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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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非合法な手段やなんらかの不備、宝くじめいたもので入手した金は、投機性の高い投資や無謀な出店・愚劣な浪費など、あまり有効活用されない(佐藤忠志氏の高級車購入も同じ)

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ありがちな記事ですが、先日報道されたことを。

>釧路信用金庫で元職員が現金9700万円着服し懲戒解雇
05月20日 18時15分

釧路市に本店がある「釧路信用金庫」は、30代の元職員がATMを不正に操作し現金1億円近くを着服したとして懲戒解雇の処分にしたと発表しました。この元職員は「投資の損失の穴埋めや遊興費にあてた」と話しているということです。

「釧路信用金庫」によりますと、釧路市内の営業店に勤務していた30代の元職員は、現金管理責任者の立場を悪用して去年10月から先月までの半年間にATMを不正に操作し現金9700万円を着服していたということです。
先月6日、元職員が「隠しきれない」と同僚に話したことから不正が発覚し、調査に対して着服を認めた上で「投資の損失の穴埋めや遊興費にあてた」と話しているということです。
着服した現金のうち、1500万円あまりは返還したということです。
信用金庫は先月26日付けで懲戒解雇の処分にし、刑事告訴の準備を進めています。
釧路信用金庫は「深くおわび申し上げます。法令遵守と内部管理態勢の一層の充実と強化を図り、不祥事の再発防止に努めたい」とコメントしています。

それでこの記事を読んで「やっぱりな」と思ったのがこちら。

>投資の損失の穴埋めや遊興費にあてた

具体的にどういう投資なのかわかりませんが、多分ですが相当に投機性の高い投資なのでしょうね。自分の金では怖くてとてもできないようなものなのでしょう(苦笑)。いや、もちろん自分の金だってめちゃくちゃな投資とかをする人間もいますが、おそらく大抵の人間は、自分の金ではとでもできたもんじゃないという種類の投資には手を出しにくいでしょう。

世の中金融機関の人間などが金を着服するという記事はちょいちょい報じられますが、たとえばかつてゴム会社の社員がキャバクラ嬢に横領した会社の金を流した(しかし途中で無心をされるばかりで、会うことすらできなくなった)という話がありました。それで、この女は(おそらく)その金を別の男に流していたと推測されるわけで、横領した男といい、キャバクラの女といい、そしておそらくキャバクラの女から金を受け取っていた男だってどう使ったのかわかったもんじゃありません。こちらの記事を参照してください。

ほかにも炭鉱事故で莫大な補償金を受け取った夕張の暴力団の夫婦は、その金をこれまた高級車や無謀な出店で使い果たし、さらには今度は故意の火事で住み込みの労働者を焼き殺した後に得た保険金(1億円を超える額)を1か月で使い果たしたという話もあります(夕張保険金殺人事件)。

さらに最近話題の山口県阿武町での誤振り込み事件でも、ご当人はネットカジノでそれを使い果たしたと語っています。ただこちらの記事にあるように、

>決済代行業者の1つから山口 阿武町の口座に3500万円余 返還
2022年5月23日 5時59分 

山口県阿武町から誤って振り込まれた4630万円の給付金の一部を別の口座に振り替えたとして24歳の住民が逮捕された事件。
住民が給付金を3つの決済代行業者に繰り返し出金していたことがわかっていますが、このうち1つの業者から、3500万円余りが町の口座に返還されたことが捜査関係者などへの取材でわかりました。

山口県阿武町の無職、田口翔容疑者(24)は先月、町から振り込まれた国の臨時特別給付金4630万円について、誤って入金されたと知りながら、オンライン決済サービスで自分の口座から決済代行業者の口座にこのうちの400万円を振り替えたとして、電子計算機使用詐欺の疑いが持たれています。

警察によりますと、調べに対し「金はオンラインカジノで使った」などと供述しているということです。

田口容疑者は4630万円が振り込まれて以降、3つの決済代行業者に繰り返し出金していましたが、逮捕後の今月20日、このうち1つの業者から町の口座に3500万円余りが返還されたことが捜査関係者などへの取材でわかりました。

田口容疑者はこの業者に27回にわたって出金していて、返還されたのはその全額にあたるということです。

これについて、町は「現在係争中の事件なので、お答えは控えさせていただきます。あす午前、記者会見を予定しているので、きょうはコメントすることはありません」としています。

さらにこちらも。

>誤送金の9割「確保」 4299万円が町に―山口・阿武
2022年05月24日18時51分

 山口県阿武町が給付金事業で4630万円を誤送金した問題で、花田憲彦町長は24日記者会見し、誤送金の約9割に相当する4299万円余りを法的に確保したと明かした。

 誤送金と知りながら金の一部を使ったとして、電子計算機使用詐欺容疑で18日に逮捕された田口翔容疑者(24)の出金先の決済代行業者3社などから確保し、ほとんどが町の口座に入金されたという。未回収分は約330万円となった。
 田口容疑者の代理人弁護士によると、同容疑者は金を主にこの3社へ出金し、「カジノで全額使った」と話していた。
 花田町長は会見で、「発端が町のミスによる誤振り込みであることは間違いない事実」と謝罪。「引き続き公金の全額回収に向けて粘り強く努力していきたい」と語った。

これもなんだかよくわからないところが多いし、真相も現段階定かでありませんが、あまり前向きな金の使い方とは言えません。

そしてこれは、宝くじに当たった、あるいはそれに近いような形で金を得た人も同じでしょう。上の夕張の暴力団夫婦も、2回目は犯罪ですが、1回目は宝くじのようなものでしょう。かつてこんな記事を書きました。

