こちらの記事を。なおこの判決は確定したとのこと。
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新生児殺害の母親に懲役4年の実刑判決
09月27日 18時54分
令和4年に新居浜市で出産したばかりの赤ちゃんを竹やぶに放置して殺害した罪に問われている33歳の母親に対し、松山地方裁判所は「犯行の動機は浮気による妊娠を隠すためで自己中心的だ」などとして、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。
新居浜市の元飲食店従業員、立野由香被告は(33歳)令和4年4月、自身が産んだばかりの男の赤ちゃんを竹やぶに放置し殺害したとして殺人の罪に問われています。これまでの裁判で母親は起訴された内容を認め、弁護側は軽度の知的障害があることなどを考慮して、保護観察の付いた執行猶予の判決を求めました。27日の判決で松山地方裁判所の渡邉一昭裁判長は「犯行の動機は浮気による妊娠を隠すためで、自己中心的で酌量の余地はない。過去にも同様の経緯で妊娠した子どもをトイレに産み落とすなどしていて、命を軽んじる度合いは強く厳しい非難に値する」などと指摘しました。一方で「犯行の背景には、軽度の知的障害や希薄な家族関係もあった」などと、弁護側の主張を一定程度認め、懲役6年の求刑に対して懲役4年の実刑判決を言い渡しました。
私が注目したのがこちら。
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弁護側は軽度の知的障害があることなどを考慮して、保護観察の付いた執行猶予の判決を求めました。
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一方で「犯行の背景には、軽度の知的障害や希薄な家族関係もあった」などと、弁護側の主張を一定程度認め
これなど、「やっぱり」「そうだろうな」「予想通り」といった感がありますね。前にこのような記事を書きました。
「累犯」ではないのかもだが、これも障害者ならではの犯罪の側面がありそうだ先日書いた記事
世の中の家族間における殺人や傷害事件は、想像以上に発達障害や知的障害、精神障害がからんでいそうだも同類ですが、最初の記事は、松山地裁の事件とかなり類似していますね。
『「累犯」ではないかもだが・・・』の記事の被告人は、知能指数(IQ)74という「境界知能」(IQ70~85未満)の持ち主だったそうですが、松山地裁の被告人は、ずばり「軽度の知的障害」とありますので、たぶんIQ70未満なのでしょう。それでこのような記事がありました。
悲劇繰り返さないため“妊婦のSOS”届く仕組みを 新居浜市新生児殺害遺棄事件から孤立出産を考える
記事の詳細については、直接読んでいただくとして、記事の中で注目したいところを。
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今回の公判には、弁護側の証人として2人の医師が出廷した。
親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」いわゆる赤ちゃんポストで知られる、熊本・慈恵病院の理事長で産婦人科医の蓮田健医師と、同じく熊本の精神科医・興野康也医師だ。
2人は、母親の精神鑑定や出産時の状況を聞き取り、知的障害の度合いや産後の過酷な心身の状態が事件に与えた影響などを証言した。
人吉こころのホスピタル 精神科医・興野康也医師:
(被告の母親は)【軽度の知的発達症】と診断のつく重いレベル。言葉のやり取りは特に苦手で、裁判の場で呼ばれたときに全然答えられない。どんなに自分がつらかったというのも言語化できない。社会生活上の支障としては軽度の中でも、中等度に近いようなぐらい困っていたと思う。
証人として出廷した理由語る
熊本・慈恵病院の産婦人科医・蓮田健理事長:
「孤立出産」というのは産婦人科医も小児科医も経験しないので、臆測になってしまって、結果として(母親に)不利に働くわけです。「彼女たちの状況をわかった上で判決をくだしてもらいたい」と、「刑を軽くしてほしいという話ではなくて、わかってもらいたい」というとことで(今回)お手伝いした。もうひとつは、今後の再発防止です。
蓮田医師は事件の再発を防止するため、「孤立出産」に陥る女性たちの現状に目を向けるべきと訴える。
(中略)
人吉こころのホスピタル 精神科医・興野康也医師:
