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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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死人に口なしとはこのことだ(こんなことに黒澤明や中村哲を持ち出すな(呆れ))

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bogus-simotukareさんの記事で知ったのですが、こういうのもほんと「死人に口なし」ですよね(呆れ)。

今日の産経ニュース(2022年8/29分)

その記事に引用されている産経の記事です。

【産経抄】8月29日 - 産経ニュース

>「夢」は、「七人の侍」「生きる」など数々の傑作を撮った監督が晩年、スティーブン・スピルバーグの支援を得て世に送り出した佳品である。黒澤が夢に見た狐(きつね)の嫁入りや原発爆発などを8つの話にまとめているが、「水車のある村」は、夢に出てくるほど美しい。

▼主人公(寺尾聡)が、清らかな川が流れる村を通りかかると、さんざめきが聞こえてくる。寺尾が「今日はお祭りなんですか」と村の長老(笠智衆)に尋ねると、葬列だという。笠はこう語る。「よく生きて、よく働いて、ご苦労さんと言われて、死ぬのはめでたい」。

▼二人は老いも若きも楽しげに笛を吹いたり、踊ったりしている葬列に加わる。ただそれだけの話なのだが、忘れ難い。

これ以降は会員登録が読むのに必要ですが、その落ちがこちら。すみません。以下、私が記事から直接写します。

>安倍晋三元首相の「国葬」をめぐって賛否両論かまびすしいが、2億5千万円の経費をさも無駄遣いかのように扱い、反対デモで故人を口汚くののしる「文化人」と称する人々の言い分を垂れ流す新聞やテレビはおかしい。長年国家に貢献し、非業の死を遂げた人物を国という共同体が礼を尽くして送るのは当たり前。故人が大嫌いだったとしても黙って見送るのが、大人のエチケットだろう。

ぜんぜん黒澤明の映画と関係ないじゃないかよ(呆れ)。

そもそも黒澤は、『悪い奴ほどよく眠る』なんていう汚職事件をネタにした映画を作ったくらいで、別に自民党政治万々歳の人間でもないでしょう(苦笑)。いや、私はもちろん黒澤が、選挙の際どこの政党に入れていたか、選挙で投票したかどうかかなんてことは知りませんが。あるいは、これは地方公共団体を舞台にした映画ですが(ちなみにモデルは川崎市とのこと)、『生きる』なんてのも官僚主義批判の映画でもあり、それは現体制批判でもあるでしょう。

もちろん黒澤は、今井正山本薩夫のような共産党員ではないし、山田洋次降旗康男のような共産党の支持者でもないでしょうし、また大島渚のように共産党とも一線を画している左翼・左派系の監督でもありませんが、さすがに自民党政権を産経レベルで支持していたなんてことはないでしょう(苦笑)。まーったく死人に口なしにもほどがある。黒澤に失礼にもほどがあるというものです。

こんなことでは山田洋次が亡くなった後、自民党政権を擁護するために山田洋次の映画を引っ張り出すくらいのことを産経はしかねないのではないか(苦笑)。いや、そこまではしないのかもですが、この記事はそういうレベルでしょ、正直。産経もねえ、さすがに黒澤が現役だったら、こんな無礼な記事は書かないでしょうね。死んでからほぼ四半世紀たったからこんなめちゃくちゃ書いているのでしょう。ほんと非常識きわまりない連中です。

だいたい『』での葬式は、国葬ではもちろんないし、いわゆる村(?)の公金が支出されたものではないでしょうに。仮にそうだとしたって、フィクションのかなり寓話化された葬式と現実の葬式を一緒にしてどうする(呆れ)。まったく呆れ切った文筆詐欺師です。問題の本質は、公金を支出した国葬なるものを出すことが妥当かどうか、安倍はさまざまな不祥事、不悉末をしでかしている政治家であり(彼が殺されたのだって、けっきょくそういうことでしょう)、国葬なんぞをするような人物なのか。そもそも国葬というもの自体いろいろな問題がないかということでしょうに。

