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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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「推し」のたぐいというのも、ホストへの入れ込みみたいなもので、依存性があるのだと思う(ともかく依存性のあるものはものすごく怖い)

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先日読んだ記事を。


クレジットカード情報不正利用し「投げ銭」購入した疑いで逮捕
09月07日 21時22分

大手旅行会社に勤務していた50代の元電話オペレーターが、客のクレジットカード情報を不正に利用し、ライブ配信を視聴する際の「投げ銭」を購入していたとして、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されました。
調べに対し容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、大手旅行会社「JTB」の名古屋市内の店舗で、電話オペレーターとして勤務していた山口恵理子容疑者(55)です。
警察によりますと、ことし5月から6月にかけて、客のクレジットカード情報を不正に利用して、ライブ配信を視聴する際の「投げ銭」の購入代金およそ68万円を支払ったとして電子計算機使用詐欺の疑いが持たれています。
これまでの調べによりますと、電話オペレーターとして勤務中に知り得た、あわせて25人の予約客のクレジットカード情報を不正に利用し、870万円余り分の「投げ銭」を購入していたとみられるということです。
調べに対し容疑を否認しているということです。
JTBによりますと、ことし6月にクレジットカード会社から連絡を受けて調査を行い、懲戒解雇の処分にしたということで、「お客様にご迷惑とご心配をおかけして深くおわび申し上げる。再発防止に全力で取り組んでいく」とコメントしています。

投げ銭」ですか。Wikipediaから引用すれば(注釈の番号は削除)、

また、2010年代後半以降にはインターネット用語として、動画共有サービスなどコンテンツネット配信者に対する送金・寄付を意味する「投げ銭(なげせん)」「ネット投銭(ネットなげせん)」も派生した。

であり、さらに「ネット投銭」ではより詳細に説明されていますので、興味のある方は乞うご確認。なおこちらの記事によると、

山口容疑者は、ライブ配信アプリの「ミクチャ」で、女性アイドルにいわゆる“投げ銭”をしていたとみられている。

とありますので、今回逮捕された人物は、同性を応援していた模様。

さすがに愛知県警も、クレジットカードの不正使用であり証拠もきっちり押さえているでしょうし、いくらご当人が否認していたとしても言い逃れができるとは思えないので、ご当人が犯行をしたというのは確実と判断したうえで記事を書きますと、こんなことに「870万円余り」ではねえ、どうしようもありませんね。で、私が思い出したのが、こちらの記事でご紹介した女の件です。

そのような安易な考えで、特殊詐欺や強盗なんぞをするかという気はする(追記あり)

> 

裁判の証言などから分かった犯行に至るまでの経緯は次の通り。女性は専門学校を卒業後、神戸市内で保育士として働いていたが「子どもとの接し方がわからなくなった」といい、悩んだ末に半年足らずで退職した。その前後で女性の精神的な支えとなったのが、TikTok(ティックトック)に出てくる男性のモデルだった。その後、スマートフォンの画面越しで見つめるだけでは飽き足らず、イベントに参加するようになった。
 1回のイベントに費やす金額は5万~20万円ほどで月に2、3回、東京を中心に参加した。保育士をやめた後、温泉施設のパートや、メンズエステの夜勤のバイトなどをしながら費用を捻出したが足りず、手を出したのが消費者金融だった。だが返済もやがて滞るようになり、家族が立て替えるまでに陥った。
 2022年3月ごろ、それでもイベントに参加しようと、短期間でまとまった金額を稼げる方法をスマホで調べていたところ、ツイッターで見つけたのが「アルバイト」だった。

5万円~20万円を月2、3回も使っていたら、金が足りるわけもありませんが、この女は、消費者金融で金を借りて返済が滞り、家族の立て替えまで受けました。ここで人間おしまいだの段階でしょうが、それでもイベントに行きたくて、特殊詐欺をしてしまったわけです。法廷での供述を。

―警察に逮捕されなかったらどうしていたか。
 「バレなければ続けようと思っていました」
 ―報酬は何に使ったか。
 「120万円くらいはイベントの参加に使いました」

