過日の記事を。共同通信の記事で、引用は東京新聞から。
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少年院の発達障害支援を強化 法務省、処遇指針改定へ
2023年9月17日 18時15分 (共同通信)
法務省は17日までに、発達障害がある少年院の在院生の支援を強化するため、2016年に策定した職員向けの処遇ガイドライン(指針)を来年度にも改定する方針を固めた。発達障害や虐待などの影響で成長に課題があるものの、適切なサポートがなく、非行に及んだ少年は少なくない。新たな指針では、個々の特性に応じた指導をより充実させて成長を促し、退院後、円滑に社会生活になじめるようにする。
関係者によると、現行の指針は、例えば自閉症スペクトラム障害(ASD)は「相手の気持ちを読み取ることが苦手」など、発達障害ごとの特性を解説。周囲に理解されず、ストレスから非行に走りやすいとし、本人の強みを伸ばす指導が有効だといった基本姿勢を示している。
改定では、障害の理解を深めることを主眼とした現行版から踏み込み、成長につながる効果的なコミュニケーション方法を、少年の変化に結び付いた働きかけの実例を挙げ紹介する。少年院で、外部専門家が少年の話に耳を傾け、助言する「発達相談」の成果も反映する。
先日こんな記事を発表しました。
おもわず「おいおい」と思う記事その記事の中でご紹介した「杉沢さん」(仮名)は、
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高校卒業後、定職にはついていない。発達障害も判明し、福祉作業所で掃除などをしている。
だそうです。彼は、万引きしろと指示した「親友」(そんなクズ野郎のどこが「親友」なんだか)のために万引きしてとがめたコンビニ店員を突き飛ばして警察に逮捕される始末です。どんだけ馬鹿なんだと思いますが、確かに私が見聞する非行少年に関しても、何らかの精神障害があることを感じますね。その最たる人間が、この人物でしょう。
この事件の加害者など、Wikipediaから引用すれば、
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事件当時15歳だった加害者の少年Xは、3人兄弟の末っ子として鹿児島県薩摩半島の南端に位置する小さな集落で生まれ育った。Xは3歳児健診の時には既に注意散漫や多動や粗暴性を指摘されており、さらに保育所での粗暴行為も顕著になり、他の児童へ噛み付いたり、職員への暴力などが見られ、Xが癇癪を起こして大暴れして保育士が骨折したという報告もあった。児童相談所の記録によるとXの母は家事育児能力が欠如しており、小学校の担任の調書には「母親は長女には関わるが、他の2人の兄弟には薄弱」という記載があった。Xの兄は幼少期から父親から暴力を受けており、さらに兄もXに対して殴る蹴る、エアガンで撃つなどの暴力を振るっていた上、Xが両親の性交を目撃する事もあり、さらにはXが8歳から10歳の頃には兄がXに性器を舐めさせるという性的虐待を行っていたという。Xは2012年に小学校に入学するが、ここでもXの粗暴性は継続し、他の児童の首を締めたり、教諭に「殺すぞ」と暴言を吐くといった問題行動を毎日のように繰り返し、さらには1年〜2年の時に陰毛が生えるなどの異常な体の発達が見られ、さらに1日に何度も人目も気にせずに自慰行為をするようになった。2014年に父親が不倫をした事がきっかけで両親が別居になってからは暴力がさらに悪化し、Xが小学3年生の頃、家族はついに手に負えないと判断し精神科病院へ入院させたが、Xは行く先々で他の児童に暴力を振るったり木の枝で刺したり、職員に対しても骨折させるなどといった暴力沙汰を起こしていた上に自殺未遂も起こし、児童心理治療施設や自立支援施設などの施設を転々とした。2017年には両親の離婚が成立し、Xはその翌年に国立の治療施設に入所するが、ここでも暴力行為や無断外出が見られ、さらには強化ガラスを消火器で割ろうとした事からXは鑑別所に入所。そしてXは14歳だった2019年に少年院に送致された。Xはこの少年院で約10ヶ月を過ごした後に中学3年の夏休みに退院する事が決まり、母親が身元引受人になる予定だったが、直前になって母親は金銭的な理由で引き受けを拒否。2020年8月にXは少年院を仮退院して福岡県田川市の更生保護施設に入所した。しかしXは入所翌日に施設を抜け出した。コンビニで出会った若い男性に「お金に困っており、泊めてほしい」と何度も頼み込んだ。男性からは断られたものの、現金3千円を貰ったため、その金でコンビニで避妊具などを購入した。
