前にこのような記事を書きました。
三千万円孫へ贈与しておいて、金がないと寝ぼけたことをほざかれてもしょうがない ある種の見栄みたいなものもあるのかもだが、そのあたりは自分で律するしかない(「孫破産」)それでまた今回も同じようなネタです。記事はこちらから。
>長男の子に1000万円贈与した60代男性 次男の子誕生で老後家計に暗雲
7/14(水) 15:00配信
(略)
「娘夫婦から『大学へ進む時に苦労しなくて済むように、エスカレーター式の私立に通わせたい』と懇願されました。たったひとりの大切な孫ですから、娘に教えられた教育資金贈与信託制度を利用して、500万円を銀行に預けました。自分たちが死ねばどうせ子供のところにいくお金だし、将来、孫にも感謝されるなら一石二鳥だなと。
ところが、そんな矢先に妻ががんに罹り、長い入院生活を強いられることに。高額療養費制度があるとはいえ、差額ベッド代などは対象外なので、月々の出費は相当なものです。自分もいつ大病するかわからないし、そうなったら老後資金が底をついてしまう。自分たちがいつまでも元気なつもりでいたけれど、それが大失敗のもとでした。500万円も出してしまったことを、本当に後悔しています」
教育資金贈与信託制度とは、30歳未満の孫などに教育資金を贈与する際、祖父母が金融機関と契約を結ぶことで、1500万円を限度として贈与税が非課税となる制度だ。
それで識者は、次のように指摘します。
>少しでも孫のためにできることがあるならと、ポンと大金を信託する人がいますが、慎重に決断する必要があります。もし思ったより長生きしてしまったとか、入院などで急にお金が必要になった時でも、教育資金の一括贈与は解約できません。いくら孫が可愛くても、自分の懐具合を考えて援助すべきです
いや、そんなん
>いくら孫が可愛くても、自分の懐具合を考えて援助すべきです
なんて当たり前じゃんとしかいいようがないですよね。それで記事の続き。
>子供や孫を平等に扱いたいという思いが、自分の首を絞める可能性もある。愛知県在住の60代男性はまさにそのケースだ。
「孫が長男のところのひとりっ子だけだったので、教育資金贈与信託制度を使って1000万円贈与しました。自分たちの老後資金を考えても、このくらいなら大丈夫かなと思っていたんです。
ところが昨年、ずっと子供に恵まれなかった次男の家に女の子が誕生しました。次男夫婦は『当然自分たちにも贈与してもらえる』と思っているはずだから、次男の娘のための贈与も考えなくてはならない。しかし、同じくらいの額となると、生活プランが大きく狂ってしまうのでどうしたらいいのか……」
こういっちゃ何ですが、そんなん「仕方ない」としかいいようがありませんよね。次男夫婦には、事情を話して、「申し訳ないが」というしかないでしょう。次男夫婦だって、社会常識のある人間だったら「仕方ない」と思ってくれるでしょう。思ってくれなくったって、自分の今後の生活プランを犠牲にしてまで孫を援助するわけにもいかんでしょうに。そこで無理やり援助すると、前記事で指摘した「孫に3千万円贈与して『貯金は底をついてしまったから、節約しながら細々と生きていくしかないわ。あと何年生活保護のお世話にならずに生きて行けるかしら』」なんて馬鹿なことをほざく人間になったり、「住宅購入支援の話がくる。長男に500万円贈与したので、当然、次男からも同じ金額を期待され、老後を万全にと貯めていた虎の子の1,000万円が泡のように消えた」あと住宅を手放す羽目になったり、もっとひどいのは、「月6万円の老齢基礎年金とわずかな貯金で、細々とアパートで一人暮らしをしていた」母親に、シングルマザーの娘が「『孫の大学入学金が払えない』と、Bさんのもとに、娘がお金を無心に」きて、約100万円の預金を渡して、生活保護受給者になったとかいうひどい事態になった(以上の2つはこちら)とかいうひどい事態になるわけです。だいたい「Bさん」のケースなんて、完全な老人虐待のレベルでしょうに。金を渡す「Bさん」といいそんな母親に金をもらおうとするシングルマザーの娘といい、どれだけ馬鹿で非常識なのか。
ともかく3000万円親に無心する子どももどれだけ非常識なのかだし、ろくでなしにもほどがある。援助する方も馬鹿もいいかげんにしろというレベルでしょう。子どもに1000万円贈与して家を売る羽目になった親だって、bogus-simotukareさんのコメントを引用させていただけば、
>親に住宅資金の援助なんか求めるな、親も依頼を断れ、資金援助が無くても住む家が無いホームレスになるわけでは無いだろ、つう話ですよねえ。
これが「1000万円贈与しても残りまだ1000万円ある」とかならまだしも。
というレベルでしょう。それではどうしようもない。
「孫破産」というのは、将来的には介護をしてもらおうという思惑があるので、そういうことでは「悪い」と一概に言うようなことでもないのかもですが、それにしたってねえ。子どもや孫に銭を出して、自分は経済的に困窮するなんて馬鹿にもほどがありますね。お話にもなりません。そのあたりは、「それはそれ、これはこれ」で割り切らないと行けません。そのへんこのブログの読者の皆様も、その轍を踏まないようにご注意ください。