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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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貯金をして金をためられる人は、他人におごったりしないらしい(その反対が、佐藤忠志氏や青木勝利氏ほか)

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そういっちゃうと身もふたもありませんが、世の中貯金をして金をためられる人は、あまり他人におごったりしないようですね。

どうも「おごる」という行為自体が、「浪費癖」「金銭にだらしない」ということと不可分のような気がします。世の中生きていくうえで非常識に「ケチ」ということはまずい部分もあるでしょうが、そうはいっても不必要な出費は控えるというのは、人間として当然のことです。

で、以下いく人か実例を見てみましょう。まずは、このブログでのおなじみの人物佐藤忠志氏です。佐藤氏は、報じられるところによれば、


先生はおカネの管理がまったくできない人なので、カネ回りの世話は奥さんがぜんぶやってあげていました。誰かとご飯を食べるときはいつも先生の奢りなので、奥さんの鞄には100万円の束が入っていた。

だったとのこと。で、彼が経済的に困窮するようになって他人におごることができなくなるにつれて、彼は他人との付き合いを避けるようになってきました。おごってくれないのなら、佐藤氏と付き合う価値がないというので佐藤氏との関係を断った人もいるでしょうが、おそらく佐藤氏の零落ぶりにさすがに顔を合わせる気になれなくなったという人もいるはず。佐藤氏は、他人に自分が貧乏している姿を見せたくなかったようですが、そしてそういう気持ちを私も理解しないではないですが、彼はおごったりしていないと他人と付き合うのが難しい気質だったのかもしれませんね。よくわかりませんが。彼が、奥さんから逃げられた後(家をリバースモーゲージのような形で売却した金で1億円と称する高級車を購入してしまい、奥さんが激怒したのです。当たり前)、完全に人生のやる気を失ったあたりも、彼が根本的にはそんなに強い性格ではなかったという部分もあったのかもしれません。佐藤氏についてふれた拙ブログ記事はこちら

さらに、一説によると「あしたのジョー」の主人公矢吹丈のモデルだとされる元プロボクサーの青木勝利氏はというと、


ジョフレ戦の報酬は手取り2百万円、現役時代の総額は3千万円(いずれも当時の金額)だったが、放蕩の末に一銭も残らなかった。


引退後は、日雇い業務や飲食店の手伝いなどで暮らしていた[5]。その一方、頻繁に刑事事件を起こして報道された。一時期は稲城長沼でトンカツ屋を経営していたが、そこでも傷害事件を起こして続けられなくなった。1973年1月13日、小平市にある実家で包丁で首を切って自殺を図ったが、未遂に終わった。1981年の時点で、暴行・窃盗・器物損壊・詐欺(無銭飲食や無賃乗車)・覚醒剤所持で前科7犯、逮捕歴20回に及び、一時期は府中刑務所で服役していた。

といったところです。彼は、金銭に関してさんざんいろいろなところで不義理をしていたらしいし、そのせいかどうかは不明ですが、指を3本も切り落とすという事態にいたったわけですが、どういうわけか、


対戦経験のあった桜井孝雄は、青木の人柄について「あの人は気前が良すぎるからいけない」と語っていた

というところはあったらしい。それもどうかです。青木氏についても複数記事を書いていますので、興味のある方はお読みになってください。

この本はなかなか面白そうだ(「あしたのジョー」の主人公のモデルとなったと推定される人物についての本) 元プロボクサーの青木勝利氏と元予備校講師である佐藤忠志氏は、人間性などパーソナリティが似ていたと思う(どちらも相当ひどい晩年を過ごしたらしい)

あまりの事態の悪さのために完全に精神疾患になったと思われる佐藤氏(なおこの事態になったのはすべて彼に責任がありますので、私はこの件で彼に同情する気はありません)と、不義理がひどく身体障害者になった青木氏というのは、やや極端な事例かもですが、ただ「おごる」という行為は、狭義では食事をこちらが金を払って一緒に食うくらいの意味ですが、より広く「他人に援助する」とかいうところまで話を広げると、確かに世の中「横領」などで他人に金を流すとか、犯罪ではなくても、これも理由はともかく、他人に収入不相応に金をつぎ込んで、全財産を失うということもあります。英国のこちらの男性はどうか。前にもご紹介したことがあります。

