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そこまでして、国会議員なんぞになろうとするかと思う(井戸正枝(まさえ))

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これまた「おいおい」の記事ですよね。


国民民主党、衆院東京に4人擁立 元職と新人
2024年5月31日 18:20
国民民主党は31日、次期衆院選の東京都内4小選挙区の公認候補として、元職井戸正枝氏と新人3人の計4人を内定したと発表した。

井戸氏は2009年衆院選兵庫1区で旧民主党から立候補して初当選し、1期務めた。21年衆院選は東京15区で立憲民主党から立候補していた。

公認内定者は次の通り。(「元」は元職、表記なしは新人。敬称略)

東京4区 井戸正枝(元)▽東京13区 森洋介▽東京14区 伊藤菜々▽東京20区 大西健太郎〔共同〕

井戸正枝(まさえ)は、宮城県出身で、結婚・離婚後兵庫県に転居、民主党の兵庫県議を経て2009年の政権交代選挙で兵庫1区で当選、12年の自民党政権復帰選挙で落選します。その後14年の選挙で彼女の地元の宮城県の宮城4区で立候補、落選。17年の選挙は東京4区で新たに結成された立憲民主党から出馬し落選、先日補欠選挙のあった東京15区に回されます。ここで21年の選挙で落選、そして国民民主党に鞍替えして、東京4区に戻ったわけです。詳細は、彼女のWikipediaでもご覧になってください。

それにしてもねえ・・・(苦笑)。兵庫1区→宮城4区→東京4区→東京15区→政党を変えて東京4区ですか。これねえ、つまり彼女、地元の後援会や支援者たちとまともな関係を気づけていないってことじゃないですかね。実は私、彼女の本を1冊だけ読んだことがあります。こちらの本でした。

無戸籍の日本人

で、この本を読んだ日のことは今でもよく覚えています。2017年10月22日でした。私の地元では大雨が降っていました。この日衆議院議員選挙が執行されて、彼女は落選したわけです。この本自体は、特に彼女が議員に立候補していたから読んだというわけでもないのですが、本としてはなかなか面白かった記憶があります。で、この選挙と前後して(公式の発売日は2017年10月21日ですから、まさに選挙とかち合ったわけです)下の岩波新書が発売されています。こちらは未読です。

日本の無戸籍者 (岩波新書) 

さてさて、それでは井戸の話を引用してみましょう。彼女のX(旧ツイッター)より。


この度、国民民主党東京都第4区総支部長に就任いたしました。
皆様にご報告をさせていただきます。

私は2003年旧民主党に所属し、以来兵庫県議会議員(2期)、衆議院議員(1期)を務めてまいりました。
政治に関わるようになってからも、ライフワークである無戸籍問題をはじめ、法の狭間で苦しむ人々の支援、子どもの貧困問題などに取り組んできました。

一方で、選挙については、度重なる「党事由」によって選挙区変更を余儀なくされてきました。関西、東北、東京とそれぞれの選挙区の実状は大きく異なっており、それを、身をもって知ったことは、いま日本の置かれている状況への理解を深める経験となりました。
しかし、選挙に勝ち抜かなればならないという側面では、非常に大きな負荷でもありました。

前回、2021年の衆議院選挙以降、自分が体験していることが、単に個人的な問題というよりは日本の政治課題である、たとえば女性の政治参画を阻む壁であったり、政治とカネの問題に象徴されるような、日本全体を停滞させる構造的問題を内在しているのだと認識するようになりました。
だからこそ、諦めず、継続して活動していかなければならないと痛切に思っています。

最近(事務所が大学の近くにいることもあり)若者たちと話す機会が多くあります。彼らは今の政治に失望しているように見えます。が、支持している政党についての話になった時に、遠慮がちに「国民民主党」と立て続けに言われ、それがマジョリティになっていることに良い意味で衝撃を受けました。

雇用に力を入れ、現実路線をとっていることが若者たちに響いているならば、私もそこで何か力を尽くせるのではないか。
私が国民民主党さんに合流したのは主にこの2点が主な理由です。

(以下略)

「党事由」とありますが、上でも指摘したように、つまりは彼女が、地域であまりうまくやっていけてなかったってことです。それにしても


が、支持している政党についての話になった時に、遠慮がちに「国民民主党」と立て続けに言われ、それがマジョリティになっていることに良い意味で衝撃を受けました。

ねえ(苦笑)。つまりは、井戸と接触してくれる政党が、国民民主以外ないってことでしょう。そもそも国民民主って雇用にそんなに熱心な政党なのか。とくにそんなこともないんじゃないんですかね。「雇用」というのは、どこの政党だって重視します。Wikipediaによれば、井戸って


憲法改正について、2017年のアンケートでは「どちらかといえば反対」と回答。2021年のアンケートでは「反対」と回答。
憲法9条への自衛隊の明記について、2021年のアンケートで「反対」と回答。
安全保障関連法の成立について、2017年のアンケートで「評価しない」と回答。
集団的自衛権の行使に反対。


「原子力発電への依存度について今後どうするべきか」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「ゼロにすべき」と回答。