「自分は例外だ」なんて考えないほうがいいのかもしれない(米国スポーツ選手の浪費と困窮について)

上は、米国の一部のエリートプロスポーツ選手の話ですが、やはり極端に高額な金を受け取ると金銭感覚が狂うというのは、洋の東西、現在も過去もかわりません。未来もたぶんそうです。

よりせこい話ですが、私が下の記事でご紹介したスコットランドの身体障害者である男性は、2か月で1200万円を使い果たし(そのため生活保護を打ち切られました)、さらにある未亡人は、歌手崩れの男に店を出させたはいいが、まったく経営が成り立たず、けっきょく全財産を使い果たし、生活保護受給者となって死にました。しょうがないよね、どっちも。自分の意志でそういう金の使い方をしたのだから。このような話は、枚挙にいとまがありません。

このような話はくりかえし読む価値がある(3月1日更新) 金をためられる人、財産を残せる人は、けっきょく金にシビアなのだと思う(追記あり)

さらに「またその人か」でしょうが、このブログに繰り返し登場する故佐藤忠志氏も、全盛期は年間2億円の収入があったようですが、ブームが去っても過去の金銭感覚を捨てられず、(たぶんみかねたのであろう)支援者(?)からリバースモーゲージのような形で家を買い取ってもらったら、その金で高級車を購入(現金で1億円払ったとのこと)、奥さんが家を出てしまい(それはそうだろと思います)、精神的に自暴自棄になってしまいアルコールと煙草に依存、生活保護受給者になり孤独死してしまったわけです。佐藤氏について興味のある方は、拙ブログで佐藤氏のことを取り上げた記事を参照してください。佐藤氏が最終的にそのような愚劣な金の使い方をした背景には、彼がおそらく極端な発達障害を持っていて、まともな生活ができない人間であるということもありますが、やはりある意味何の努力もせず(? という言い方はあまり妥当ではないかもですが、自宅を売るという行為は、苦労して得た金では、ご当人にはなかったのでしょう)に得た金であるのでそのような金の使い方をしたということなのでしょう。そのような側面はあるはず。ともかく

>非合法な手段やなんらかの不備、宝くじめいたもので入手した金

というのを、その人の人生、将来を見通す有益な金の使い方ができる人は、あまりいないのだろうなと思います。貯蓄に励む暴力団組長なんてのもいますが、これも昔と比べるとだいぶ厳しくなっているでしょうし、またそういう優秀な人間だから高い地位につけるのでしょうしね。

それにしてもどうしてこういうふうに、ろくでもない金の使い方をするのだというと、やっぱり自分の金でない、あるいは自分が苦労して得た金ではないからなのでしょうね(苦笑)。まーったくろくでもないとはこのことです。「悪銭身に付かず」とはよく言ったものです(笑)。生活保護費を横領した大阪府河内長野市の市役所職員が、その金を自宅に隠しておいたりまともな投資に運用していたというケースもありますが、そんな優秀な人間なら、もっとまともなことをすればいいのにね(これも苦笑。こちらの記事参照)。ただ生活保護費など公金を着服する職員は、やはりギャンブルなどに費やしている人が多いようです。つい最近の記事を。

>松崎町の職員、懲戒免職 公金153万円横領
2022.5.21

 松崎町は20日、公金を横領し私的に流用していた20代男性職員について、懲戒免職処分にしたと発表した。横領したのは遊歩道整備などを行う「南伊豆歩道運営協議会」の予算約153万円。2021年12月から22年3月まで、管理する口座から16回にわたって不正出金し、消費者金融の返済や遊興費に充てていたという。

 町によると、懲戒免職処分を受けたのは、町産業建設課主事の男性職員(22)。男性は当時、町企画観光課に所属し、同協議会の会計担当だった。通帳と印鑑を1人で保管し、町は出金事務を把握していなかった。後任者が4月に通帳を確認し不正が発覚した。
 男性は20年にも他部署で不適切な会計処理をしたとして、訓告処分を受けていた。深沢準弥町長は町環境改善センターで開いた記者会見で謝罪し、「管理方法が間違っていた」などと述べた。再発防止に向け、通帳と印鑑を同じ職員が管理する体制を排除し、上司による請求書などの入念なチェックを徹底するとした。
 町は男性の将来などを考慮し、刑事告訴しないという。監督責任として当時の課長を訓告処分にした。

ほかの記事によるとオンラインゲームの課金などもあったようですね。過去にも不祥事を起こしているようで、どうも人間的にもろくでもない野郎なのでしょう。ところでオンラインゲームにはまっていたらしい死刑囚も存在します。詳細はこちらの記事を参照してください。

ただこういうのもねえ、おそらくどっかで「依存」とか「自暴自棄」「発達障害」「精神障害」といったことが絡みますからね。ある段階まで行くと、破滅するまで止まらないというところがあるんでしょうね。夕張の死刑囚や佐藤氏やスコットランドの男性、歌手崩れに貢いだ女性などはまさに行きつくところまで行ったし、ゴム会社や信用金庫の人も、せめて身内で弁済できるところでやめていればまだよかったんですが、そこを過ぎちゃったら怖いものが(その時は)なくなっちゃいますからね。

いずれにせよ世の中悪いことはやらないに限ります。あたりまえですが、そのような当然の心理をかみしめて、今日の記事を終えます。


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