過日こんな記事を書きました。
(そのような人間はたくさんいるとはいえ)地元でない自治体における自分への期待に負けたか?(福井県職員の着服)で、記事を書いていて「あ、そういえば、ちょっと前、窃盗した元アスリートの警官いたっけなあ」と思い出しました。こちらの記事で取り上げた人物ですね。
いくらなんだって、こんな目立つ警官が泥棒なんかしなくたっていいと思うその記事で引用した逮捕の記事を再掲します。NHKの記事で、すでにリンク切れです。
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会社事務所に侵入し窃盗か 28歳警察官を逮捕 茨城 坂東
07月14日 15時22分
茨城県坂東市の駐在所に勤務する28歳の警察官が、市内の会社の事務所に侵入して現金などを盗んだとして逮捕されました。
逮捕されたのは茨城県警境警察署地域課の巡査で、坂東市内の駐在所に勤務していた横山尭世容疑者(28)です。
警察によりますと、今月10日、坂東市の自動車修理会社の事務所に1階の窓ガラスを割って侵入し、現金およそ3万7000円などを盗んだとして、建造物侵入と窃盗の疑いが持たれています。
13日会社が被害に気付き、連絡を受けた警察が防犯カメラの映像などを調べた結果、横山巡査が関わった疑いがあることが分かったということです。
巡査は、去年3月から駐在所に勤務していて、事件当日は非番だったということで、調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているということです。
茨城県警本部の青柳信明首席監察官は「警察官がこのような犯罪行為で逮捕されたことは極めて遺憾で、被害者をはじめ県民の皆様に深くお詫び申し上げます。今後、捜査の結果を踏まえ厳正に対処します」とコメントしています。
で、この横山という人物ですが、その後
>窃盗などの罪で逮捕・起訴の巡査 懲戒免職処分に 県警本部
09月09日 17時29分
茨城県坂東市内の会社に侵入して現金などを盗んだとして逮捕、起訴された境警察署の巡査について、茨城県警察本部は9日付けで懲戒免職の処分にしました。
懲戒免職の処分を受けたのは、境警察署の坂東市内の駐在所に勤務していた横山尭世巡査(28)です。
巡査はことし7月に坂東市内の会社に侵入して現金などを盗んだとして逮捕され、先月、窃盗などの罪で起訴されました。
また、坂東市内の別の会社にことし5月にも侵入して金品を盗もうとしていたとして、先月、窃盗未遂などの疑いで逮捕されましたが、検察は9日、この件については不起訴としました。
警察の調査に対し巡査は「生活費や、スマホのゲームに課金するためのお金が欲しかった。被害者の方には大変申し訳ないことをした」などと話しているということです。
茨城県警察本部は青柳信明首席監察官は、「警察官としてあるまじき行為であり、被害者の方や県民の皆様に深くおわび申し上げます。これを厳粛に受け止め、人事管理を徹底し、再発防止に万全を期するとともに、信頼回復に努めてまいります」としています。
ということになったわけです。そして裁判では
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警察官事務所侵入窃盗、元茨城県警境署員が起訴内容認める 巡回中に現金の場所確認 水戸地裁支部
2022年10月7日(金)
勤務する駐在所管内の事務所に侵入し現金などを盗んだとして、窃盗と建造物侵入の罪に問われた元境署地域課巡査で古河市、無職、横山尭世(あきよ)被告(28)の初公判が7日、水戸地裁下妻支部(荻原惇裁判官)で開かれた。横山被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
冒頭陳述で検察側は、横山被告が7月2日、参院選に伴う巡回業務で坂東市幸田の事件現場を訪れた際、被害者から現金が保管されている場所を聞いていたことを明らかにした。
検察側は、今月中旬にも余罪1件を追起訴する方針を示した。
起訴状などによると、横山被告は坂東市幸田の飯島駐在所に勤務し、7月10日午前2時20分ごろ、駐在所近くの自動車修理会社の事務所兼作業場に窓の施錠を外して侵入し、机の引き出しにあった現金約3万5200円などを盗んだとされる。
