今日は違う記事を用意していたのですが、やはりこの件は記事にしないとね。記事を。
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藤井聡太王将が最年少名人に 史上2人目の7冠も達成 名人戦
長野県高山村の山田温泉「藤井荘」で指された第81期名人戦七番勝負の第5局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、高山村地元主催、大和証券グループ協賛)は1日、初挑戦の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖=が渡辺明名人(39)を破り、対戦成績4勝1敗で名人位を奪取した。藤井新名人は20歳10カ月で40年ぶりに最年少名人獲得記録を更新、史上2人目の7冠を達成した。
これまでの最年少獲得記録は谷川浩司十七世名人(61)の21歳2カ月だった。7冠は1996年の羽生善治九段(52)以来。
藤井新名人は愛知県瀬戸市出身。5歳で将棋を覚え、小学4年の時、関西奨励会に入会。2016年10月、史上最年少の14歳2カ月(中学2年)で四段に昇段、プロ入りした。同年12月のデビュー戦から29連勝し、公式戦連勝の新記録を樹立。20年7月には棋聖戦で初タイトルを獲得し、17歳11カ月の史上最年少タイトルホルダーとなった。以後、登場したタイトル戦を全て制し、名人獲得で通算15期。毎年8割以上の驚異的な勝率で、記録を塗り替えてきた。
初参加の今期名人戦七番勝負は渡辺名人の誘導で定跡から外れた力将棋が続いたが、抜群の対応力で名人を圧倒。第3局を落としただけで、将棋界の頂点に上り詰めた。7冠を維持したまま、残る王座を獲得すれば、前人未到の8冠独占を達成する。【新土居仁昌、丸山進】
藤井聡太新名人の話
まだ実感はないんですけど、名人獲得は非常にうれしく思います。とても重みのあるタイトルだと思うので、今後それにふさわしい将棋を指さなければという思いです。
渡辺明名人の話
負けた将棋が特にチャンスも少なかったので、こういう(名人失冠という)結果になるのは仕方がない。この3年くらいのタイトル戦の戦いを見ていると、力が足りなかったと思いますね。
もう1つ。
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藤井聡太竜王が史上最年少名人に 地元はくす玉を割り祝福
中野龍三 佐藤圭司 西田理人 村瀬信也 照井琢見 斉藤佑介 高津祐典 北野新太2023年6月1日 19時39分
渡辺明名人(39)に藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせ六冠=が挑戦している第81期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局が1日午前、長野県高山村の「藤井荘」で前日から指し継がれ、藤井竜王が勝利した。
【1日目詳報】藤井竜王、さらに5分考えて封じる 直前に指した渡辺名人
藤井竜王は20歳10カ月での名人獲得となり、谷川浩司十七世名人(61)が1983年に達成した史上最年少名人(21歳2カ月)の記録を40年ぶりに更新した。さらに羽生善治九段(52)が96年に全七冠制覇を達成して以来、史上2人目の七冠となった。渡辺名人は敗れると、2004年に20歳で竜王を獲得して以来、19年ぶりの無冠になった。
渡辺名人の先手で始まった対局。1日目は過去4局と同じように、定跡型ではなく力戦型になった。
将棋界の枠を超えた注目を集める七番勝負。朝日新聞デジタルはタイムラインで徹底詳報する。
18:55
地元はくす玉で祝福
「おめでとう!」
(以下有料部分)
私はこの件で、前に記事を書いています。
本日から始まる将棋の名人戦は、藤井聡太の勝利が固いと思う(といっては申し訳ないが、渡辺明につけこむ隙はないのではないか)まさにタイトル通りになりましたね。これは誰でも、私でなくても、そうだろうなと予想できたしやっぱりそうなったわけです。
私は上の記事で、
>個人的には、名人戦挑戦を勝ち取れば、藤井聡太の名人奪取は堅いと考えていたので、このプレーオフで藤井が勝った時点で、これは藤井名人誕生確実だなと思いました。むしろこのプレーオフに勝つほうが難しいはず。こちらによると、このプレーオフ前で、藤井と広瀬章人の戦績は、藤井の10勝3敗ですが、それでも昨年暮れに行われた竜王戦で、広瀬は4-2で敗れたものの、2勝はしています。一発勝負だから、勝ち負けはわからない。しかしこういうところでしっかり勝っちゃうのが藤井のわけです。
