パチンコ屋で行方不明になった子どもが、図書館で行方不明になっていたら、たぶん親はあそこまで叩かれはしなかったはず

5月に、2003年に行方不明になった大阪府の吉川友梨さんの事件から20年ということで、いくつか報道がありました。たとえばこちらなど。

私もそういった報道をいくつか読んでみまして、それと関連して、だいぶ以前のとある行方不明事件を思い出しました。これも、行方不明になった日が近くなっているので、いくつかの報道がされていますね。

太田市パチンコ店女児失踪事件

なおこちらのNHKの記事は、わりとよくまとまっているのでおすすめです。2021年のものです。

証言 当事者たちの声“あのとき目を離さなければ” 横山ゆかりちゃん誘拐事件から25年

Wikipediaから、事件の概要を引用します。

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事件当日は日曜日で、太田市に住む当時4歳の女児（以下Y）が両親と共に午前10時30分頃にパチンコ店に来店した。Yは父に景品の花火が欲しいといい、父は花火を手に入れるためにパチンコに躍起になってしまった。Yは両親がパチンコを始めると店内を無邪気に歩き回ったが、母の忠告で店外には出ないように言われていた。午後1時30分頃にYが母に「〜のおじちゃんがいるよ」と言った。この時母はついて行かないように言ったという。この時がYの存在が確認された最後であった。その10分ほどの後、母が父のところに駆け寄りYがいなくなっていたことが判明した。

上の概要からわかるように、この両親は、子どもを連れて3時間パチンコ屋で夫婦そろってパチンコを打っていたわけです。この家の家庭環境や親の教養が知れます。実際この事件の後、パチンコ屋は、子連れの来場を嫌がるようになります。

で、パチンコ業界の反応はともかくとして、この夫婦には、「子どもをパチンコ屋なんかに連れて行くんじゃねえよ！！！」と激しい罵倒がぶつけられることとなります。

地方都市って、ギャンブルくらいしか娯楽ないからなとかいう人もいるかもですが、いずれにせよほめられたものではない。それにしても夫婦そろってパチンコねえ。困ったものです。おそらくこの夫婦は死ぬまで「パチンコ」という言葉を聴くだけで、過去の愚行がフラッシュバックするのでしょうからね。店内を映像で観たり、街のパチンコ屋の近くを通り過ぎるだけでも、ひどい後悔と苦しみを覚えるはず。ご当人らの不徳のいたすところとはいえ、それは確かに気の毒ではあります。

それで最近土日に地元の図書館を夕方あたりに利用していると、利用者が家族連れであることが多いことに気づきます。親子で図書館に来て、子ども（未就学児だったりします）と一緒に絵本などを借りる。小学校でも高学年は少ないと思いますが、それでも中学年くらいの子どもも親と一緒に利用してることもあります。さすがに男の子でなく女の子が多いようです。

で、私は思うわけです。「図書館で行方不明になったのなら、あの両親もここまで罵倒はされなかったのだろうな」と。

そういっちゃみもふたもないのレベルの話ですが、でも事実でしょう。最初にとりあげた吉川さんは、下校時の行方不明ですから、どういういきさつで不明になったかはわかりませんが、とりあえず親（保護者）に何らかの責任があるわけではない。小学生の下校に際して、常に大人が見ているというのは現実的でない。そして図書館というのは、「教養施設」「文化施設」であり、基本的に子どもを連れて行くことは情操教育といった部分をもふくめて好ましいことと世間では解釈されます。図書館というのは、行って他人から嫌な顔をされるところではない。が、パチンコ屋もそうですが、公営ギャンブル場などは、（当然ながら）子どものお呼びの場所ではない。図書館で、仮に親になんらかの管理不行き届きがあって子どもが行方不明になっても、たぶんパチンコ屋で子どもが行方不明になるほどは、世間は親を非難しないでしょう。

もちろん親は、「あの時図書館に連れて行かなければ」とか後悔するのでしょうが、図書館なら世間は仕方ないと考えてくれそうです。もっとも特に1996年（児童が行方不明になった年）ころは、防犯カメラなどもしっかりついているパチンコ屋のほうが、セキュリティでは好ましかった可能性もあるかもですが、親がパチンコを打ちまくっていて、車にいた子どもが死んだなんていうニュースも定期的に流れるような状況では、やっぱりパチンコ屋なんぞに子どもを連れて行かないに限ると思います。当たり前ですが、そう思います。

余談：この記事を執筆していて、タグに「＃パチンコ」「＃パチンコ屋」「パチンコ店」というのをつけたら、拒否されました。パチンコ関係というのは、そんなに（道徳的に？）よろしくないと（少なくともgooからは）解釈されているんですかね。参考までに。