事件後、県警は横山被告を懲戒免職処分にしている。
次回公判は11月22日で、追起訴分を審理し結審する予定。
という報道がされましたが、これ以降については、私は報道を確認できていません。すでに判決になっていてもおかしくはないのですが。それはともかく、この人物の犯行の動機が、
>スマホのゲームに課金するため
ってのが、「おいおい」ですよね。Wikipediaには記事がありませんが、2020年に死刑が確定した死刑囚は、
>携帯電話のソーシャルゲームへの課金のための浪費が原因で消費者金融に約120万円の借金があり、携帯電話・電気・ガスを料金滞納で止められていた。
群馬県前橋市内で高齢者を次々と襲い2人を殺害、1人に重傷を負わせた。
というわけです(注釈の番号は削除)。そんなにこの手のゲームってのは、依存性が強いんですかね。たぶんそうなんでしょうが、私は生まれてこの方したことがないし、現段階する意思もありませんが、こんなことではますますかかわりあいたくありませんね。
死刑が確定した死刑囚は、詳細はここでは書きませんが、家庭的に極めて恵まれない人物でした。それに対してこの元警官はねえ、居住地での広報にも登場して、奥さんも出ているし、また奥さんは、おめでたであることも書かれています。だいたいご当人駐在所勤務であり、駐在所というのは、原則家族ぐるみで勤めるものですから(最近はそうでもない場合もあるとのことですが)、おそらく彼もそうであり、そんなにひどい家庭生活だったということでもなかったのではないか。仮に悪かったのであれば、それは課金ゲームのせいではないですかね。すべてとまではいわずとも、多少なりとも理由にはなりえそうです。
それでご当人の柔道選手としての実績ですが、こちらによると、
>國學院大學→茨城県警
2012インターハイ優勝
2012エクサンプロヴァンス優勝
2013ブレーメン国際優勝
ですからね。大学生以降は伸びきれなかったのかもですが、高校生でインターハイ優勝なら、ことによったらオリンピックだって狙えるくらいの才能の持ち主でしょう。おそらくですが、彼は、柔道の弱い国の代表よりは、ずっと強いくらいの実力の持ち主でしょう。そんな人間がねえとは思います。もっとも京都府警でも、やはり柔道関係の警官が、ひどい不祥事を起こしたことがあります。Wikipediaにも「梅北亘」と項目があります。注釈の番号は削除します。
>柔道選手を経て京都府警の警察官となる。
柔道は5歳の時に守口東部少年柔道教室で始めた。守口市立第一中学校から京都共栄学園高校に進むと、2年の時には全日本カデ50kg級で優勝を果たした。しかし、世界カデでは5位に終わった。3年の時にはインターハイの60kg級に出場して5位だった。全日本ジュニアでは55kg級で優勝すると、世界ジュニアでも決勝でフランスのカマル・フィクリを袖釣込腰で破り優勝を果たした[。
2015年には山梨学院大学へ進学した。1年の時に全日本ジュニアでは3位に終わり、2連覇はならなかった。3年の時には全国体育系学生柔道体重別選手権大会の60㎏級で優勝した。
学生時代を経て2019年4月に京都府警察本部に術科指導員の特別枠で採用されるも、警察学校で初任教養中の7月に窃盗や大麻取締法違反の疑いで逮捕。同年8月5日には京都府警察から懲戒免職の処分を受ける。
とあります。なんでご当人警察学校にいる間に窃盗とか大麻をいじったのか見当もつきませんが、たぶんそもそも警官なんぞになる人間ではなかったのでしょう。こちらによれば、懲役2年執行猶予3年の刑を言い渡されたとのこと。
いずれにせよ警官というのは、それ相応に責任がある仕事なのだから、もう少しまともな人間であってほしいと思います。うんなもん、京都の元警官は、そもそも資質に欠けるとか出来心だったのかもしれませんが、茨城の人物は、駐在所にいたのだから、そんなにひどい人事評価でもなかったはず。しかし彼も、窃盗をしたときは完全に精神が狂っていたのでしょうね。これではどうしようもないにもほどがあるというものです。お話にもなりません。ギャンブルや課金ゲームにはまる警官も少なくないのでしょうが、せめて民事の次元で食い止めてほしいものです。