今年も京都市の京都府京都文化博物館で、映画『祇園祭』が上映されます。祇園祭の時期に例年公開されます。今年は、16日と17日、24日に上映されます。この映画は、京都府が著作権を、京都市が上映権を保有しており、例年この時期に公開されるわけです。権利関係が複雑なのでソフト化されておらず、貴重な鑑賞の機会です。ただ門外不出というわけではありません。Wikipediaから引用すれば、
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そうした一方で大手映画会社の主導ではなく、新たに設立された独立プロの日本映画復興協会による自主製作であったため、五社協定に縛られた映画会社の枠にとらわれず、東映、東宝、松竹出身のスター俳優が進んで参加し、フリーの新劇俳優も加わり、豪華で異色な配役となった。また、群衆シーンのエキストラとして、京都市民も数多く参加している。
というわけで、1968年という、大映の倒産、日活のロマンポルノへの移行、東宝なども俳優を自社で抱えられなくなるなどの事態に陥る直前における、大手映画会社が今までのやり方を通せなくなる時代を象徴する映画ということにもなりそうです。これもWikipediaから引用すれば、
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1967年5月に芸能ライターの竹中労が『祇園祭』の映画化を再企画し、西口克己を通じて京都府に持ちこみ、7月に革新系の蜷川虎三知事のもと京都府が府政百年記念事業の一つとして全面的に支援することが決まり、製作が具体化した。
というものであり(注釈の番号は削除)、原作者の西口克己氏も、共産党員であり京都市議会議員、京都府議会議員を歴任した人物であり、そう考えると共産党の影響の強い映画ということなのかもしれません。
今年も観にいくつもりであり、この時期の京都をはじめとする関西旅行も定番になりました。私は、例年少なくとも桜と夏、紅葉の時期(年3回)に京都に行っていることになります。これはたぶん死ぬまで続けることになるのだろうなと思います。
上のポスターの写真は、左から田村高廣、中村錦之助(のち萬屋)、三船敏郎であり、中村(萬屋)は、東映を、三船は東宝を代表するスターでした。そして松竹の岩下志麻が出演しているというあたりも、やはりエポックメイキングな映画ということになるのでしょう。なお、配給は、松竹が行いました。また錦之介は、この映画に中村プロダクションで協力しているので、プロデュースも兼ねているわけです。クレジットでは、本名の小川矜一郎名での筆頭プロデューサーです。ほかにも志村喬、渥美清、高倉健、小沢栄太郎、美空ひばりにいたるまで、新劇や歌手もふくめた超大物が出演しているのも非常に貴重です。ぜひどうぞ。