ちょうど安倍晋三が暗殺されて日本が騒然としていた時、この俳優の死を知りました。記事を。
>『ワイルドバンチ』L・Q・ジョーンズが死去、享年94歳
2022/7/11 23:00 (BST)
米俳優L・Q・ジョーンズが死去した。94歳だった。『ワイルドバンチ』など数々のウエスタン映画で知られたジョーンズが9日(土)、ハリウッドヒルズの自宅で家族に囲まれる中息を引き取ったことをジョーンズの孫がピープルに明らかにした。死因は自然死だったという。
1955年のラウール・ウォルシュ監督作『愛欲と戦場』で映画デビューを果たしたジョーンズは、その後『ワイルドバンチ』『昼下がりの決斗』『ダンディー少佐』『砂漠の流れ者』など数々のウエスタン映画で活躍した。そんなジョーンズは生前、自身の演技の才能を「神から授けられた贈り物」と語っていた。
ジョーンズはウエスタン映画以外にも、初監督作品となった1975年のSF作『少年と犬』では脚本と製作も担ったほか、『カジノ』『パトリオット』『マスク・オブ・ゾロ』といった有名作品に出演、最後の出演映画はメリル・ストリープやウディ・ハレルソン、リンジー・ローハンと共演した2006年のコメディ作『今宵、フィッツジェラルド劇場で』だった。
L・Q・ジョーンズというと、「サム・ペキンパ―の映画に出ていた人」というイメージが強いし、事実私もそう思いますが、それ以外でもけっこう印象に残る鋭い演技を見せてくれる俳優さんでした。私が好きなのは、やはり『カジノ 』ですかね。この作品で彼は、パット・ウェッブという賭博管理委員会の人物を演じています。声を荒げるとかはないのですが、その迫力はさすがでした。ロバート・デ・ニーロと面談するシーンでは、彼を完全に食っていたんじゃないのかな。
この写真には、ジョーンズ氏のサインがありますね。
現代を舞台にする映画でも、カウボーイハットをかぶっているのが、彼のお約束です。
『刑事コロンボ』にも出演していました。『策謀の結末』での、車ディーラー兼武器ディーラーの演技は絶品でした。
『ワイルドバンチ』でストローザー・マーティンと。マーティンとは、『砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード 』でもコンビを組みました。
『ワイルドバンチ:』で、自分たちの雇い主(鉄道会社)に、酒をくれと頼むシーン。右にいるのは、ロバート・ライアン。
『ワイルドバンチ』と『カジノ』のクレジットを比較すると、時代の推移と製作者のジョーンズ氏への敬意がうかがえるというものです。
なお、彼は本名をJustus Ellis McQueen Jr.といい、デビュー作の役名を気に入り芸名にしたとのこと。日本でいえば「早乙女愛」のパターンですかね。偶然ながらペキンパー映画の常連であるスティーブ・マックイーンと姓が被ることはなかったわけです。
というようなことを考えていたら、またまた「おいおい」です。こちらの方も亡くなってしまいました。記事を。
>英国俳優デヴィッド・ワーナーが死去、「タイタニック」「戦争のはらわた」など出演
2022年7月26日 13:29 98 9
映画ナタリー編集部
イギリスの俳優デヴィッド・ワーナーが死去したと、IndieWireなどが報じた。
ワーナーはがんとの闘病の末、ロンドンの療養施設で現地時間7月24日に息を引き取った。80歳だった。遺族は「この18カ月間、彼は独特の優雅さと威厳をもって自分の診断に臨みました。彼は、私たち、彼の家族、友人から非常に惜しまれ、心優しく寛大で思いやりのある男性、パートナー、そして父親として記憶されることでしょう。私たちは心を痛めています」と声明を発表している。
ワーナーが出演した映画は220本以上に及び、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「オーメン(1976年)」「タイタニック」などがある。またサム・ペキンパーの監督作「砂漠の流れ者」「わらの犬」「戦争のはらわた」にも参加した。
(情報提供:IndieWire / VM / ゼータ イメージ)
以上『砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード』より。
『わらの犬』より。
『戦争のはらわた』より。
デヴィッド・ワーナーの場合、聖職者も絶品、知的障害者をやらせても絶品、ドイツ軍人をやらしてもすごい、といった人です。さすが英国の舞台で鍛えられた人です。
そう考えていて、嫌な予感がしてほかの人も調べていたらこれまた「おいおい」です。もはやかんべんしてくれというレベルです。ボー・ホプキンスまで亡くなっていたとは。
>『アメリカン・グラフィティ』 ボー・ホプキンス氏が死去
5/31(火) 15:14配信
ジョージ・ルーカス監督作『アメリカン・グラフィティ』などで知られたボー・ホプキンス氏が心臓発作で死去。享年80歳。
50年以上に渡るキャリアを通し、テレビや映画で悪者と善人100以上の役柄を巧みに演じ分けたその演技力でも知られた。サム・ペキンパー監督による1972年作『ゲッタウェイ』のほか、『ワイルドバンチ』や『キラー・エリート』にも出演。ロン・ハワード監督による『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』が、最後の出演作となった。
(アフロ)
『ワイルドバンチ』では、頭の悪い若手の強盗団のメンバーを演じ、仲間から見捨てられるという役柄です。ラスト、主人公たちが無謀な戦いに挑む背景には、最初に彼らが若手を見捨てた悔恨みたいなものも背景にあります。彼は、ペキンパーの映画では、必ず最初の方で死ぬ役というので知られています(苦笑)。私がペキンパー以外で印象に残る役どころは、『ミッドナイト・エクスプレス 』での領事館かどっかの人物、あと上の記事にもある『アメリカン・グラフィティ』ですかね。彼の遺作は、ロン・ハワード監督作品(ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌 )とのことで、となると『アメリカン・グラフィティ』での共演相手ということになりますね。ハワードは、この時は「ロニー・ハワード」名義でした。日本でもそうかもですが、米国では、この映画に出た俳優という報道がされているようですね。
『アメリカン・グラフィティ』より。となりは、リチャード・ドレイファス。
『ミッドナイト・エクスプレス』より。
なお上でご紹介した写真は、私がネット上で集めたものと、自分でDVDからスクリーンショットを撮ったものがありますことをご了解ください。L・Q・ジョーンズ氏、デヴィッド・ワーナー氏、ボー・ホプキンス氏のご冥福を祈って、この記事を終えます。