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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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ラグビーも、かつてのようにニュージーランドが圧倒的に強いという時代でもないらしい

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ラグビーワールドカップ(以下RWC)は、8年前私は、英国とアイルランドを旅していまして、チェスターの宿で、ネットで日本が南アフリカに勝ったというニュースを読み、「なんだこのフェイクニュース」と思ってまた寝て、起きたらほんとだと知りおったまげたことがあります。だったら見にいけばよかった。あとでラグビー大好きの職場の先輩から、「馬鹿、なんてもったいないことをしたんだ」と怒られました。まさにしかり。

アイルランド・英国紀行(2015年9月)(10)

なお、人生で、ネットのニュースを読んで「なんだこのフェイクニュース」と思ったのは、ほかには、昨年の安倍晋三の暗殺時の一報のみです。

3期目の自民党総裁を続けなければ、安倍晋三も殺されるほどは憎まれなかったのではないか(記事発表直後ほかの追記あり)

それはともかく前回の日本大会では、2つの試合を見ることができました。決勝トーナメントも、準々決勝までは、観にいくことが可能だったのですが、いろいろあって行きませんでした。しかし今にしてみれば、やはりこれは観にいけばよかったと後悔しています。

神戸にて(2019年10月3日)(10月4日更新) 静岡にて(2019年10月4日)(10月4日更新) RWCプールAアイルランド対ロシア戦の光景(2019.10.3. 神戸にて)(10月7日発表) RWCプールB南アフリカ対ロシア戦の光景(2019.10.4. 静岡にて)(10月8日発表)

それはともかく。今回の大会の、開幕戦は、地元開催のフランス対ニュージーランドでした。9回行われたRWCで、ニュージーランドは3回優勝しています。前回の日本大会でも、優勝した南アフリカに、予選では勝利しています。

で、その結果の記事を。


ラグビーW杯 ニュージーランド 大会史上初 1次リーグで敗れる
2023年9月9日 11時30分 

「あのオールブラックスが…」

ラグビーワールドカップフランス大会は現地時間の8日、日本時間の9日開幕戦が行われ、4回目の優勝を狙うニュージーランドと自国開催で初優勝を目指すフランスが対戦し、ニュージーランドが13対27で負けました。

ニュージーランドが1次リーグで敗れるのは、大会史上、初めてです。

「オールブラックス」の愛称で親しまれるニュージーランドは1987年の第1回大会で初優勝して以来、2019年に行われた前回大会まで9大会連続で1次リーグでは1度も負けたことがありませんでした。

しかし、前回大会で3連覇を逃して3位に終わったあとは、ラグビー王国としては、低迷とも言える時期に入りました。

▽2020年にはアルゼンチンに初めて敗れたほか、▽去年の夏にはホームで行われたアイルランドとの3連戦に1勝2敗と負け越し、その次の南アフリカ戦でも敗れ、テストマッチで3連敗するなどして世界ランキングは過去最低の5位まで落ちました。

ニュージーランド国内からイアン・フォスターヘッドコーチの解任論も出されるなどしましたが、その後は持ち直し、ことし夏に行われた南アフリカ、オーストラリア、それにアルゼンチンが参加する南半球の4か国対抗では、全勝で優勝し、復調の兆しを見せていました。

しかし、8月、イギリスで行われた南アフリカとのテストマッチでは7対35と大差で敗れていました。

そして今大会の開幕戦となったフランスとの試合では、キャプテンのサム・ケイン選手がけがのため試合のメンバーから急きょ外れるなど、ベストメンバーとは言い切れない中で臨みました。

試合ではキックを中心に攻め、前半と後半の開始早々にトライを奪って主導権を握れそうな展開もありましたが、攻め込んでも、フランスの堅いディフェンスを崩しきれず、ミスやボールを奪われる場面も目立ち、最後は突き放された形になりました。

ゲームキャプテンを務めたナンバーエイトのアーディー・サベア選手は「大変な試合でした。キャプテンがいないことはチームにとってとてもつらかった」と振り返った上で「まだ試合はあるので次は勝てるような試合をしたい」と話しました。

「今後のための良い教訓になった」と話すイアン・フォスターヘッドコーチ。

今大会を最後にヘッドコーチを退任することになっていますが、決勝トーナメント進出、そして、単独最多となる4回目の優勝という王座奪還に向けてどうチームを立て直すのか、手腕が注目されます。

この記事自体、フランスが勝ったと報じているのでなく、ニュージーランドが負けたという記事です。犬が人をかんでもニュースにならないが、人が犬をかんだらニュースになるのたぐいで、南アフリカが日本に勝っても「そりゃ勝つでしょ」としか思われないし、日本が南アフリカに勝ったらこれはラグビーどころかスポーツ史に残る大アップセットになるわけです。1980年に、レークプラシッド五輪で、当時アマチュア最強だったアイスホッケーのソ連に、学生主体の米国が、ハーブ・ブルックスHCの指導のもと勝利したことが、映画化(ミラクル )されるくらいの語り草になったようなものです(氷上の奇跡)。