このような話はくりかえし読む価値がある 【海外発!Breaking News】宝くじで1,200万円当選した障がい者男性、散財し手当も打ち切られ極貧生活に(スコットランド)

私がこの男性の金の使い道で興味ぶかく感じるのは、彼が


近所の人たちや友人らにも金銭的援助をしたんだ。

と語っているという点です。あるいは借金を返したのかもですが、それならまだ仕方ないとして(だとしても、後先のことを考えて金を返せです)、そうでないとしたら


金銭的援助

って、そんなことに金なんか使う余裕なんかないだろです。が、この人は、理由はともかく、他人に援助という形で金を使ってしまったわけです。この人が困窮した原因の1つも、昔からそういうことで金を使っていたこともあるのではないか。

ほかにも、拙ブログで繰り返しご紹介するキャバクラ嬢の「病気」という与太のために、会社の金を横領したゴム会社社員(そしてその金を、キャバクラの女は、ホストかなにかに貢いだらしい)、歌手崩れの男に全財産を貢いで生活保護受給者として死んだ某女性などもいるわけです。他人に「おごる」とか「援助する」ってのは、なにか麻薬的な喜びや楽しみがあるんですかね。あるのかもしれません。

「勧進帳」「大本営発表」「キャバクラの女への横領した金のつぎ込み」みたいなものだ 金をためられる人、財産を残せる人は、けっきょく金にシビアなのだと思う(追記あり)

私は、読者の皆さまもだいたいご想像がつくように、基本他人におごったりはしない人間ですが、ただ「おごる」「おごられる」という行為が、人間関係を円滑にするという効用があるということ自体は否定しません。しませんが、やはり


対戦経験のあった桜井孝雄は、青木の人柄について「あの人は気前が良すぎるからいけない」と語っていた

とかいわれるのはまずいでしょう(当たり前)。おそらく佐藤氏も青木氏も、スコットランドの男性などもそうなのかもですが、この人たちは、「精神障害」とまではいわずとも「発達障害」ではあることは確かかと思われます。そういったことが、このようなきわめてよろしくない行動の要因となったことは否めません。そして、お三方みな、「予備校講師」「プロボクサー」「宝くじに当たった」と、職業やきっかけは違いますが、おもわぬ大金を稼ぐあるいはもらえることになった。そうしたら精神的に際限がきかなくなったわけです。キャバクラ嬢に貢いだゴム会社社員は、会社の経理を任されていたので大金を着服できた、歌手崩れに貢いだ女性は、夫が死んで子どもがいなかったので、思わぬ大金が自由にできたのが悲劇でした。これがもっと極端になると、これはもう「おごる」とかそういう次元ではなくほとんど自家消費でしょうが、6人も放火で死なせて(あと消防隊員の殉職もあり)1億円以上の生命保険と火災保険を得たにもかかわらず、1か月で使い尽くしたと報じられている暴力団組長夫婦もいるわけです。めでたく2人そろって死刑となり同日に執行されています(夕張保険金殺人事件)。

だんだん話が変わってきましたが、「おごる」と「援助する」が複合して大金を溶かしてしまった事例もあります。有料老人ホームで女にえんえんおごって(食事代はすべて負担したとのこと)一緒に馬券を買って1,000万円以上を使ってしまった男性など、やはりその時は気が狂っていたのでしょうね。異性(同性でもあり)に莫大な金をつぎ込むというのは昔からよく聞く話だし、またつぎ込まれる人間というのは、だいたいにおいてろくな人間ではありません。人間生きていくうえでそんなに金なんか必要なわけではない。

佐藤忠志氏らのような全財産を使いつくした人たちとの対比が興味深い(子どもの有無は決定的だったのだろう)

というわけで、私とこのブログをお読みなっているあなたは、やはりケイリー・グラント先生を見習い、佐藤氏や青木氏ほかのような人生は送らないようにしましょう。後で後悔するのは他人でなく私とあなたです。グラント先生の話は、下の記事をご参照ください。

「自分は例外だ」なんて考えないほうがいいのかもしれない(米国スポーツ選手の浪費と困窮について)

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