というくらいです(注釈の番号は削除)。成育歴も最低・最悪ですが、遺伝的な部分もきわめてよろしくない。
で、これは私もこのブログでくりかえしご紹介している私の中学の同級生も思い出しますね。その男は家庭が極貧で、知的障害があり(どう考えても、とても普通学級で学べる能力のない人間でした)、精神もきわめてよろしくない人間でした。授業中奇声を上げて徘徊したり、弱い者いじめもひどく、教師も同級生もまったく手に負えず、最後は家庭環境の極度の悪化かどうかはわかりませんが、家出をして警察に保護、施設に収容されました。ちょっと素人対応できる人間ではなかったと思います。彼は殺人はしなかったから、殺人をした少年よりはましでしょうが、彼もミニ福岡のような人間ではなかったか。
で、福岡の事件の犯人の少年は当然として、私の同級生も、完全に医療のお世話になるべき人間だったと思います。ご当人の努力とかでどうこうなるとはとても思えませんね。
で、そう考えると、法務省が
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2016年に策定した職員向けの処遇ガイドライン(指針)を来年度にも改定する方針を固めた。
というのは、非常にいいと私は思いますね。今あげた連中以外にも、そうとう発達障害の度合いがひどい人間というのはいる。で、こういう連中というのは、現実問題として行政が介入しないとなかなか効果のある治療や対応ができないと思います。全員が全員うまくいくとは言わずとも、多少なりともしないよりはいいでしょう。現実問題として、こういった連中は、驚くほど他人や世間に迷惑をかける可能性がある。そして実際迷惑をかけています。失礼ながらこういった連中の非常識さや異常さというのは、凡人が対応できる次元を超えています。そういったことが多少なりとも軽減されるのであれば、それはたいへんいいことです。こういうことを書くのは必ずしも良いことではありませんが、こういう連中のひどさというのは、正直付き合わないとわかりません。そういう書き方が良くないのなら、付き合えばわかると書いておきます。ほんとひどいものです。
で、これは福岡の少年が典型であるように、家庭内ではこれまたひどい暴力をうけているという事例が少なくないですからね。そういう仕打ちにあっているから、まともに他人と付き合えないし、また福岡の少年が、ご当人が証言するところによれば、被害者の女性の言葉で母親らの姿がフラッシュバックして、女性をめった刺しにするとかのような精神異常になったりするわけです。これでは被害者は当然として加害者も救われない。そういった悲劇への多少なりとも抑制になれば、こんないいことはありません。
ともかく少年非行と発達障害というのはまさに車の両輪です。そして、そういった連中が成人してからアウトローやロクデナシになって、最悪死刑になるような重大犯罪を犯すこともある。たとえば少年時代に山口母親殺害事件をしでかして発達障害とされ、出所後大阪姉妹殺害事件で逮捕され死刑が確定(1審で確定しました。本人が控訴しなかった)、25歳で執行された人物などはその一例です。彼が、少年院時代にもう少しいい治療を受けていれば、大阪の事件を起こさなかったとは私も言いませんが、スナックママ連続殺人事件の犯人も、少年時代に殺人をして、成人後に連続殺人をしてしまい、2017年に死刑を執行されています。今後もこのような事件が発生する可能性はある。となれば、1つでも事件の発生を防ぐための手段としなければいけないと思います。
いずれにせよ犯罪者ではなくても、発達障害や精神障害の人間というのは、時に、「そこまでするか」「それやったらおしまいだろ」ということをします。現在裁判中の京都アニメーション放火殺人事件、すでに死刑が執行されている附属池田小事件やあるいは麻原彰晃らはその典型。ご当人だけでなくj、周囲や赤の他人にもひどい迷惑をかけてしまい、いろいろな意味で最悪の事態になってしまいました。もちろん彼らのしでかしたことはかなり極端な事例ですが、ともかくそういうこともあるわけです。
これからもいろいろと手直しもあるし、試行錯誤も多いでしょうが、方向性としては間違っていないと思います。ここは私も大いに期待したいと考えます。