昨日の報道を。
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SWレイア姫役キャリー・フィッシャーさん死後7年、最後の作品「ワンダーウェル」ようやく公開
[2023年6月18日11時14分]
16年12月に急死した米映画「スター・ウォーズ」シリーズのレイア姫役で知られる女優キャリー・フィッシャーさんが出演した最後の作品が、死後7年たって、ようやく公開されることになった。
米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、亡くなる1カ月以上前に撮影を終えていたファンタジー映画「ワンダーウェル」が、23日に米大手映画チェーンAMCの一部劇場で限定公開される運びとなったという。メガホンを取ったヴラド・マーサヴィン監督は、撮影から公開まで7年かかった理由について、キャリーの突然の死や新型コロナウイルスの感染拡大による影響、視覚効果に時間がかかったことなどをあげ「今こそ(キャーリーさん演じる役)ヘイゼルとしての彼女の魔法のような瞬間をスクリーン上で共有する絶好の機会です」と語っている。
キャリーさんがレイア姫を演じたのは「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(17年)が最後で、19年に公開された「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」では過去の撮影済み素材を使ってレイア姫をよみがえらせていた。(米ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
以下、記事の感想というほどではありませんが、印象に残ったことを。上の写真のキャプションに次のようにあります。
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1978年 スター・ウォーズの公開を前に来日会見を行う当時21歳のキャリー・フィッシャーさん、右はハリソン・フォード
キャリー・フィッシャーは1956年10月21日生まれで、キャプションにもあるように当時21歳です。だからもちろん喫煙自体に問題はありませんが、ただたぶん現在なら、仮に彼女が2023年の時点で21歳なら、少なくとも記者会見での喫煙はNGでしょうね。ハリソン・フォードは1942年生まれですのでもちろん煙草を吸うこと自体に問題はありませんが、これも、2023年に三十台半ばである彼は、記者会見で煙草を吸うかどうか。
同じ話を何回も書きますが、1980年代くらいまでは、日本の映画もテレビも、ドラマでの喫煙シーンはきわめてありふれていました。当時は社会全体に、成人男性たるもの煙草くらい吸わなければ一人前じゃないくらいの考えすらありました。だから当時未成年の不良は、喫煙を(わざと)したわけです。Wikipediaによると、
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JTの調査の推移をみると、日本での成人男性の喫煙率は1966年の83.7%をピークにほぼ一貫して減少を続け、2018年では27.8%となっており、成人女性も1966年の18.0%をピークに少しずつ減少を続け、2018年では8.7%となっている。なお、JTの調査は1965年から始まったもので、それ以前は、戦後の復興と生活水準の向上とともに喫煙率が上昇していた可能性はあるものの、確かなことはいえない。
とあります(注釈の番号は削除)。同じ項目にある表によると、1990年は日本人男性は平均して53.1%の喫煙率、最も高い30代は63.3%とあります。95年の調査では、まだ半数以上が喫煙していますが、2000年の調査では半数を切り、そのまま低化傾向が続いています。女性の方はまた違ったトレンドですが、紹介はこの記事では略します。
前にこのような記事を書きました。
昔(1987年)は、赤ん坊の隣で女性が(平然と)煙草を吸っていたようなシーンがあったのだなと思った(『マルサの女』)1987年公開の『マルサの女』の中で、主人公の宮本信子は喫煙者という設定でした。この記事のコメント欄で、bogus-simotukareさんは、
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「男性の喫煙、飲酒」はともかく、昔はむしろ「女性がたばこを吸う(あるいは酒を飲む)なんて!」という「意識(女性はおしとやかであるべき)」があったように思いますね。
映画的には「そうした意識への突っ込み」的な思いもあったのかもしれない。何せマルサは映画において「完全な男社会」ですからね。
とご指摘になっています。おそらくそういう意味合いが、監督・脚本の伊丹十三の考えとしてあったのだと思います。当時の日本では、女が煙草を吸うということに、(以下、ジェンダー的にどうかという言葉が出てくることをご了承ください)「女だてら」「男勝り」「男社会への異議申し立て」みたいなものがあったのでしょう。それが、私が上の拙記事で指摘した。
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宮本信子の隣の席に、赤ん坊がいます。彼女はその赤ん坊に微笑んだりしているのですが、その隣で煙草を吸い始めるのです。
という、現代の感覚ではさすがにまずいと考えられるシーンにもつながるわけです。
そして現在喫煙というのは、想像以上に嫌がられています。法律上も非常に規制が厳しくなってきている。少なくとも『スター・ウォーズ』みたいな映画の出演者が、記者会見で気楽に煙草を吸っていられる時代ではない。ほんと、過去の写真だなと思います。それで、私はこの記事と記事の写真を見た瞬間にそう思ったのですが、やはり同じことを考えた人は多かったようですね。Yahoo!ニュースのコメント欄でも(以下IDほかは省略)、
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記事の内容とは関係ありませんが、写真でキャリー・フィッシャーとハリソン・フォードが二人とも煙草を吸っていることに二人が若いこと以上に時代を感じました。
レイア、インディ二人揃ってタバコを吸いながらインタビューに答えるレアな写真。当時は違和感がなかったのかな?
どうしても二人のタバコに目が行っちゃうよね~ 時代を感じる写真ですね。
2017年6月19日、キャリー・フィッシャーの遺体を検視した結果、その体内からは大量のアルコールと共に、コカインやMDMAなどといった薬物が検出された。検視によると、発作までの3日間、コカインを摂取していたことが判明している・・・とウィキペディア 記者会見のタバコくらい、への河童ですわ。
といったように、拙記事と同趣旨のコメントが多いわけです。要するにこの写真からは、だいたい同じような印象を観な受けるということなのでしょう。まさに時代ですね。 当方喫煙は嫌いなので、それ自体は大変いいことですが、上に引用したコメントにもあるように、たぶんキャリー・フィッシャーは、死ぬまで相当ドラッグに耽溺していたので、喫煙なんぞなんでもなかったのでしょうね。それもどうかです。 というわけで、いまどき喫煙なんてさらに肩身が狭くなる一方ですから、いま喫煙している人も、近いうちにぜひ禁煙をどうぞ。そういえば70~80年代の『江戸川乱歩の美女シリーズ』で、天知茂演じる明智小五郎が、禁煙したり節煙したりするとかしないとかいうのが(助手の文代に迫られる)、お約束のシーンであり、また当時は児童向けのマンガでも、父親が禁煙をしようとする(しかしたいてい失敗する)というのもお約束のギャグでしたが、当時はそういうことが「ユーモア」「ギャグ」になりましたが、そんな時代もはるか彼方に飛んで行ってしまったということです。