先日読んだ記事を。
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2023年12月02日共同通信
JR東日本の社員が駅の自動精算機から現金を抜き取るなどし、2021年10月から23年11月までに50回以上にわたって計約1200万円を着服した疑いがあることが2日、JR東や関係者への取材で分かった。JR東は公表していない。理由について「お客さまに被害が及んだものではないため」と説明している。
JR東や関係者によると、社員は23年11月、勤務先の田町駅(東京都港区)で自動精算機などから計89万円を取り出し、自身の銀行口座に入金。ボートレースのインターネット投票で全額を使い果たし、着服が発覚した。他の駅に勤務していた2年前ごろから着服を繰り返し、総額は1200万円に上るとみられる。
で、次のような続報を。
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券売機から現金抜き取り、1200万円着服 JR東の駅員を懲戒解雇
細沢礼輝2023年12月5日 11時00分
JR田町駅(東京都港区)の男性駅員が自動券売機や精算機から現金を抜き取って着服していたとして、JR東日本が4日付で懲戒解雇処分としたことがわかった。着服額は2年間で約1200万円に及ぶという。
JR東などによると、駅員は2021年10月から23年11月にかけて、田町駅や前任地の駅で計約50回にわたって着服を繰り返していた。ギャンブルにつぎ込んでいたという。JR東は「社員教育を徹底する」としている。(細沢礼輝)
この手の、役人とか大企業、あるいは団体職員などの着服、横領のたぐいを見ると、「男(女)関係」「ギャンブル関係」「推し関係」あたりが理由のことが多いかと思います。これもどうもそのようですね。
1200万円という総額が事実として、おそらくご当人が弁済するのは無理でしょうから、弁済があるとすれば、「親族が弁済した」みたいな形になりますかね。ご当人は不徳のいたすところですが、親族にまで迷惑をかける人間です。
さてさて。私が注目したいのがこちら。
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ボートレースのインターネット投票で全額を使い果たし
これが典型的なギャンブル依存症だと思います。ちょうど思い出したのが、私が記事にしたこちらの件。
(そのような人間はたくさんいるとはいえ)地元でない自治体における自分への期待に負けたか?(福井県職員の着服)懲戒免職になった福井県職員(県立高校事務員)は、ちょろまかした金を
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ほとんどをオンラインのギャンブルに使った
とのことで、つまりはおなじようなものです。またこちらの記事も。
佐藤忠志氏らのような全財産を使いつくした人たちとの対比が興味深い(子どもの有無は決定的だったのだろう)この記事で取り上げた男性は、知り合った女と一緒にだらだら馬券を買い続け、1000万円を超える金額を溶かしてしまいました。ギャンブルに恋愛感情がからむと、これまた始末に負えない。
だいたい世の中、死刑になったりする悪質な犯罪をしでかす人間の中には、明らかにギャンブル依存症もしくはその可能性が非常に強そうに思われる人間がいます。名古屋女子大生誘拐殺人事件の犯人は完全なギャンブル依存症だったかと思われます。私が現地を調査した泰州くん誘拐殺人事件の犯人も、相当なものだったらしい。
「最悪の誘拐事件」の現場を歩く(1)枚挙にいとまがないのでこの辺りでやめますが、ギャンブルは危険です。特に日本は、公営ギャンブルが盛んだし、カジノはまだありませんが、これもいずれできるかもだし(正直日本でカジノが儲かるほどの営業になるかは難しいと思っていますが、利権他で突っ走るのでしょう)、ジャパニーズ・スロットマシーンとでもいうべきパチンコは、日本津々浦々にある。そして毎年、親がパチンコに夢中になっている最中に、車の中や家の中で子どもが死んじゃうよろしくない事態が報道されます。さらにはこのJR東日本社員や福井県職員のように、オンラインのギャンブルとかになると、まさに救いがない。これは極端な事例ではありますが、もはや記憶の彼方かも。
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誤振込給付金でカジノ 25歳被告に猶予付き有罪判決 山口地裁
2023年2月28日 17時50分
山口県阿武町から誤って振り込まれた給付金を別の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われた25歳の被告に対し、山口地方裁判所は「オンラインカジノで遊ぶための犯行で、くむべき点は一切ないが、被害は補填(ほてん)されている」などとして、執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
阿武町の田口翔被告(25)は、町から振り込まれた国の臨時特別給付金4630万円を、誤って入金されたと知りながら、決済代行業者の口座に振り替えるなどしたとして、電子計算機使用詐欺の罪に問われました。
これまでの裁判で、被告の弁護士は、事実関係に争いはないとした一方で「電子計算機使用詐欺の罪は成立しない」として、無罪を主張していました。
28日の判決で、山口地方裁判所の小松本卓裁判官は「本件の送金行為などは、正当な権利行使とは言えず、電子計算機使用詐欺罪が成立する」と指摘しました。
そのうえで「被害額は非常に多額であり、オンラインカジノで遊ぶための犯行で、くむべき点は一切ない。町の職員の働きかけにも応じず、法規範を軽視する態度も見られ、実刑に処すべき事案だが、被害は補填されていて、違法性は相当程度減少する」として、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。
判決のあと、田口被告の弁護士は控訴したことを明らかにしました。
このニュース(この判決でなく、一連の誤送金から逮捕などにいたるまでのもの)をリアルタイムで報道で聞いていて、阿武町といい田口某といい、ほんと救いのない馬鹿だなあと呆れ返りましたが、田口某のクズぶりはともかく、やはりオンラインカジノなんぞにそこまで金をつぎ込むあたり、こいつもそうとうなギャンブル依存ではなかったか。まったくもってどうしようもない。
人の世から、売春と並んでギャンブルというのはなくなることはないでしょうから、ギャンブルをしたい人は、まずはgoogleでギャンブルと検索してみることです。すればわかるように、ともかく依存が一番問題です。公営ギャンブルをやっている自治体やJRAですら、免罪符のつもりかもですが、その問題から逃げてばかりもいられないわけで、いろいろサイトを出しているわけです。ギャンブル依存になったら自力では対処できません。早急に医療機関・関連機関にご相談してください。
というわけに最後に、また以前ご紹介した金言を。
これはなかなかの金言だと思う(というわけで、読者の皆さまにもご紹介)>
依存症の分野では、それまで常識と考えられていたことが、次々に覆される。以下はパラドックスの例だ。
・手を放せ
・重症者の方が回復する
・やめようとすることをやめろ
・自分の意志を使うな
・病気になったことは恵み
・無力を認める
・嫌いな人は自分の鏡
・希望をもつのはいい。だが、期待するな