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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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これからの時代、日本ではこのような孤独死が続出・激増するのだと思う

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先週このような記事が出ました。


石田純一の姉(72)が都内マンションで「孤独死」していた 熱中症が原因か 第一発見者となった石田が語る「無念」

2023年09月13日

 石田純一(69)の姉で音楽家の石田桃子さんが、9月1日までに、東京都・練馬区の自宅マンションで亡くなっていたことがわかった。72歳だった。現場の状況から熱中症による孤独死だったと思われる。第一発見者となった石田が、突然訪れた不幸を語った。

(略)

「石田さんはよほど慌てていらっしゃったのでしょう、短パンにTシャツ姿だった。警察官の立ち会いのもと、鍵屋さんを呼んで部屋を開けてもらうと、中で桃子さんはすでに亡くなっていた。死因は熱中症で、死後数日が経過していたと聞いています」(同前)

 石田本人に取材を申し込むと、電話取材に応じてくれた。だが、突然過ぎる別れを前にまだ心の整理がつかない様子で、終始、混乱した話しぶりだった。

「(発見の)1週間くらい前に姉の友人から、様子がおかしいと連絡を受けていたんです。私も何度も電話してみたんですが、全く連絡がつかない。その後、友人が『いよいよおかしい、親族が来ないと警察も動いてくれない』というので、慌てて駆けつけました」

 最後に会ったのは7月末くらいで、桃子さんから「クーラーが故障した」との連絡を受けた時だという。

「たまたま家の中に使っていないクーラーがあったので、それを持っていったのですが、事情があって設置するところまでは見届けられなかった。『必ずちゃんと業者を呼んで設置するように』と言って帰ったのですが……」

 石田が届けたクーラーは、部屋の中で未使用のまま置かれた状態だった。

「『業者を呼ぶお金が足らないならばこっちで用意するから、クーラーの設置だけはお願いします』と口を酸っぱく言っていたんですが……、あれを見た時は残念な気持ちで……」

(略)

石田が納得いかないのは、桃子さんの部屋の電気が止められていたことだ。

「仕方のないことなのかもしれません。ただ、この猛暑の中で、高齢の独居暮らしの電気がなぜ止められてしまっていたのかは理解に苦しむところで……」

(後略)

石田純一にお姉さんがいるということは知っていました。ただ石田桃子さんという名前はよく知りませんでした。たぶん石田純一氏のWikipediaを見た際、印象が残ったのだと思います。ともかくお気の毒です。ご冥福をお祈りいたします。

で、私がこの件を知って思い出したのが、このブログでおなじみの元予備校講師佐藤忠志氏の最後です。佐藤氏は、Wikipediaによれば、


最晩年は生活保護を受けながら失意の余生を送っており、死の直前の2019年8月末に週刊現代が取材に訪れた折には、前年の報知の取材時よりさらに健康状態が悪化し、ほとんど食事も摂らずに甲種焼酎を飲み続けてやせ細り、往年の面影がほとんど見られないほどに変わり果てた姿となっていた。2019年9月24日朝、デイケアセンターの職員が佐藤の自宅を訪問したところ、冷たくなって倒れていた佐藤とみられる人物を発見、死亡が確認された。68歳没。

という状況でした(注釈の番号などは削除)。石田桃子さんは、佐藤氏ほどメタメタな状況ではなかったのでしょうが、それでも生活もいろいろ大変だったようだし、電気が止められたというのは、佐藤氏とも共通しています。

で、ちょっとこのあたりは気になりますね。


「たまたま家の中に使っていないクーラーがあったので、それを持っていったのですが、事情があって設置するところまでは見届けられなかった。『必ずちゃんと業者を呼んで設置するように』と言って帰ったのですが……」

 石田が届けたクーラーは、部屋の中で未使用のまま置かれた状態だった。

「『業者を呼ぶお金が足らないならばこっちで用意するから、クーラーの設置だけはお願いします』と口を酸っぱく言っていたんですが……、あれを見た時は残念な気持ちで……」

なぜクーラーを設置するにいたらなかった(未使用のまま)のか、その理由はさだかでありませんが、あるいはですが、桃子さんは、(初期の?)認知症で、いろいろなことが面倒になっていたのかもしれないなという気がしますね。ともかく石田桃子さんは、クーラーを自宅に設置するのも難しい状況だったということなのでしょう。そういうことを石田純一に理解しろというのはできない相談かもしれませんが、やはり行政なり民生委員などが介入しないとまずい状態だったのでしょう。おそらく施設に入所することも視野に入れる必要もあったのではないか。

と考えていると、次の記事を思い出しました。

特に身寄りのない人は、行政と福祉関係、あと法律関係とも緊密な関係を持っておいて、来るかもしれない認知症の日々に備えたい

上の記事では、おすぎピーコの兄弟が二人して認知症になってしまった過程を取り上げました。石田桃子さんは、そこまでの状態ではなかったのでしょうが、生涯独身だったということもおすぎとピーコと共通しますね。そして現在独身率がどんどん高くなり、きょうだいの数も減っている。死亡者数も増えている。そうなると、孤独死というのも増えはしても減る要素はない。仕方ないことですが、いろいろな自衛が必要です。