共通しているのは自己肯定感が低い。小さい頃から人に相談して助けられた経験に乏しい。誰にも相談できず一人で抱え込んでもんもんとして、結果的に、より最悪の行動をとってしまう。支援を提供できなかった精神科医療はどうなのか、学校はどうなのか、家族はどうなのか、職場はどうなのか、やっぱりみんな反省すべき点があると思うし、そこに注目した方が同じような事件が再発しないと思う。
もうひとつ、こちらも。
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松山地裁 「赤ちゃんポスト」の病院長 証人として証言
09月20日 18時21分
親が育てられない子どもを匿名で受け入れるいわゆる「赤ちゃんポスト」の取り組みで知られる熊本県の病院の院長が、出産したばかりの赤ちゃんを殺害した罪に問われている母親の裁判で証人として出廷し、孤立出産に追いやられる母親の背景について証言しました。
証言したのは熊本県の「慈恵病院」の蓮田健院長で、松山地方裁判所で開かれている33歳の母親が被告の裁判に弁護側の証人として出廷しました。
この中で、蓮田院長は自身が関わってきた事例を元に、孤立出産に追いやられる女性は、身近に相談相手がおらず助けを求められなかったり、軽度の知的障害を抱えていたりするケースが多いなどとその背景を証言しました。
そのうえでこの母親も家族との関係に困難を抱え、計画的な行動が苦手なことなどから、同様の傾向が見られるとして、こうした事情も考慮するべきだと指摘しました。
蓮田院長は全国各地で開かれる孤立出産のすえ、赤ちゃんを殺害するなどした罪に問われた母親の裁判で、証人として出廷する活動を続けているということです。
裁判の後、蓮田院長は、「祝福されて生まれてくるはずの赤ちゃんが命を断たれることも、母親が法廷に立たされることも、減らさなければならない。身元を明かさずに出産できる取り組みなどを広げることが必要だ」と話していました。
直接この事件とは関係ないのですが、同じ医者のこちらの発言はどうか。一部引用します。太字、文字のゴチック化は引用者によるものです。
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事件にいたった女性が繰り返した言葉
慈恵病院の蓮田院長は、孤立出産の末に事件にいたった女性たちの支援もしています。 2023年1月末に札幌地裁で始まった裁判で被告となったのは23歳の女性。ホテルの浴室で出産した直後、赤ちゃんを浴槽に沈めて殺害し、コインロッカ―に遺棄した罪に問われていました。
蓮田院長は、被告と面会したうえで女性がなぜ孤立出産に追い詰められてしまうのかなどを証言しました。
「赤ちゃんを殺してしまうというのは負うべき罪があると思うが、実は彼女たちも被害者なのではないかと思う」(蓮田院長)
女性は法廷で、親には子どもの頃から叱られ続けてきたと語りました。
「親からは否定されている、認められていないと感じていました。社会が求める普通ができない自分は異常だと思っていました」(被告女性の証言)
弁護側が行った精神鑑定では、女性は、知的能力がやや低い「境界知能」と「ADHD(注意欠如・多動症)」の傾向を指摘されていて、弁護側は、こうした特性から被告は人に相談したり計画的に行動したりすることが苦手だったと主張しました。
親との関係に苦しむだけではなく、学校や職場でもいじめを受け続けてきたという被告。ネットを通じて知り合った男性から毎月多額のカネを要求され、風俗で働き始めます。被告人質問では、「自分に自信がなく、この人しかいないという感じで、失ったら孤独になると思った」と語りました。
妊娠した原因はその風俗店で客から暴行を受けたことだといいます。なぜ警察に相談しなかったのか、なぜ妊娠した後どこにも相談しなかったのか―。被告人質問で女性が繰り返したのは「税金も払っていない、風俗をやっているような自分はサポートを受けられないと思っていた」という自分を卑下する言葉でした。
公判後、蓮田院長は、「もしまわりのサポートを得られていたらこんなことにならなかった。慈恵病院に来る女性たちも、まるで判をついたかのように同じ背景を持っています」と無念さを語りました。
当たり前といえば当たり前ですが、世の中「平凡な人」なら、おそらく「内密出産」というような事態にはならないし、ましてや子どもを殺したりするような最悪の事態にはもっとなりません。妊娠は避けるでしょうし、妊娠しても中絶などをするし、産むことになってしまっても、殺すという最悪の解決方法を取るわけがない。そのような人物は、慈恵病院の世話になるわけがないのです。ともかく
