だいぶ以前の記事で恐縮ですが、こちらを。地方紙の記事ですが、共同通信の配信と思われます。
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藤井聡太五冠、名人初挑戦 将棋A級プレーオフ制す
将棋の渡辺明名人(38)への挑戦権を懸けた第81期名人戦A級順位戦のプレーオフは8日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、藤井聡太五冠=竜王・王位・叡王・王将・棋聖=(20)が広瀬章人八段(36)を破り、初挑戦を決めた。藤井五冠は7番勝負で最年少名人を目指す。
名人奪取の最年少は谷川浩司17世名人(60)の21歳2カ月。7番勝負は4月5、6日に開幕し、最終の第7局は6月27、28日に予定されている。7月19日に21歳を迎える藤井五冠がシリーズを制すれば、20歳の最年少名人が誕生する。名人戦は将棋界で最も伝統がある。
(2023年03月09日 00時18分 更新)
個人的には、名人戦挑戦を勝ち取れば、藤井聡太の名人奪取は堅いと考えていたので、このプレーオフで藤井が勝った時点で、これは藤井名人誕生確実だなと思いました。むしろこのプレーオフに勝つほうが難しいはず。こちらによると、このプレーオフ前で、藤井と広瀬章人の戦績は、藤井の10勝3敗ですが、それでも昨年暮れに行われた竜王戦で、広瀬は4-2で敗れたものの、2勝はしています。一発勝負だから、勝ち負けはわからない。しかしこういうところでしっかり勝っちゃうのが藤井のわけです。
そして事実上名人戦の前哨戦(といったら、主催社には悪いですが、実質そうなっちゃいました)となったといって過言でない名人でもある渡辺明との棋王戦で、予想通り藤井は勝ちました。記事を。
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藤井聡太五冠 棋王戦制す 史上最年少で六冠 29年ぶり記録更新
2023年3月19日 23時25分
将棋の八大タイトルの1つ「棋王戦」の第4局が栃木県で行われ、藤井聡太五冠(20)が渡辺明二冠(38)に勝利し、6つ目のタイトルとなる「棋王」を獲得しました。これで、羽生善治九段(52)以来、史上2人目の「六冠」達成となり最年少記録も29年ぶりに更新しました。
将棋の八大タイトルの1つ「棋王戦」五番勝負は挑戦者の藤井五冠が渡辺二冠を相手にここまで2勝1敗とし、タイトル獲得に王手をかけていました。
第4局は19日、栃木県日光市のホテルで行われ、序盤は互いに淡々と駒組みを進めますが、以降はあとがない先手の渡辺二冠が中央に跳ねた2枚の桂馬を中心に攻め手を積極的に繰り出します。
対する後手の藤井五冠は守りを固めて反撃の機会をうかがっていましたが、終盤、持ち駒を次々に繰り出し、鋭い攻撃を展開して追い詰めていきます。
そして、午後7時24分、渡辺二冠が132手までで投了。
藤井五冠が3勝1敗で「棋王戦」を制し、竜王、王位、叡王、王将、棋聖に続く6つ目のタイトルを獲得しました。
渡辺は、棋王戦終了時点で、藤井との対戦成績を藤井の19勝3敗と、きわめて苦手にしています。たぶんこの名人戦は、渡辺にとって、まさに棋士生命をかけるすさまじい戦いとなると思います。そして上にも書いたように、たぶん渡辺は負けて、藤井に名人位を明け渡すでしょう。しかしここは、渡辺には、あっさりは負けてほしくありません。渡辺としても、今回の名人戦で、広瀬が挑戦者になってくれればと考えなかったと言ったらうそでしょうが、といってやっぱり名人戦で自分が藤井と戦うのは宿命だろうなと考えてもいたはず。ここは、藤井を大いに苦しめて、それで名人位を明け渡すのであれば明け渡してほしいところです。羽生善治が藤井に挑戦した王将戦で、藤井はそれまで羽生に7勝1敗で勝ち越していまして、正直私は、4-0、でなければ4-1で藤井防衛と考えていましたが、それでも羽生は4-2といい勝負にもっていきました。渡辺も、4-3は難しくても、4-2くらいはいってもらえればです、というのは渡辺に失礼にもほどがある言い方ですが、現実問題としては、渡辺は藤井にたぶんかなわない。それは承知で、しかし渡辺は、まさに渾身の将棋を見せてくれるはず。それを期待します。いや、私はどちらかというと、ぜひ藤井に勝ってほしいのですが(苦笑)、ここは勝負事ですから、渡辺にもほんとがんばってほしい。名人戦の日程はこちらより。
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第81期名人戦七番勝負 日程と会場
第1局 4月5、6日
「ホテル椿山荘東京」(東京都文京区)
第2局 4月27、28日
「浮月楼」(静岡市)
第3局 5月13、14日
「高槻城公園芸術文化劇場」(大阪府高槻市)
第4局 5月21、22日
「麻生大浦荘」(福岡県飯塚市)
第5局 5月31、6月1日
「緑霞山宿 藤井荘」(長野県高山村)
第6局 6月13、14日
「常磐ホテル」(甲府市)
第7局 6月27、28日
「天童ホテル」(山形県天童市)
個人的には、第6局まで行くかがポイントだと思います。たぶん第7局は、開催されないでしょう。