過日こんな記事を読みました。
女子少年院の在院者は100%性的虐待を受けている…非行の一端は「虐待被害にある」と考えるべき理由
詳細な内容については、記事に直接あたっていただくとして、一瞬「え」とタイトルを読んだとき思いました。が、すぐ「そうだろうな」とも思いました。下の事件などは、その典型でしょう。
この事件は、Wikipediaから引用すれば、
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Xが両親の性交を目撃する事もあり、さらにはXが8歳から10歳の頃には兄がXに性器を舐めさせるという性的虐待を行っていたという。
という状況だったようです。さらにこちらによれば、
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それだけではない。少年の育った家庭において、もっとも深刻なものは、性的な問題だった。「これほどの性的問題を抱えた家族を、私は知らない」と教授は断言する。
少年の家庭では、父親の所有するアダルトコンテンツを少年が目にすることのできる環境にあり、また両親の性交を少年が目撃したこともあるという。さらには「兄が母親に性的な行為をしていた」こともあった。
「兄が母親の胸を舐める、母にマスターベーションの手伝いをさせるなどしていた。児童相談所はそれを理由に兄を一時保護している。また少年が8歳から10歳の頃まで、兄が少年に自分のペニスを舐めさせるといった行為があった。母は少年にディープキスをして『ヨーロッパやアメリカでは普通にするんだよ』と言っていた」
母親は「うちは性にオープンな家庭」だと、かつて精神科医に説明していたという。また少年が精神科に入院している際に、アダルト雑誌を差し入れようとして見つかったこともあった。兄は調書に「母親が弟の性的興味を助長した。母と関わっているとおかしくなってしまう」と語っている。
少年には“人前での強迫的な自慰行為がやめられない”という特徴も見られ、かつて施設でも“施設内で人目を憚らず自慰行為をしている”と報告があったそうだ。彼が自慰行為を始めたのは、小学校低学年の頃。「子の性的行動としては極めて早熟」であると教授は証言している。
これには、さすがに精神科医の教授すらも、
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これほどの性的問題を抱えた家族を、私は知らない
というくらいのひどい例でかなり極端な事例ですが、最初の記事でも紹介されている石巻3人殺傷事件では、死刑が確定している人物(少年犯罪で死刑が確定しました)は性的ではありませんが、ひどい虐待歴がありますし、これまた著名な少年犯罪である西鉄バスジャック事件などもしかり。彼は、論外のひどさのいじめにあっていました。で、この記事の筆者である熊本大学教授の岡田行雄氏は、
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たしかに、被害を受けても非行に走らずに大人になり、その後も犯罪と無縁の生活を送る人もいます。しかし、そのような人は、そもそも体力や知力といった能力、さらには被害を埋め合わせてくれる親や周囲の人々に恵まれ、あるいは、さまざまな支援制度の恩恵にあずかったから、非行に走らずにすんだだけなのではないでしょうか?
とお書きになっています。そうなんだろうなと思います。福岡で女性を刺殺した少年は、どう考えても、
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そもそも体力や知力といった能力、さらには被害を埋め合わせてくれる親や周囲の人々
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支援制度
といった条件に恵まれているようには思えません。
永山事件などの戦後を代表する有名な少年犯罪なども、おそらく永山則夫氏に生育時にそれ相応の支援が与えられていれば、あそこまでひどい事件にはならずに済んだ可能性がある。もちろん(少年犯罪ではありませんが)大牟田4人殺害事件や附属池田小事件、大阪姉妹殺害事件(これは、死刑になった事件は少年事件ではありませんが、犯人は少年時代に母親を殺害しています)などのような、犯人が完全にパーソナリティ障害の持ち主と言わざるを得ないようなケースも多々あるわけですが、支援があれば死刑になるほどひどくはならない人もいるわけで、そういう支援は充実させなければいけないでしょう。日本で犯罪などが減ってきている背景には、そのような支援が手厚くなってきているという側面は絶対あるはずです。私も以前記事を書いたこの人物などは、おそらく死刑になるほどひどい人間ではないはず。現在彼は、東京拘置所で死刑執行を待つ身分です。
このような生い立ち、境遇の人間が死刑となる犯罪をしてしまったということは、ある程度は社会の問題でもあると思うなお引用した記事のもととなっている岡田教授の本はこちらです。私も読んでみよう。