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もしまわりのサポートを得られていたらこんなことにならなかった。慈恵病院に来る女性たちも、まるで判をついたかのように同じ背景を持っています
という蓮田健氏の言葉は、いくらでもかみしめたいですね。いうまでもなく彼女らに罪がないわけではない。しかし彼女らになんらかの手が差し伸べられていれば、このような事態にはならなかったはず。ここは、やはりいろいろなサポートの網をつくって、1人でもこのような殺人を犯す人間を減らさなければいけません。北海道で起きたこちらの事件も、そのような女性がしでかした典型の事件ですね。
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閉じ込められた女性たち~孤立出産とグレーゾーン~
去年6月、北海道千歳市の駅のコインロッカーから乳児の遺体が見つかった。逮捕されたのは小関彩乃被告。小関被告は、妊娠が分かってから、病院にも一度も受診せず、誰にも相談せず、たったひとりホテルで乳児を出産。殺害し遺棄した罪に問われている。
孤立妊婦が赤ん坊を遺棄する事件が全国で後を絶たない。こうした孤立妊婦が無償で一時滞在できる全国でも珍しい民間の支援施設が札幌にある。「中絶したい」「頼れる人がいない」「親に内緒で産みたい」という切実な女性が門をたたく。
一方、事件の裁判では小関被告は知的能力がやや低く、発達障害のグレーゾーンと鑑定されたことが明らかになった。風俗店で働き、交際相手に依存し、妊娠を相談できなかったのもグレーゾーンの特性によるものだと弁護側は主張する。
予期せぬ妊娠を支援する団体や性風俗で働くグレーゾーンの女性たちの実態を取材。「最も共感されにくく、最も見えにくい存在」に光を当てる。
この事件は、1審で懲役5年がいい渡され、控訴審でも被告側の控訴が棄却、確定した模様です。
この女性も、おそらくまともな知能とまともな家族関係があれば、ここまでひどいことにはならなかったはず。先日の記事で私が書いた「三重苦」の持ち主というものでしょう。
私がいう「三重苦」(知的障害と精神障害があり、家庭環境の悪い人物)を持つ累犯障害者の、典型的なよろしくない末路だと思う私のいう三重苦とは、上のタイトルにあるように、
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①知的障害がある
②精神障害がある
③家庭環境が悪い
です。これらがそろわなければ、ここまでひどい事態にはならない。
ともかくあまりに予想通りの事態であり、まったく意外ではありませんが、やっぱりどうしようもないとはこのことですね。こういうことは、けっきょく行政が何とか動かないといけませんね。「少子化」なんてのも、こういうことを何とかしていかないといけないんじゃないんですかね。こういうことにきっちり対応していくことが、その他の少子化の問題などにも通じていくはず。もちろんそれは、教育費の補助とか奨学金制度の充実、大学の学費などの引き下げなどとも通じるかと思います。非常に悪質かつ極端な事例をご紹介すれば、中度の知的障害の持ち主が2人の女性への強盗殺人をして、死刑が確定した事件(現段階未執行)なども、最終的には行政がこの人物を見捨てた(なんら支援をしなかった)のが、事件の究極の要因ではないかと思います。この人物は、とても独り暮らしなどをできる能力はありませんでした。
行政その他の支援がなかったことが非常に悪い事態をもたらした大きな要因と思われる強盗殺人事件の実例自らも刑務所に入所した経験のある山本譲司氏が書いているところによると、
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日本の刑務所の場合、受刑者となった者は、まず知能指数のテストを受けなくてはならない。法務省発行の「矯正統計年報」によれば、2012年の数字で例示すると、新受刑者総数2万4780人のうち5214人、全体の21%が知能指数69以下の受刑者ということになる。測定不能者も839人おり、これを加えると、実に全体の約4分の1の受刑者が、知的障害者として認定されるレベルの人たちなのだ
だそうです。画像も、同じ記事より。障害者の犯罪というのは、ほんとにいろいろです。やはりこういうことを何とかすることが必要なのだと思います。