こんな記事を読みました。
「1回だけ」が家庭を崩壊させる!?専門家が「崩壊する家庭のパターン」を解説
で、要所を引用します。
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もしも生活に困るくらいお金がなくなったら、あなたはどうしますか?「借金のある家庭の相談にも多く乗っていますが、自己破産や債務整理に陥る人は、驚くくらい皆、同じことを言うんです」と節約アドバイザーの丸山晴美さんは言います。
丸山さんが実際に見た「お金に困って破綻する人のパターン」を聞きました。
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自己破産した人に多い「1回だけのつもり」パターン以前、借金のある家庭の再建をするという仕事で、借金を抱える多くの人から話を聞いたことがありました。その時、皆が口を揃えて言っていたことがあります。
それは「消費者金融は、初めて行くまではすごく怖かった」ということ。でも、生活に行き詰まり、「1回だけのつもり」で数万円借りたら、「怖さがなくなって、借りることの罪の意識もなくなってしまった」と。
そして生活に困るとすぐに消費者金融へ行くようになり、自分が借りられる「融資枠」が、だんだん自分の貯金のように思えてくるそうです。でも、融資枠を借り切った頃には返済できなくなり、別の消費者金融で借りて返済するという自転車操業に陥ってしまったと、驚くくらい皆、同じパターンでした。
そして、自己破産や債務整理をすることになってしまうのです。
借金が別にいけないわけではありません。借り方によっては、危機を乗り切るのにとても有効です。問題はどこから、どのように借りるかです。「1回だけ」からずるずると……のパターンが、驚くほど多いことを知っておきましょう。
なるほどねと思います。前にこのような記事を書きました。
やはりこの事件も、繰り返しの犯行の末の発覚だ(元国会議員のJR券詐取の詐欺行為) あらためてギャンブルほかの依存症の危うさに驚く(3月14日0時00分ごろ更新) よろしくないことをする人物は、懲戒されてもまだ懲りない(場合もある) そのような安易な考えで、特殊詐欺や強盗なんぞをするかという気はする。 悪いことをするとそれが癖になり、すぐばれることすら思うにいたらないことがある 勝田清孝死刑囚ほどではなくても、消防士もわりといろいろな不祥事をしでかしているほかにもいろいろと記事を書いていますが、ともかく1度なんらかの理由でハードルを越えると、次はその障壁が低くなってしまうということです。もちろん犯罪と借金は違いますが、やはりどちらも、最初にするのは相当に精神的に負担が大きいということは確かでしょう。
借金というのは、するのならきっちり返済の見込みと計画を立てなければいけません。それをちゃんとしないと、某野球選手のようになりかねません。
「現実を検討する能力が著しく劣る」というのは、ろくでもない人生を送る人間に共通するところなのだと思う小川博は、
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引退後には年俸700万円でコーチの職につき、この時点では住宅ローンが1000万円残っているだけだったが、浮気もあって当時の妻と離婚すると、離婚の2カ月後にはクラブで知り合った女性と再婚。2人の子供も授かった。だが、前妻への慰謝料や前妻との子供の養育費に加えて派手な生活をやめることができずに球団内でも借金を重ね、母に預けてあったプロ入り時の契約金4200万円もすべて使い果たした。それでも妻にさえ見栄を張って借金があることを言えず、40歳で球団を解雇された時には消費者金融などからの借金が1700万円に。自己破産して一度は清算したものの、これを機に妻がお金の管理をするようになり自由に使える金がなくなると、当時就職していた会社の慰労会用にと渡されていた10万円のうち3万円を私的に流用した。この3万円を妻に言えず、すでに自己破産していて消費者金融では借りることができないため法外な利子を取るいわゆる“闇金”で借金するようになった。
(中略)
結局、小川受刑者は“闇金”での借金を別の“闇金”で借りて返すことを繰り返すようになり、元金10万円に1週間で3万円の利子がつくことも。母親に内緒で実家を担保に借金したほか、借金を返すはずの借金をパチンコで使ってしまうなど悪循環。最後は利息3万円を含む4万3000円を“闇金”業者に支払う期限の午後7時まで40分に迫ったところで会社の会長宅に押しかけ、家政婦に4万円の借金を断られると暴力をふるって気絶させ、その間に175万円を盗む犯行に。さらに気絶している家政婦の女性を車に乗せ、気がつきそうになると何度も殴った末に川へ遺棄するに至った。
という始末です。ギャンブル依存症とかもありましょうが、つまりは闇金での借金も厭わなくなってしまったわけです。ほかにも人間やばいところへ一歩を踏み出すと、そのままずるずると転落していった事例には事欠かない。借金も、もちろん闇金でないまともな利率と契約によるものであっても、かなりリスクといい精神依存といい、やばい側面があるのではないか。たぶんギャンブルなどもそういうところがあるでしょう。前に私は、このような記事を書きました。
佐藤忠志氏らのような全財産を使いつくした人たちとの対比が興味深い(子どもの有無は決定的だったのだろう)その記事で引用したように、ある男性は、ギャンブル依存症と思われる女性と親しくなってしまい、それで1000万円以上を溶かしてしまったわけです。この男性は、それ以前はギャンブルをあまりしなかったようですが、その女性の気をひきたいということで付き合っているうちにいつのまにかエスカレート、ご当人までギャンブルにはまってしまったわけです。これではお話にもなりません。いろいろな考えはあるでしょうが、全財産を失う前にご当人の精神が限界を超えてしまい、暴力沙汰になったことは、私の考えでは、この男性にとってはむしろ幸いでした。
ともかく最初の1歩で、精神的な障壁が下がる、あるいはもろくなるということはあるのでしょう。これは、酒や煙草のような(制限付き)合法ドラッグもそうでしょうし、あるいは合法と違法のグレーゾーンがある性関係などもそうかと思います。
犯罪は論外だし、酒や煙草は、嫌いなら関係しなければいいですが(昔は、成人男子なら酒や煙草をやらなければだめだくらいの雰囲気がありましたが、そういったことは昨今だいぶなくなってきたとは思います)、性というのは、たいていの人間はやはり無縁というわけにはいきません。金銭を媒介にした性行為というのも、単純に悪いというわけにもいきませんしね。世の中売買春を合法とする国もあるし、日本は買春のほうは犯罪にならない(以上、未成年との買春や、不同意や暴力がかかわるものは除きます)。こういうことを書くのは気が引ける部分もありますが、世の中金銭を媒介にしないと他人(とりあえず異性や同性でもどちらもありえます)と性関係を構築できない人もいます。
借金は、安易にするべきではありませんが、家を作ったり車を買ったりするときは、やはりローンを組む場合もありますからね。車はまだしも、不動産となると、多くの人間は、額の多寡はともかくローンをする必要があるでしょう。借金自体は悪ではありませんが、やはり返す必要はある。私は幸い現状借金はありませんが、といって一生無縁でいられるという保証もない。するのは仕方ないとして、安易な借金は絶対したくありませんね。したら絶対返さないといけない。だから他人の保証人などにもなるわけにもいかない。幸い私は、人徳がないのでいまだ借金の保証人になってくれと頼まれたことはありません。いずれにせよ私に、そんなことを頼む人間の保証人にはなれません。というわけで読者の皆さまも、借金はしても歯止めのある借金をしましょう。私ももちろんそうします。
私に「保証人になってくれ」と頼む人間の保証人にはなりたくない