で、ニュージーランドが負ける試合というのもやはり映画になっています。1995年のRWC決勝でニュージーランド代表(オールブラックス)は、南アフリカ代表(スプリングボクス)に敗れました。この時は、『インビクタス/負けざる者たち』としてクリント・イーストウッドの監督で映画化されました。この時も、アパルトヘイトで国際社会から追放されていた南アフリカが復帰し、南アフリカ開催の大会だったわけです。この時の決勝は、普段はオールブラックスが好きな人も、この時ばかりは南アフリカを応援したのではないかと思われる試合でして、試合終了直前、絶対外しっこない位置からのドロップゴールをニュージーランド選手が外してしまい、延長の末南アフリカが勝ったのです。これだって、ニュージーランドが勝っていたら、当然映画にはなりません(苦笑)。

また、サッカーでは、かつてブラジルが圧倒的な強さを誇っていました。1958年、62年、70年に優勝、その後も94年と2002年に優勝していますが、その後今日にいたるまでワールドカップで優勝するにいたりません。4回の優勝を誇るドイツ(西ドイツ時代をふくむ)は、昨年の2022年大会では一次リーグ敗退、同じく4回のイタリアは、予選落ちで本大会にすら出場できません。2018年につづき2回連続です。22年大会では、日本が、前出のドイツ以外にも、10年の優勝国スペインに勝利したくらいで、日本が強くなったのも事実ですが、ともかく全体的にサッカーのレベルも上がっています。昔は、ワールドカップの予選などでも、 フェロー諸島などはひどい点差で負けていたのものですが、昨今は、そうでもありません。こちらなどをご参照ください。

点の入りにくい競技であるサッカーと、入りやすいラグビーでは、狭義の性質はずいぶん違いますが、フランスとニュージーランドは、RWCでは繰り返し対戦しています。決勝でも2回対戦しています。記事を。


『オールブラックス』の愛称で優勝3回を誇るニュージーランドが、1次リーグの試合で敗れるのはワールドカップ10大会目にして初めてです。

ワールドカップで両チームは過去7回対戦し、フランスが2勝5敗と大きく負け越していて、特に1987年と2011年はいずれも決勝で敗れ、ニュージーランドの壁に跳ね返されてきました。

しかし、フランスは2021年に行われたテストマッチで12年ぶりにニュージーランドに勝利すると、パスで展開する伝統の戦術に加え局面によってボールを保持して攻める攻撃を身につけ、2022年のヨーロッパの強豪6か国で争う『シックスネーションズ』で優勝するなど躍進を遂げました。

上にもあるように、RWCでは2回しかフランスはニュージーランドに勝っていませんが、しかしいままでニュージーランドは決勝トーナメントでしか負けていなかったわけで、つまりフランスが、ニュージーランド優勝の夢をくじいたわけです。1999年は、準決勝で43-31で勝利、2007年は、20-18で準々決勝に勝利しています。

で、これに限らずニュージーランドに他の国が勝つ場合、これは前回大会準決勝でのイングランドの勝利などのように、相手がものすごくいい試合をして勝つ、というパターンが多いわけです。フランスの勝利も、フランスが勝った試合はフランスの出来がものすごくよかったという印象があります。逆に、だからフランスは、優勝はできなかったわけです。そのようなものすごい出来の良さが、そうそう続くものではない。99年はオーストラリアに敗れて準優勝、09年は準決勝でイングランドに敗れ、3位決定戦は、開幕戦に続いてアルゼンチンに34-10で完敗しています。たぶんですが、前回の準決勝でニュージーランドに完勝したイングランドが、これはイングランド優勝ではないかという下馬評が主流だったかと思いますが(私もそう考えていました)、南アフリカに完敗したのも、1つには、ニュージーランドに完勝して緊張感が崩れたこと(1998年のサッカーワールドカップで、ブラジルが準決勝のオランダ戦での勝利で力を使い果たしてしまい、決勝はフランス相手に全く駄目だったのと同じです)と、あとは、やはりあのような調子の良さの持続が難しいということもあったかと思います。

そして、今回の試合を見たうえでの私の感想を申しますと、フランスが普通に強いという印象がありました。ニュージーランドの出来がいいとは言えなかったかもしれませんが、かつてのニュージーランドなら、フランスには十分勝てたのではないか。が、現在はフランスが普通に強いので、ニュージーランドが勝つのも容易でないということなのでしょう。で、これは、開幕戦に、地元のフランスとニュージーランドとの試合を組んだということにも、現在のニュージーランドの位置づけがうかがえます。開催国が開幕戦で勝利をおさめることが景気づけになるわけで、そこであえてニュージーランドという超難敵を相手に選んだということは、現在のフランスならニュージーランドに十分戦えるという自信と見通しがあったはず。で、14点差という2トライ2ゴール差の完勝となったわけです。

今回のRWCで、しばらくぶりに北半球の国が優勝するか(2003年にイングランドが優勝したのみ)、それともニュージーランドが優勝するかはわかりませんが、南半球優位も、以前ほどではないはず。ここは私としても、面白い試合を期待して、楽しみにしたいと思います。読者の皆さまもぜひどうぞ。


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