だそうですが、国民民主党って、HPによれば


憲法改正に向けた論点整理

とあるし、原子力発電については、今年4月8日の代表の発言を引用すれば、


 昨日、能登半島地震の後で初めて、志賀原発に視察に行ってきました。非常に心配されていたいくつかの点について確認ができました。結論から言うと、安全性に問題がないことを確認できました。特に敷地内の断層がこれまでもずっと議論になってきましたけれども、今回の地震でその敷地内断層が動いたかどうかが大きな争点の一つでした。昨年の3月に原子力規制庁でも、これは600万年前の断層であって、13万年前より最近の活断層ではないという結論が出ておりました。今回の地震でもこのS1断層という一番長い敷地内断層が動いていないことを、私自身も目視で確認もできましたし、そういった説明も受けました。その意味では、志賀原発施設内の断層については活断層ではないということが改めて証明された格好になったと思いました。こういったことを、正確に科学的根拠に基づいて情報発信していくことが必要だと改めて感じました。
 もう一つはやはり、この原発で働いてる人もそうですが、電力のインフラの現場で働いてる方は電力の安定供給を実現するために誇りを持って懸命に働いている、そういった姿にも直接触れることができました。時にいろいろな批判や根拠のない様々な誹謗中傷にも遭っていると思いますけれども、やはり政治の立場でも客観的で科学的な根拠に基づいた情報発信をしっかりと行っていくことが必要だと、そして彼らの働きをしっかりサポートしていくことも必要だと改めて実感いたしました。

というわけです。全廃どころの話ではない。

でですよ、仮に井戸が次の選挙で議席を取れればまだいいとしましょう。東京4区は基本自民党か自民党色の強い保守系無所属が強い選挙区で、正直小選挙区で井戸が勝てる可能性はほぼありません。比例復活だって、2021年の選挙で東京ブロックでの国民民主党の得た票は306,179票に過ぎず、れいわ新撰組の360,387票にも及びません。れいわは1議席獲得していますが、国民民主はゼロです。まず比例復活もできない相談でしょう。詳細はこちらを参照してください。

私は1年弱前になりますか、次のような記事を発表しました。

そこまでして、国会議員なんぞになろうとするかと思う

元官房長官の息子である河村建一が、自民党から衆議院選挙でも参議院選挙でも冷遇されたので、自民党を離れ維新から立候補するというニュースを知って、「そこまでして国会議員なんかになりたいか」と思い書いた記事ですが、これと同じですね。井戸正枝もまさに「そこまでして国会議員なんかになりたいか」です。

失礼ながら井戸は、2009年~12年の際の議員生活において、自分はどれくらいのことができて、どのような問題があり、今後自分が議員になったらそれらをどのように乗り越えるかとか、次の人気ではどのようなことをしたいとか、そういった基本的な問題についてどれくらい考えているんですかね? 選挙の際の公約や、現在の自分のHPなどに記しているような総花的な話でなく、ある程度のきっちりと端的にまとめたようなものを有権者に提起する用意があるのか。ないんじゃないんですかね。あったら、さすがに国民民主党に移籍するなんてことはしないしできないでしょう。

彼女は博士号を持っているくらいの学究肌な人間であり、別に国会議員なんかにこだわる必要もないと思うんですけどね。河村建一は、22年の参議院選挙(安倍晋三が殺された選挙)で、当時の新聞記事によれば、


父が返し切れなかった恩を私に返させてほしい

と訴えたとのことですが、つまりはそんなくだらんことをほざいているわけです。もうすこしましなことを言えです。そしてそれは、井戸も同じようなものじゃないですかね。仮に井戸が、何かの間違いで当選したとして、河村について私が前記事で指摘したように、


今後彼が仮に国会議員になれたとしても、彼は非常に不幸だと思いますね。1度なれても再選されるかかなり厳しいでしょう。綱渡りの人生にならないか。自民から維新に行く以上、これは自民党で積み上げたものを捨てるということでしょう。それはご当人の判断ですからしょうがないですが、国会議員なんぞ目指さないほうがこの人の人生は、よっぽどいいと思います。が、それがそうもいかないのが世の中なのでしょう。

ということとおなじではないか。その次の選挙で再選できるか。まず難しいでしょう。本気で議員にまたなりたいのなら、立憲民主党で我慢していたほうがまだ可能性があるのではないかと思いますが、そのあたりの拙意見の妥当性はともかく、いずれにせよ河村建一といい井戸正枝といい、常軌を逸しているのたぐいではないか。

ていうか、河村建一は地方政治家にはなりたくないのでしょうが(ちなみにご当人の叔父(父親の弟)は現在山口県萩市の市長です。それ以前に県議をしています)、そんなことを言えた立場ではないし、井戸にいたっては地方政治家(兵庫県議)出身なわけで、たとえば東京にこだわるのであれば、都議会議員や区議会議員ならまだ当選も可能でしょう。地方政治家ではそんなに嫌なんですかね? 嫌なのでしょうが、彼女だって河村建一同様、そんなことを言える身分じゃないでしょう。お二人とも典型的な「勘違い人間」だと思います。

もっとも彼女が松下政経塾の出身であることは知っていましたが、民主党政権時代に菅直人首相辞任後の代表選挙では、前原誠司の推薦人に名を連ねていたそうですからね。これはこの記事を書いていて知りました。松下政経塾の先輩だという義理でもあったのかもしれませんが、たぶん彼女は、国民民主党に移籍すること自体には、そんなにイデオロギー的には抵抗はないのかもとは思います。定かではありませんが。なおこの記事は、bogus-simotukareさんの記事からヒントをいただきました。お礼を申し上げます。またその記事では拙記事もご紹介いただきました。ありがとうございます。


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