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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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1人当たりの食肉消費量がずばぬけて世界一の国(地域)が世界平均寿命トップなのだから、肉食が体に悪いという考えは相当に無理があると思う

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一昨日(2023年12月26日)ちょっと面白い統計を知りました。スクリーンショットを。出典はこちら

さらに細かい数字の表を。1位~10位ということで。

いかがでしょう。南北アメリカ、オセアニア、アジア、中東など、世界中に広がっているのが興味深いですね。さらに平均寿命ランキングを。出典はこちら。「世界経済のネタ帳」さんより。

中国の特別行政区である香港とマカオが1位と2位で、日本は3位となっています。

それで、上の表でお分かりの通り、香港とマカオは、世界で肉の消費量が1位と9位とあります。特に香港は、2位の米国を20㎏も上回る断トツの肉消費大国です。

ということはですよ、これは香港の長命の原因の1つは、この肉消費にあるということもいえそうですね。あるいは、それがたいして関係ないのであれば、人間が何を食するかということは、寿命の長短にそんなに関係ないということもいえそうです。いずれにせよ肉を食うのは寿命を縮めるという考えは、あまり正しくないといえないか。さてさてまたその本かということになりそうですが、本多勝一著『はるかなる東洋医学へ』をちょっと批判してみます。

なお肉食をしないという理由として、エコロジー的な観点とか(飼料が大量であるなど)、殺生の問題とかもありますが、ここではあくまで肉食が体に悪いかどうかということで議論します。以下文庫本から引用します。


極論すれば、毎日の食物もクスリのようなもの、何年も毎日食べるのが「いいもの」か「毒物」かで健康に大差が出るのも当りまえではありませんか。(P.161~162)

そうかもしれませんが、しかし上にある平均寿命が長い国を見ても、香港とマカオ、リヒテンシュタインとスイスといった文化が似通った国々、あるいは10位から12位まで北欧の国々が続いていますが、全体としてはそんなに食生活が共通しているとは思えませんね。香港と日本とスイスとオーストラリアでは、朝昼晩と、食べる物はずいぶん違うはず。ってことは、なにを食べるかというのは、そんなに寿命には決定的な影響を与ええないと考えたほうがいいんじゃないんですかね。で、本多氏は次のように書いています。


では、欧米型食生活がなぜよくないかを、しばらく雑談的に”語る”ことにしましょう。その基本には、東洋医学的な考え方として境信一氏による解説が背景にあることをお断りしておきます(P.152)

また境氏ですか(苦笑、呆れ)。こんな詐欺師・ハッタリ屋・デマ屋・大言壮語家・うそつき・デタラメな野郎にそんなに依存してどうしようというのか。呆れ返るにもほどがあるというものです。だいたいその後(いつ頃かは定かでありませんが、2019年以前)に、境氏は亡くなっています(苦笑)。彼の死因は知りませんが、事故死とか自殺とかならともかく、病死だったらいかに境氏のほざいた


東洋医学的な考え方

などというものがあてにならないかということです(笑)。彼の死亡時の年齢は知りませんが、おそらく平均寿命よりは若いはず。そもそも境氏が、東洋医学の見解を代表するような大物というものでもないでしょうに。

だいたい欧米型食生活といいますが、上の表の平均寿命ランキングを見ても、上位10か国の中でリヒテンシュタイン、スイス、オーストラリア、スペイン、ノルウェーは欧州の国家と、オセアニアに位置する白人の比率の高い国家です。リヒテンシュタインとスイスは食生活も共通しているところが大きいかもですが、その他3か国は、アングロサクソンの系統をくむ移民国家、ラテン系の国、北欧と、食べる物もだいぶ異なっているはずで、一概に「欧米型食生活」でまとめられるようなものでもない。

で、本多氏いわく。


いまの人類のなかで、いちばん肉を食べている国あるいは民族はどこでしょうか。私も世界中くまなく見てきたわけではありませんが、たぶんアルゼンチンではないかと思います。(P.153)

上の表では、アルゼンチンは、世界5位ですね。本多氏がアルゼンチンを取材したのは1988年ですかね? 単行本が出版されたのが97年で、文庫本は2004年です。その当時はまた違うのかもですが、現在では、アルゼンチンが世界で最も肉を食っているというわけではなさそうです。


その結果、これは統計上の数字を確認はしていないので断定は避けますが、現地で聞いた話では心臓病や糖尿・痛風その他の生活習慣病が非常に多いとのことです。当然でしょう。街角で通行人を見るだけでも、異常な肥満体や顔つきの男(女も)だらけ、あれでは長生きできない。平均余命を在日大使館で聞いたところ、どうも正確な統計がないようです。(同上)

さすがに正確な統計がないというのは「?」ですが、どうしたものか。本多氏によれば「正確でない統計」なのかもしれませんが、こちらの表を。ついでにベジタリアンが多いインドの平均寿命の推移をもグラフにします。「世界経済のネタ帳」さんから作成したものです。出典はこちらから。

上の表も同じく「世界経済のネタ帳」さんからの作成です。こちらをご確認ください。1988年のところでは、アルゼンチンはすでに70歳を超えていますし、またインド人は70歳を超えたのが2016年です。いうほどベジタリアン国家が平均寿命が長いわけでもない。出典は、World Bank - Data Indicatorsです。

平均余命」と「平均寿命」とはまた違いますが、こうやってみると、アルゼンチンが、本多氏がいうほど平均寿命が短いということでもありませんね。ていうか、こういう重大な問題について、統計に当たり切れないで書くというのは、さすがに軽率のそしりを免れないと思います。

記事が長くなったので、今日はここでおしまいにしますが、続きでは、本多氏のトンデモぶりをごってりご紹介しますので、乞うご期待。


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