さすがに「おいおい」ですが、ご当人この時は気が狂っていたのでしょうね。実刑判決が確定して現在服役中です。

で、「推し」ばかりでなく、どうもこの種のものには、強い依存性があるようですね。こちらの事件はどうか。

柔道での日本的な選手だった警察官が、課金ゲームにはまって窃盗をしているのではどうしようもないというものだ

警察の調査に対し巡査は「生活費や、スマホのゲームに課金するためのお金が欲しかった。被害者の方には大変申し訳ないことをした」などと話しているということです。

たかがゲームへの課金で、現職の警官がそんな窃盗なんかしなくたっていいだろうと思いますが、そうでもないのか。ないのでしょう。さらにもっとひどいのがこちら。

このような生い立ち、境遇の人間が死刑となる犯罪をしてしまったということは、ある程度は社会の問題でもあると思う

また、土屋被告の生い立ちや事件までの経緯が明らかになった。小学生の時、机に花瓶を置かれる「葬式ごっこ」の標的にされ、机に「ばい菌」などと落書きされた。中学校では所属していた野球部内で持ち物を隠されたり、ボールをぶつけられたりした。当時入所していた児童養護施設の職員や学校の教員に相談したが、その後も変わらなかったという。2014年9月に警備会社を辞めて、ひきこもり生活をしていた。借金70万円を抱える原因となった課金ゲーム上では、チャット機能を使い、ゲーム利用者と趣味や日常生活の愚痴を話していたと明かした。ただ、「ゲーム以外でそういう話ができる人はいましたか」と問われ、「いませんでした」。さらに虐めにあった経験から「どこかに相談することは考えられなかった。考える気がなかったのかもしれません」と述べた。

この人物は、2人のご老人を殺めて、現在死刑執行を待つ身分です。ゲームだけではありませんが、ゲームも強盗殺人をする動機であったのは間違いない。

死刑に値する犯罪となるとさすがにやや話が極端になりますが、ジャニーズとか宝塚歌劇団とか、あるいはAKBや地下アイドルに入れ込んでやたら散財しちゃう人もいるしね。キャバクラの女の幼稚な嘘のために会社から金を横領する馬鹿もいるわけです。そのキャバクラ嬢だって、男に貢いでいたんだけどね(苦笑)。

「勧進帳」「大本営発表」「キャバクラの女への横領した金のつぎ込み」みたいなものだ

ホストに狂うのも、またひどいですよ。こちらの記事はどうか。

800万円を泣く泣く工面「地獄です」 我が子のホスト通いに悩む親

毎日新聞 2023/8/24 16:00(最終更新 8/24 20:13) 1615文字

 25歳の娘が家を出る時、いつも通りに「いってらっしゃい」と声をかける。それが、つらくてたまらないと夫婦は言う。「娘が何をしに行くか、分かっていながら見送るんです。地獄ですよね……」。娘は行き先を言わないが、2人は知っている。収入を得るために働く性風俗店か、そうでなければホストクラブだ。

(中略)

 25歳の娘と向き合う夫婦も7月以降、何度か相談に訪れた。妻は専業主婦、夫は会社勤めでいずれも50代。東京近郊に住んでいる。娘が1年半で歌舞伎町のホストクラブにつぎ込んだ金額は1000万円。夫婦が肩代わりした分だけで800万円を超える。

 初めて娘のホスト通いを知ったのは2022年の年明けだった。「借金が80万円あり、返済のためにお金を貸してほしい」と相談された。ホストクラブへの支払いのために消費者金融から金を借りたという。

 会社員だった娘は、月々の給料から返すとも言った。その年の夏にも同じようなことがあった。「はまったわけじゃない」と言われ、2度とも頼まれた額を貸した。

 しばらく止まっていたホスト通いが再び始まったのは、23年に入ってからだ。職場の人間関係や残業、ストレスから再び足が向いたようだった。娘はやがて会社も辞めた。

 今春以降、何度か「売り掛け(ホストクラブへの借金)がある」と、金を貸してくれるよう頼まれた。数十万円から、多いときには200万円近く。夫婦は「これが最後」と思いながら、その度に金を工面した。

(後略)

ギャンブルと同じで、こういう時親とかが借金を返すのがいちばん悪いのですが、そういうこともあまり知られていないしねえ。親が居直っちゃえばいいのですが、そうならないのが弱いところで、いろいろな人間が、そのような人間の弱さに付け込むわけです。まったくどうしようもない。

ともかくこのような依存性のあるものは、まったく常識が通用しませんから素人が下手にかかわると事態がさらにまずくなります。先日の記事でも紹介したように、

窃盗癖というものは、かくのごとく他人の期待や情けを裏切り、迷惑をかける(性犯罪、アルコール依存、ギャンブル依存その他もご同様)

一方、4月に教頭が万引きし、警察から事情聴取を受けた際、上司の校長が身元引受人になっていましたが、校長が教育委員会に報告していなかったこともわかりました。

 校長は「教頭が泣きながら『絶対にもう二度としません』と話したため、報告していなかった」と話しているということで、堺市は22日付で教頭を懲戒免職処分に、校長を戒告処分としました。

などというお話にもならない事態になるわけです。この校長、教頭に温情をかけたことを、さまざまな点で本当に後悔しているはず。

というわけで、下の記事でご紹介した金言を再引用します。この記事で紹介した本は、ギャンブル依存症についてのものですが、話はもちろんギャンブルに限りません。

これはなかなかの金言だと思う(というわけで、読者の皆さまにもご紹介)

依存症の分野では、それまで常識と考えられていたことが、次々に覆される。以下はパラドックスの例だ。

・手を放せ

・重症者の方が回復する

・やめようとすることをやめろ

・自分の意志を使うな

・病気になったことは恵み

・無力を認める

・嫌いな人は自分の鏡

・希望をもつのはいい。だが、期待するな


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