と書きました。そしてそうなったわけです。
藤井にとって、名人戦に勝つよりも、広瀬とのプレーオフに勝つ方が難しかったわけです。いま藤井が七番勝負(最初に4勝したほうが勝ち)を戦えば、たぶん負ける可能性はないと言ったら言い過ぎですが、非常に低い。それに対して広瀬とは、プレーオフの段階で、藤井の10勝3敗のわけで、これは広瀬の23%の勝率です。藤井と広瀬が七番勝負をして広瀬が勝つ可能性はたぶん1%もない。しかし1発勝負なら、2割強の実績はあったわけです。そう考えると、このプレーオフが実質的な名人戦だったのだなと思います。いや、広瀬が挑戦者になったのなら、渡辺明とどっちが勝つかわかりませんが、藤井が出たら勝負はわかっちゃいます。そしてやっぱりそうなったわけです。
それでは、藤井以前に最年少の名人だった谷川浩司の話を。引用はこちら。
>藤井聡太に記録抜かれた谷川十七世名人「複雑な思いあったが、光栄」
(略)
1996年の王将戦で羽生善治九段(52)が当時のタイトル全7冠を独占した。羽生九段との違いについては「羽生さんの7冠は私が最後の挑戦者だったが、圧倒的強さを見せていた羽生さんでも終盤での逆転勝ちが時々あった。こちらが(途中まで対局を優勢に進めながらも終盤などに)技術的なミスで負けたこともあれば精神的なミスで負けたこともあったが、ミスを修正すれば五分に戦えるというものがあった。しかし、最近の藤井さんを見ていると、弱点とか、ここをこう修正すれば五分に戦えるというものは見えない」と舌を巻く。
藤井新名人は8割3分台の驚異的な勝率をキープしている。「羽生さんでも3勝1敗のペースだったが、藤井さんは5勝1敗のペース。そういう人に五番勝負で3勝、七番勝負で4勝することはちょっと考えられない。名人位も長く保持する可能性がある」と藤井新名人の「長期政権」を予測した。
谷川が語るように、藤井の強さは、なんか異次元ですね。8割3分の勝率というのも、現在藤井が戦う相手は、ものすごく強い棋士が多いわけです。棋士によっては、デビュー時からしばらくは凄い勝率を稼ぐ人がいますが、当たり前ながら勝ち続ければ強い棋士に当たるようになるし、またこれまた当然ながら各棋士もみな徹底的に研究して対策を練ります。そうなったら、どんな棋士でもなかなか勝ち続けられるものでもない。しかし藤井は、そんな常識を超越しているわけです。すごい人っているものだです。そして、下の表は、藤井のWikipediaに掲載されていた表です。最新の藤井の名人位奪取時のものです。
表を見てわかるように、藤井は現在タイトル戦不敗です(驚)。表からわかるように、前出の谷川、米長邦雄、佐藤康光、森内俊之、加藤一二三といった人たちは、タイトル戦に登場しても、半分未満のタイトルしかとれていません。これは、谷川、佐藤、森内といった人たちは、つまりは羽生善治にやられたわけです。米長や加藤は、中原誠や大山康晴といった人たちにかなわなかったということです。このままだと藤井は順調に8冠王になり、再来年には渡辺と並び超える可能性もある。もちろん現段階それは狸の皮算用ですが、現実性や蓋然性の低い皮算用でもないでしょう。中原とは、49タイトル差、大山とは65タイトル差です。常識的には大差がまだついていますが、この藤井の強さですと、そんなに法外な数字とは思えないのがなんとも。もちろんここのまでの強さがどれくらい続くかはわかりませんが、谷川も語っているように、いまのところ藤井がタイトル戦で負けるというのはちょっと見えてきませんね。相当しばらく彼の強さが続くのではないか。
大谷翔平とかなど、世の中別格のすごい人、天才みたいな人がいます。大谷は、「マンガみたいな人」というイメージが無きにしも非ずですが、藤井も、マンガを超越していますね。ここまで強いと、マンガにもならない。強すぎてつまらない。大谷も、こんな人間マンガに描いても、大谷以前の「プレ大谷」の時代なら、こんな人間いるもんかでおしまいです。
余談が過ぎましたが、私のような将棋ファンにとっては、ほんと藤井の動向は興味深いですね。彼および将棋の関係については、適宜記事を書いていきますので、乞うご期待。