記事にするのが遅くなってしまいましたが、俳優の山本圭氏がお亡くなりになりました。記事を。
>俳優の山本圭さんが肺炎のため死去 81歳 ドラマ「若者たち」「ひとつ屋根の下」などで活躍
[ 2022年4月25日 18:47 ]
ドラマ「若者たち」やシェークスピア劇などで活躍した俳優の山本圭(やまもと・けい)さんが3月31日午前9時20分、肺炎のため死去した。81歳。大阪府出身。所属事務所が25日に発表した。
所属事務所によると、通夜・告別式は、遺族の意向で近親者だけで執り行った。喪主は長女慧美(えみ)さん。
建築家だった勝巳氏の次男として生まれ、兄の學、弟の亘も俳優として活躍した。
1959年に俳優座養成所に入所。叔父の薩夫監督がメガホンをとった1962年の映画「乳房を抱く娘たち」で銀幕デビューした。
両親を亡くした兄弟の生きざまを描いた66年の青春ドラマ「若者たち」では三男の佐藤三郎役を好演。知名度をあげ、映画版では毎日映画コンクール助演男優賞を受賞。銀幕やテレビ、舞台など幅広く活動の場を広げた。
舞台俳優としては「ハムレット」「リア王」などのシェークスピア劇に出演。93年のフジテレビ月9ドラマ「ひとつ屋根の下」では江口洋介、福山雅治、酒井法子らが演じた「柏木兄弟」を支える「ゆきおじさん(広瀬幸夫)」を演じた。NHK大河「天地人」のほか、「白線流し」「リング~最終章~」「SP」シリーズなどのドラマで脇役として存在感を示した。
私生活では囲碁棋士だった小川誠子さん(2019年に死去)と1977年に結婚。誠子さんから囲碁の指導を受けたのが出会いだった。
山本氏の死も、発表がずいぶん遅かったですね。昨今の訃報は、そのような傾向が強くなっていると思います。
さてさて、山本氏というと、上の記事では、映画については、『若者たち』の紹介が主ですが、世間的には、1970年代前半に出演した『戦争と人間』『小林多喜二』『新幹線大爆破』といった、権力に虐げられる左翼の役というのに、ものすごくはまった俳優という印象が強いかもです。まあ昨今は、さすがに『SP 警視庁警備部警護課第四係』で首相を演じるなど、権力者の役も多かったかと思いますが。
それでたまたま、私のこのブログを執筆しているPCに、『新幹線大爆破』のDVDが入っていますので、そちらから写真をご紹介。DVDのキャプチャー画面です。
ファーストシーン、夕張で、山本氏演じる古賀勝が貨物列車に爆弾を仕掛けるシーンです。実際には、熊谷の秩父鉄道の車両基地でロケが行われました。
電話で報告をするシーン。実際には山本氏は夕張には行っていないと考えられるので、後ろの「夕張」という看板は偽装です。
計画を知ったゴロツキ(郷鍈治)と対応する山本氏です。別に説明する必要はありませんが、奥にいるのは高倉健さん。隣に、織田あきらの姿もあります。
千歳空港までタクシーできた山本氏です。このあとカメラがパンして空港を映すので、空港でのロケはしたようです。
羽田空港で北大路欣也の刑事のチェックをかわす山本氏です。
こんな風にして山本氏の出演シーンをすべてチェックしていてもきりがないので、以下さわりのみ。
警察に追っかけまわされる山本氏です。
負傷してアジトで寝転がるあたりは、まさに山本圭の真骨頂の演技かも。
覚悟の自爆をする山本氏です。
以下余談。この映画には、特別出演で田中邦衛が出演しています。
山本氏の兄の役で、これは『若者たち』を意識しています。
ところで『新幹線大爆破』に出演したのは、山本氏の役者人生においても、非常に貴重なものだったでしょうが、もともとこの役は、原田芳雄氏にオファーがあったのですが、原田氏が役を気に入らず断り、山本氏に回ってきました。原田氏は断ったのを後悔したそうですが、それが同じ佐藤純彌監督、高倉健主演の『君よ憤怒の河を渉れ』の出演につながりました。なお、原田氏は、イメージとは違いますが、大変な鉄道好きだったとのこと。
それにしても原田氏が演じたら、どういう古賀勝になりましたかね。たぶん山本氏ほどは左翼っぽくなかったでしょう。おそらく相当雰囲気の異なった映画になったかもです。ほかにも、菅原文太や高橋英樹、宇津井健の主人公だったらどうなのかなと思います。でもやっぱり、高倉の犯人役、宇津井氏の倉持は、外せないかな。この映画については、拙ブログでいくつか記事を書いていますので、興味のある方はお読みになってください。
「新幹線大爆破」についての面白いエピソード これは簡単すぎるよね(小林稔侍) 千葉真一が亡くなって、『新幹線大爆破』のメインキャスト3名が故人となった山本圭氏のご冥福を祈ってこの記事を終えます。なお下の記事で、山本氏主演の『小林多喜二』について取り上げていますので、興味のある方はご参照ください。また、山本氏の貴重なインタビュー記事もリンクします。写真は、2018年の山本氏です。
今井正監督の『小林多喜二』がソフト化されたことを知り、さっそく購入した