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Channel: ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
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英国は次の選挙で野党(労働党)が勝ちそうだが、日本では首相交代程度で自民党・公明党連合が有利じゃね?(上)

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旧聞ですが、英国で地方選挙が行われて、国政与党で ある保守党が議席をだいぶ減らし、この10何年野党である労働党がだいぶ議席を伸ばした模様ですね。記事を。


イギリス地方選で与党・保守党が議席大きく減らす 労働党は総選挙求める

更新 2024年5月5日
英イングランドで2日に行われた地方選挙で、4日午後までの開票の結果、与党・保守党の連敗が明らかになった。イギリスでは来年1月末までに総選挙が行われるため、それに先立つ最後の大規模な前哨戦だった今回の地方選は、保守党にとって過去最悪レベルの結果となった。

保守党は、候補を立てた議席の半数近くを失った。計10の行政機構で多数党から少数党へと転じ、地方議会で計473議席を失った。

対照的に最大野党・労働党は、主な行政機構の議会選や首長選、北部ブラックプールでの下院補欠選挙などで連勝した。地方議会で計185議席を増やし、8行政機構で多数党に転じたほか、ロンドンやグレーター・マンチェスターでの再選を含め11カ所の首長選のうち10カ所で勝利した。

ロンドン市長選では労働党現職のサディク・カーン氏が得票率43.8%と、保守党候補の同32.7%を大きく引き離し、27万6000票以上の票差で3選を果たした。

4日夜まで開票が続いたウェスト・ミッドランズ行政機構の首長選では、労働党の新人リチャード・パーカー候補が1508票差で、保守党現職を下した。

野党・自由民主党も、各地の地方議会選で計104議席を増やした。無所属候補は計93議席、緑の党は計74議席を増やした。

ウェスト・ミッドランズ首長選の勝利を現地バーミンガムで祝った労働党党首のサー・キア・スターマーは、「今回はまずブラックプールで票の26%が(労働党支持に)転じたのを皮切りに、ここウェスト・ミッドランズでは(労働党の)新人首長リチャード・パーカーが勝利するに至った。この間、各地の首長選や地方議会選、警察犯罪コミッショナー選挙でも、我々の候補が大勢勝利している」と喜んだ。

労働党新人が保守党現職を僅差で破ったウェスト・ミッドランズ首長選の結果を「予想外」の「快挙」だとスターマー党首は歓迎し、「(有権者は)もう14年も続く衰退とカオスと分断に辟易(へきえき)としている」のだと保守党政権を批判。リシ・スーナク首相に対してあらためて、総選挙の実施を強く求めた。

対するリシ・スーナク首相は選挙結果を「残念だ」と認めたものの、総選挙で労働党が勝つと決まったわけではないと強調した。

保守党が唯一勝利した首長選は、イングランド北部の合同行政機構ティースヴァリー。保守党現職のベン・ハウチェン氏が3選されたが、得票率は大きく後退した。

ハウチェン氏応援のため3日に現地入りしたスーナク首相は、ティースヴァリーでの勝利は「有権者は私たちを応援し続けてくれる」と示すものだと、空港で記者団に話した。

「(労働党は)総選挙で勝つにはここで勝つ必要があると承知している」ものの、「(有権者は)ティーサイドとイギリスの明るい未来を築いているのは保守党だと、承知している」のだと、首相は成果を強調した。

他方、新設された合同行政機構「ヨークおよび北ヨークシャー」には、スーナク首相の下院選挙区も含まれるが、首長選には労働党が勝利した。

労働党のスターマー党首はイングランド北部のノース・ヨークシャーで3日、「保守党地盤の中心地」における「歴史的な」勝利を喜び、総選挙への期待を示した。

「間違いなく歴史的な勝利だ。いつもなら労働党が勝てない場所で私たちは、成果を挙げて、労働党に投票するよう大勢を説得することができた」と、スターマー氏は喜んだ。

(中略)

これが総選挙だったら……
今回の開票作業は5日まで続く見通し。イギリスの選挙研究者、英ストラスクライド大学教授のサー・ジョン・カーティスは、保守党にとって過去40年来で最悪レベルの選挙結果になるだろうと話した。

カーティス教授は、2日の選挙が全国的なものだった場合、そして有権者がどの地域でも今回投票した人たちと似た傾向で投票したと仮定すると、得票率は労働党34%、保守党25%になっていただろうと推定した。

総選挙でどう投票するか、今回の地方選の直前に有権者に尋ねた全国世論調査では、労働党が最大20ポイント、保守党にリードしていた。

略した部分は、イスラム教徒の票は労働党へのものが減っているとか、そのからみで保守・労働両党への投票が第三の政党に回っているという指摘ですので、興味のある方は元のサイトをお読みください。さらにこちらは、読売新聞の記事です。また下の表は同じ記事より。


イギリス地方選で与党・保守党が大敗、支持率最低レベル…14年ぶり政権交代が現実味
2024/05/06 00:04

 【ロンドン=蒔田一彦】英国で2日行われた地方選で、スナク首相率いる与党・保守党は大敗を喫した。保守党の支持率は過去最低レベルまで落ち込み、年内に行われる見通しの総選挙では2010年以来14年ぶりの政権交代が現実味を帯びてきた。

労働党が躍進
 今回の地方選は、イングランドの107自治体の議会選と11の市長選が行われ、総選挙の前哨戦として注目が集まった。

 英BBCによると、日本時間5日夜までに議会選は全107自治体で開票を終え、保守党は現有989議席の半分近くにあたる474議席を失った。過半数を占める自治体は10減となった。一方、獲得議席トップの労働党は186議席増やし、過半数を占める自治体は8増となった。保守党の獲得議席は自由民主党を下回り、3位に沈んだ。

