石川というのもしょうがない野廊ですよね(苦笑)。とっくの過去の話です。だいたい祝電というのなら、自民党も祝電を打っている。産経新聞の記事より。
><独自>自民、中国共産党100周年で電報 二階幹事長名で
2021/6/30 18:54
中国共産党創建100年の記念日となる7月1日を控え、自民党が二階俊博幹事長の名義で中国側に電報を送ったことが30日、分かった。中国側から依頼があり、外交儀礼を踏まえて応じた。党幹部が明らかにした。
党関係者によると、電報には、日中両国が東アジア地域の平和と安定への責任を果たすことや、国際社会の期待に応えることの重要性について盛り込んだ。
中国共産党創建100年をめぐっては、かつて自民党総裁を務めた河野洋平元衆院議長が祝意を寄せたと中国国営通信の新華社が報じているほか、立憲民主党や、同党の小沢一郎衆院議員もメッセージを送っている。
いうまでもなく二階氏なる人物は、前首相、前自民党総裁である安倍晋三が幹事長に起用して重用してきたわけです。bogus-simotukareさんが
>なお、こうした「中国との交流」で「二階幹事長」を「反中国ウヨの攻撃からの弾よけ」に使うのはいつものことです。正直、「ウヨに中国シンパと攻撃されてもかまわない」としてこういう態度をとれる政治家が今、二階氏以外に果たして自民にいるのかどうか。
「派閥ボス」「運輸相(森、小渕内閣)、経産相(小泉、福田、麻生内閣)、総務会長(第二次安倍総裁時代)、幹事長(第二次安倍、菅総裁時代)と言った要職経験者」「麻生副総理・財務相とともに菅首相誕生の最大の功労者」といった問題は勿論ありますが、それとは別に「二階氏を切ったら中国相手にこうしたことをしてくれる人がいないが、いないと困る」ということで菅も二階氏を切るに切れないのではないか。
とご指摘なのは、いろいろ興味深いですね。福島香織ほからが、安倍晋三を批判したくないが中国接近は批判したい場合、常に二階氏が矢面にありましたが、その二階氏を前首相と現首相がいかに重用しているかは、まさに現実が証明しているというものでしょう。
>むしろ、1987年、ベルリンで「この壁を壊しなさい」と訴えた当時のロナルド・レーガン米大統領こそ平和賞に値するのではないか。強い対ソ政策で実際、その後まもなくベルリンの壁は崩れた。米ソ冷戦を終結に導いた実行力こそ真の平和賞に値する。
キチガイ沙汰にもほどがありますね(呆れ)。ていうか、レーガン受賞ならノーベル賞の権威など地に落ちるでしょう。だいたいベルリンの壁崩壊のそのときレーガンは大統領じゃないし。まあおそらく石川なる人物は、冷戦関係のノーベル平和賞受賞者に関していえば、ヴィリー・ブラントや金大中の受賞などというのは、怒り爆発というレベルなのでしょう(苦笑)。ていうか、東西冷戦終結についていうのなら、ミハイル・ゴルバチョフは受賞しましたが、レーガンやブッシュの父親は受賞にいたらなかったのは、ゴルバチョフの受賞理由が冷戦終結だけではないとはいえ、そのあたりは選考委員会の見識というものでしょう。また石川は、同じ米国大統領でも、ジミー・カーターの受賞などはまったく評価していないのでしょう(笑)。
>今回のフランスの叙勲について、違和感を覚えるのは日本人だけではないようだ。エジプト出身の外国人タレント、フィフィさん
例に出すのが「フィフィ」なんて、あんた恥ずかしくないのか(笑)。可能ならケント・ギルバートでも持ってきたかったのでしょう。ケント・ギルバートはそれでも弁護士ですが、フィフィは別に人権活動家じゃないでしょうに。だいたい石川は、フィフィなんて内心馬鹿にしきっているでしょうに。どんだけ馬鹿でクズなんだか。そもそもフィフィなんて、日本以外では全く無名で、名前を出して権威づけられるような人物ではない(苦笑)。これはケントも同じことです。
それにしてもこの記事での最後の見出しが
>在日大使館は勉強不足
てねえ(苦笑)。
まあぜんぜん「誤解」じゃないことを「誤解」と主張するのと同様、石川だって在日フランス大使館は、全部承知で福島を評価したなんてことを本気で認めていないわけじゃないでしょうに。どんだけ愚劣なんだか。そしてこれが、例えば中国大使館や韓国大使館だったら、石川の罵倒はちょっとやそっとじゃ済まないレベルでしょうね、きっと。しかし相手がフランスだと
>勉強不足
ですか。どんだけフランスに対してもチキンなんだか。ほんとこの記事、フランスに対する腰の引け方がひどいですね。さすがに日本は、フランスより格上だという主張はしかねたのでしょう。欧米コンプレックス・白人コンプレックスがはなはだしい(笑)。だいたいアジアにしたって、石川にとっては、絶対認めたくないことなのでしょうが、日本なんて中国と比べれば経済ではとっくに後塵、韓国に対してだって今さら人権問題でずっとリードしているという現状でもありません。
ところでこの駄記事の筆者である石川弘修という人物は、こちらによれば
>副理事長 石川 弘修
1941年生まれ、立教大学卒
読売新聞ブリュッセル、ワシントン特派員、同英字新聞部長、外報部長(現国際部)編集局総務、読売アメリカ社社長、読売理工学院理事長など歴任。
現在
国家基本問題研究所評議員 企画委員
専門分野
アメリカ政治、アジア安全保障 ベネルクス3国
とのことですがね。外交に強い人なんでしょうが、発言していることがまるっきり日本右翼の代理人なのがなんとも。だいたい産経新聞出身ならともかく読売新聞じゃあねえ。さすがに昔の読売は、こんな人物が幹部だったりでかい面をしたりする新聞ではなかったのでしょうが、劣化がすさまじいですね。いろんな意味で困ったものです。
なおこの記事は、bogus-simotukareさんのリンクさせていただいた2つの記事をヒントにしました。感謝を申し上げます。