行政なり警備会社なりと連携することも必要だし、また子どもがいなくても(配偶者や同居人は、仮にいても、同時に死ぬことはそうはないので、どっちみちどちらかは孤独になる公算が強い。同時に死んだらやばいので、そうなったら困ります。下の事例参照)、親しい親類、友人、知人がいたら、毎日決まった時間に必ずLINEを送るということを約束して、それで所在の確認ができるようにしておくとかいろいろな方法があるでしょう。今後行政も、そういった人たちをいかに管理(という言葉はよくないかもですが、ともかく「管理」です)していくかということが、重要な仕事となるはず。とくに暑い夏や寒い冬などは非常に危険です。もう10年以上前の事件ですが、お年寄りではないこちらの事例はどうか。当時かなり話題になった記憶あり。


2012年06月28日
【北海道姉妹凍死】死の前に3回生活保護窓口訪れ、門前払いされていた

―[本当は[厳しい冷たい]日本の生活保護制度]―
◆最後の頼みの生活保護を受けられず、死に至るケースも

 今年1月、札幌市白石区のマンションの一室で、遺体で発見された40代の姉妹は、生活保護申請が認められず窮乏を極めて亡くなった。姉の佐野湖末枝さん(42歳)は失業中で昨年末に病死(脳内血腫)しており、知的障害のある妹の恵さん(40歳)は姉の死後に凍死したとみられている。料金滞納で電気・ガスも止められ、冷蔵庫の中は空っぽだった。

 湖末枝さんは体調不良に苦しみながら就職活動や妹の世話をし、3度にわたって白石区役所に窮状を訴えていた。ところが、最後の頼みの綱の生活保護を受けることができなかったのだ。この事件を調査している「北海道生活と健康を守る連合会」(道生連)副会長の細川久美子氏は次のように語る。

「姉妹の両親はすでに他界していて、頼る人はいませんでした。生活費は妹の障害年金(年額約80万円)だけで、家賃は滞納、国民健康保険も未加入です。区役所の保護課も『厳しい状態』『要保護状態』にあることを認識していました。2回目の相談のときには、非常用のパンの缶詰が支給されています。これは通常、お金を落としてしまった生活保護受給者などに対して行われる珍しい措置です」

◆ 「生活保護を受けられない」と思い込まされた

 なぜ姉妹は生活保護を受けられなかったのか。白石区役所は「(本人が)申請の意思を示さなかった」と釈明している。

「困窮している人なら一定の条件で『無差別平等』に生活保護を受ける権利がありますし、誰でも無条件に申請できます。ですが、区役所の担当者がそのことを本人に知らせたようには思えません。最後の相談(3回目)のときには、保護の要件として『懸命なる求職活動』が必要なことや、『家賃が高い』ことを伝えています。しかし、これらは申請の条件ではないのです。3回も相談に行っていることや困窮の程度から見ても、姉に申請の意思があったことは明らか。『自分は生活保護を受けられない』と思い込まされてしまい、申請を諦めたものと思われます」(細川氏)

 本来は権利であるはずの生活保護申請をさまざまな手口で阻止する役所の「水際作戦」によって、’00年代後半から全国で餓死・孤立死・自殺・心中事件などの悲惨な事件が相次いでいる。

この件なんかなぜ白石区が生活保護の受給を(事実上)拒否したのか見当がつきませんが、たぶんですが、それなりの実績のあるNPOの関係者とか議員とかが申請に同行していれば、これは受給になったのでしょうね。自分たちの生存権を守るためですから、遠慮している場合ではありません。NPOだろうが政治家だろうが有力者だろうが、最大限あらゆるものを総動員して、自分(たち)の生存権を守らないといけません。白石区の事件は、病死と凍死のようですが、今夏の猛暑でこのような悲惨な事件も起きています。これ以外にも複数報道されていると思います。


住宅で2人死亡 高齢夫婦か 熱中症の可能性 東京 東村山
2023年7月30日 1時56分 

29日、東京・東村山市の住宅で90代と80代の夫婦とみられる2人が死亡しているのが見つかり、警視庁は現場の状況などから熱中症で亡くなった可能性があるとみて調べています。

警視庁によりますと、29日午後6時前東京・東村山市秋津町の住宅で「高齢の夫婦が倒れている」と住宅を訪れた介護職員から110番通報がありました。

警察官が駆けつけたところ、この家に住む90代と80代の夫婦とみられる2人が寝室のベッドの上に倒れていて、すでに死亡していました。

警視庁によりますと夫婦は介護施設のデイサービスを利用していましたが、29日の朝職員が迎えに行っても応答がなく、その後、家の中に入って2人を発見したということです。

夫婦は2人暮らしで寝室にエアコンはありましたが、スイッチは入っておらず、扇風機がついていたということです。

また、部屋の窓やドアは閉めきられた状態だったということです。

警視庁は現場の状況などから2人が熱中症で亡くなった可能性があるとみて、詳しく調べています。

どういう事情でエアコンがついていなかったのかは不明ですが、電気代とかも節約するどころの話ではありません。ともかくこれからの時代、日本ではこのような孤独死が続出・激増するのは疑いのないところです。本当に困ったものです。


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