しかしそれにしてもこの産経の記事ひどいよね(苦笑)。産経のいつもの手口ではありますが、お話にもならない愚劣さです。

>2億5千万円の経費をさも無駄遣いかのように扱い

正真正銘の無駄遣いじゃん(当たり前)。

>長年国家に貢献し、非業の死を遂げた人物を国という共同体が礼を尽くして送るのは当たり前。

てめえ、村山富市‎氏や福田康夫‎氏、鳩山由紀夫‎氏や菅直人氏‎、あるいは首相経験者ではありませんが、河野洋平氏らにも同じことを言うのかです。絶対そんなこと言わないだろ。これがたとえば宮本顕治氏にいたっては、敬称すらつけなかったんじゃなかったっけ? 不破哲三氏や志位和氏が亡くなったとして、どういう評価を下すんだか。

>故人が大嫌いだったとしても黙って見送るのが、大人のエチケットだろう。

上に同じ。産経ほど、嫌いな連中を罵倒しまくるマスコミはないでしょうに。どんだけ盗人猛々しい嘘つきなのか(呆れ)。

さてさて、これは産経ではないですが、高世仁のこちらの記事はどうか。これもbogus-simotukareさんの記事よりネタをいただきました。

統一教会と日本会議 なぜ「共闘」できるのか?2 - 高世仁のジャーナルな日々

高世仁に悪口する(2022年9/6日分)

>利他的な行為を「私はいいことやってます」と意識せずに自然体でやれるのに感銘を受ける。中村哲医師にも通じるところだ。

 (1行省略)

 あ、中村さんで思い出したが、中村哲医師こそ「国葬」に値する人だったと思う。

はあ? ですよね(苦笑)。bogus-simotukareさんもご指摘なように、

>「国葬は弔意の押しつけ(共産党)」という立場に立てば、そもそも「特定の人間を国葬にすること自体」がおかしいのであり、高世は「アホか」ですね。

ということでしょうに。だいたい中村哲氏は、生前自分が死んだら国葬にしてほしいなどとは希望していなかったでしょう(苦笑)。

世の中「国葬」というものにわりとハードルの低い国というものはあり、たとえばフランスでは、シャルル・アズナヴールらが国葬になっています。しかし日本は決して低いわけではない。中村氏が国葬になる可能性などないし、そもそも中村氏自身、日本国の方針とは無関係な行動をしているわけで、こんなことを書くこと自体きわめて中村氏に無礼であることくらい理解しないのか。どんだけ無神経なのか。高世は中村氏を強く評価しようとこのようなことを書いているのでしょうが、筋ちがいにもほどがある。Wikipediaによれば

>2019年12月23日、政府は中村への旭日小綬章の追贈と内閣総理大臣感謝状の授与を決定。27日に行われた授与式で内閣総理大臣・安倍晋三は遺族と面会し、「(中村さんは)アフガニスタン国民や難民のための医療活動、かんがい事業などで輝かしい業績を上げ、国際人道支援に多大な貢献をした」と生前の功績を称えた。授与式の後に遺族は取材に応じ、「本当は無念で残念だが、みなさまの支援で継続してアフガニスタンで緑の大地が広がっていくことを願っている」「ぺシャワール会はこれからも継続していく。父も何より願っていることで、家族もそれが願いです」と語った。授与式には駐日アフガニスタン大使のバシール・モハバットや、ペシャワール会の村上優会長らも立ち会った。

とのことですが(注釈の番号は削除)、遺族の人たちだって、そういうことを積極的にありがたく思ったかどうか怪しいものじゃないですかね。いや、実際のところよくわかりませんけど。いずれにせよ中村氏の行動は、そういう政府ほかの評価とは次元の違うことで評価する性質のことでしょう。

まあマジ論すれば、田中均氏のような人物こそ、ほんと「国葬」に値する人間だと私は思いますが(彼は、日本政府の方針をおし進めた人物だしね)、現実には彼は国賊扱いされたし(その片棒を高世もかつぎました)、田中氏とは正反対のベクトルで物事をすすめた安倍晋三のような馬鹿でクズが国葬になる。これでは、国葬されるなんて末代までたたる恥というものでしょう。高世には、たぶんそんな認識もないのではないですかね。お話にもなりません。

以上、bogus-simotukareさんの2つの記事から記事のヒントをいただきました。感謝を申し上げます。またこの記事のカテゴリーは本来なら「社会時評」かもですが、「映画」の記事を増やしたいので「映画」とすることをお許しください。


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