>
下関市 さび飛散で車83台に被害 約1400万円支払いへ
06月03日 17時11分
去年11月、下関市が管理する施設で職員が屋上の手すりのさびを落としたところ、飛散して近くの自動車販売店などの83台の車に付着する被害があり、市は原状復旧費用などとして、およそ1400万円を支払うことになりました。
下関市によりますと、去年11月2日と7日、「下関市リサイクルプラザ」の4階建ての管理棟の屋上で、市の職員3人が転落防止用の手すりについたさびを研磨機で落とす作業を行いました。
その後の11日、近くの自動車販売店の従業員が洗車の際に車体に付いた赤い鉄粉に気づき、リサイクルプラザに問い合わせがあったということです。
市が確認したところ、半径80メートルほどの範囲でさびが飛散し、近くの2つの自動車販売店で扱う新車や中古車、それにリサイクルプラザ敷地内に駐車していた車などあわせて83台に付着していたということです。
このため、市では過失があったとして被害車両の原状復旧のための修繕費用や代車費用など、あわせておよそ1400万円を支払う予定で、このうち1000万円は保険で支払いますが、残り400万円は持ち出しだということです。
市環境部の吉田誠部長は、「周辺の事業者にご迷惑をかけたことを大変申し訳なく思います。今後、さび取りには十分注意したい」と話していました。
飛散したさびが金属に付着したらほんと始末に負えません。そういうことご存じなかったんですかね? 参考記事を。一部抜粋。
>
鋼板製の煙突の場合、時間が経つにつれて内部に錆が発生します。内部の錆は排ガスとともに周囲に出て行ってしまいます。錆が周囲に飛散しないようにするためには、対策が必要です。
>
サンドブラストは、設備を建てた後に行っていく定期的なメンテナンスといえます。煙突工事を行う最初の段階で、錆が周囲に飛散しないように工夫を行うことができます。
円筒の頂部に、頂部飛散防止金網を取り付けると、錆の飛散防止に一役買います。
金網の網目は15mmほどで、それ以上大きな錆が周囲に出ていくことを防ぎつつ、排ガスを外に排出します。
ただし、15mmよりも小さな錆については防ぎようがありません。完全に網目をなくしてしまっては、排ガスを出すことができませんから、設備の意味がなくなってしまいます。小さな錆が出て行かないようにするためにも、定期的なサンドブラストによる錆除去作業が必要になります。
金網は、特殊ステンレスなどの耐食性能の高いものを使用します。
>
以上のように、錆を設備周辺に放出しないための工夫が行われています。設備の使用には、周辺環境への配慮が必須です。環境に優しく、そして設備を長く使っていくためにも、最初の設計と定期的なメンテナンスが大切なのです。
うんなもん上の記事にあるように、
>
さびを研磨機で落とす
なんて気楽にできるものではありません。防塵に細心の注意をしなければいけない。で、ちょうど昨年こんなことが起きたようですね。
>
千葉市北清掃工場において、焼却炉の煙突から煙突内の鉄錆の飛散が発生しましたので、
お知らせします。
このたびは、北清掃工場近隣にお住まいの方、事業者の方にご迷惑をおかけしたこと、ま
た、市民の皆さまへご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げるとともに、今後、再
発防止および工場の適正な管理に努めてまいります。
1 事案の概要
北清掃工場には焼却炉が3炉あるが、そのうちの3号炉の設備修理を行うため一時的に
焼却炉の稼働を停止し、修理が完了した翌日夜間に焼却炉を再稼働させたところ、煙突の
壁面に発生していた鉄錆が上昇気流に乗って吹き上げられ、3号炉の煙突から飛散した。
(中略)
3 鉄錆の飛散状況および被害の状況
周辺地域の被害状況を確認したところ、北清掃工場から北西へ550メートル圏内にお
いて、建物や外構、車両に鉄錆が飛散していることを確認した。
かくのごとく うんなもん自動車販売店などと隣接している行政施設で、研磨機を使うとかそんな大胆なさび落としなんかすることないじゃないねえ。さび取りだから、おそらくそんなに近々に作業をしなければやばいとか危険とかそういうこともなかったんじゃないんですかね? いずれにせよなんらかのよろしくない事情があるなら、屋上への出入り禁止を徹底すればとりあえずは大丈夫でしょう。それ以上のなんらかの危険な事態が差し迫っているということはたぶんない。
で、遅ればせながら現場の写真を。引用もとはこちら。元記事は毎日新聞です。
風が吹いたらそうとう豪快にさびが飛びそうですね。これでは目も当てられない。
さてさて、1,400万円という損害のうち、1,000万円は保険で賄えられるのは幸いですが、400万円は関係者に弁済させるんですかね。プールの水の関係で、栓を閉め忘れた教員が弁償する羽目になるなんてことが報道されています。NHKの報道は端的にまとめられています。こちらは教職員組合の立場のHPですので、参考までにお読みください。今回の事例では、個々の職員のミスというより、指示された業務の一環としての不備ですので、仮に個人の責任を問うのなら、作業をした個々の職員よりその業務を指示した管理職の責が大きいですかね。この辺りは違っていたら乞うご容赦。いずれにせよNHKの記事にあるように、これは教職員のものですが、
>
賠償備える保険 支払額が増加
教職員共済生活協同組合=教職員共済では、教職員の業務中のミスなどで損害賠償が必要になった場合に備える保険を、2011年から取り扱っています。
プールの水を出しっぱなしにしてしまったというケースのほか、▼卒業アルバムの校正ミスで刷り直しが必要になったり、▼運動会が延期になった際に給食を止め忘れたり、▼敷地の草刈り中に石が飛んで車を傷つけてしまったりと、さまざまな事案があるということです。
保険金の支払額は増加傾向が続き、2013年にはあわせて880万円ほどだったのが、2022年度は倍の1890万円ほどに増えたということです。
のような保険に入っておくことが必要なのかもですね。行政公務員などにもこのような事態に備える保険はありますので、「革命的警戒心」をもって対応したいものです。うんなことでビタ一文金なんか払いたくありません。掛け金なら許せます。