 労働党のキア・スターマー党首は4日、「我々が保守党政権に送るメッセージは明確だ。我々はあなたたちの分裂や混乱、失敗にうんざりしている」と語気を強めた。保守党の地盤でも得票を伸ばした選挙結果を受けて「我々は有権者の信頼と信用を得た。総選挙に向けて前進している」と自信をのぞかせた。

国民の不満
 市長選は労働党がロンドンを含む10市で勝利し、保守党は1市で現職が再選を果たしただけだった。史上初の3選を決めたロンドンのサディク・カーン市長は4日の勝利演説で「労働党は再び政権を担う用意ができている。スナク氏は国民に選択肢を与える時だ」と述べ、総選挙の早期実施を求めた。

 14年間、政権与党の座にある保守党の支持率は、1か月余りで退陣を余儀なくされたリズ・トラス前政権下で急落して以降、低迷が続く。

 英調査会社ユーガブが2日に発表した最新の世論調査結果では、保守党の支持率は18%にとどまり、労働党の44%に大きく離されている。2020年の欧州連合(EU)離脱後、自由に経済政策や移民対策を展開できると期待されたが、経済の低迷や移民の増加が続き、国民の不満が高まっていた。

降板求めず
 しかし、地方選を巡り、スナク氏は4日付英紙テレグラフの寄稿で「労働党は(下院で)過半数を取るために必要だとしている場所で勝てていない」と指摘した。経済や移民問題、防衛などで保守党の政策は効果を上げている一方、労働党には具体策が欠けていると主張し、次期総選挙は「プランのある党とプランのない党の対決だ」と訴えた。

 保守党内では「スナク降ろし」の動きも高まっていない。強硬派の代表格であるスエラ・ブラバーマン前内相は5日のBBCで、選挙結果について「スナク氏の決断の結果であり、責任を負わなければならない」としつつ、総選挙前の党首交代は「十分な時間がない」と否定的な見方を示した。

 スナク氏は今年後半に解散総選挙を行うとしており、米大統領選直後の11月が有力視されている。スナク政権は7月に不法移民のルワンダ移送を始め、秋には減税を含む予算案を発表して国民の支持を得たい考えだが、支持率のV字回復は困難とみられる。

上の表にもあるように、かなり以前から労働党が手厚く支持を伸ばしていまして、次の選挙では政権交代ではというのが伝えられていました。昨年10月の記事を。

英国スナク政権発足から1年-視野に入る次期総選挙と政権交代

今年1月の記事。

与党不振、政権交代も 再生遠いスナク保守党―英

昨年6月の記事。

ブレイディみかこ「来年の政権交代が予想される英国、労働党は14年ぶりに政権奪還か」

ブレイディみかこさんは政治ライターというわけでもありませんが、つまりはそういう人でもそういったことを書くくらい、昨年の時点で英国の政権交代の可能性は高いということが公然と語られているということです。

前回2019年に執行された英国下院(庶民院)選挙は、12月12日に投票が行われました。次の選挙は、来年1月24日までに施行されます。早ければ今月5月にも選挙があるのではないかという予想もありましたが(朝日新聞に、「英国総選挙は5月?  支持率逆転狙う保守党と「変化」求める国民」という記事が3月6日に発表され、


今後の焦点となるのは、総選挙の時期だ。スナク氏は1月に「今年後半」と明言。だが複数の英メディアは、5月2日の地方選と同日実施の可能性もあると報じている。

とあります)、現在は、上の記事にもありますように、11月の米国大統領選挙の後くらいになるのではないかという観測もあります。基本(当然ながら)解散権をもつ内閣が、自分の所属する与党に一番有利となると考えられる時期に解散に打って出たいわけで、任期満了が近づくということは、だいたいにおいて与党が不利になる公算が高いということになります。英国では、1979年に保守党が勝ち、以降83年と87年に勝ち、今度は労働党が勝つんじゃないのといわれた92年の選挙でも保守党が勝ったので、朝日新聞社の政治記者だった石川真澄は大要「もう労働党は政権をとれないのではないか」とまで書いていたと記憶しますが(手元に実物がないのでめったなことはいいませんが、1993年に出版された『小選挙区制と政治改革――問題点は何か』だったと思う)、97年に労働党が勝ったので石川の予想は外れました。で、この時の97年の選挙は、4月8日に解散、5月1日の投票でした。前回の92年の選挙では、3月16日に解散、4月9日の投票でしたので、ほぼ満期までつとめたこととなり、つまりはこれは、保守党が次の選挙は厳しいと考えていたということです。これは日本の2009年の政権交代選挙、21年の前回の日本の衆議院選挙も同じこと。ただし21年の選挙では与党が勝ちましたが。この話はまた後で書きます。

英国の92年の選挙も労働党必勝と世論調査などでは伝わっていましたが、なんとか保守党が(たぶん冷戦終結なども理由にあったのでしょう)勝ちましたが、97年では惨敗、2001年、05年の選挙でも労働党が勝利し、結党以来はじめて3連勝しましたが、2010年に保守党が勝ち政権交代(なおこれも、ほぼ任期満了でした)、保守党は15年、17年、19年と勝ち4連勝しましたが、5連勝は難しそうです。もっとも92年の選挙のように、世論調査が外れることもあるので実際のところはわかりませんが。

が、ともかく、英国民は、現段階保守党にいい顔をしていないのは確かなようです。では日本はどうかですが、長ったらしい記事になったので、明日また続きを。よって旅行記事はスライドして、日曜と月曜の記事とします。


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