たまたま昨日、このブログで前に記事にした2人の人物のその後についての記事を知りました。どちらも「どうもなあ」というものですが、しかしいろいろ考えさせられるものはあります。
>累犯障害者に逆転有罪 大阪高裁、判決責任能力認める
京都新聞 8月12日(火)23時29分配信
常習累犯窃盗罪に問われた重い知的障害がある男性被告(37)=京都市=の控訴審判決が12日、大阪高裁であり、上垣猛裁判長は無罪とした一審京都地裁判決を破棄し、懲役2年を言い渡した。一審と異なり「心神耗弱」で刑事責任能力はあると判断した。弁護人は最高裁に上告する方向で検討している。
判決によると、被告は2012年9月、京都市内の自動車販売会社展示場で車を盗むなど、自動車盗を繰り返した。同様の罪で5回服役しており、一審の精神鑑定で精神年齢は4歳程度とされた。一審判決は違法性の認識や行動制御能力がないに等しく、心神喪失の疑いが残り責任能力なしと判断した。検察側は心神耗弱として控訴していた。
判決理由で上垣裁判長は精神鑑定した医師の公判証言を重視。従業員の隙を見計らって車を盗み、警察官やヘルパーにうそをついている点などを挙げて「是非善悪の弁別や行動制御の能力が著しく減退しているが、全く失われていたとはいえない」と判断した。
判決後、被告弁護人を務める西田祐馬弁護士は「危険な人物は社会に放置できないという政策的判断の結果ではないか」と語った。
被告の支援を続ける障害者福祉施設の所長(52)は、判決が情状として「福祉機関の支援体制が構築されている」と指摘した点を「本人不在の中、支援体制を維持するのはしんどい。服役が長引くほど社会での受け皿は弱まる」とした上で、「刑務所では人から認められるような経験は望めない。地域での支援の中でこそ、それができる」と話した。
.最終更新:8月13日(水)8時29分
こちらも。
><重度知的障害>大阪高裁 刑事責任能力認め1審無罪を破棄
毎日新聞 8月12日(火)18時40分配信
車を盗んだとして常習累犯窃盗罪に問われた重度知的障害者の無職男(37)=別の常習累犯窃盗罪で公判中=に対し、大阪高裁は12日、刑事責任能力を否定し無罪とした1審・京都地裁判決を破棄、懲役2年(求刑・懲役3年)の実刑を言い渡した。上垣猛裁判長は犯行時は心神耗弱状態だったとして刑事責任能力を認めた。
判決によると、男は2012年9月、京都市内の中古車販売会社展示場で軽乗用車を盗んだ。上垣裁判長は「違法性を相応に認識しながら行動していた。善悪弁別などの能力は失われていなかった」と述べた。心神喪失状態とした1審判決については「精神鑑定医の証人尋問などをせず、検討が不十分で評価を誤った」と指摘した。【堀江拓哉】
どうですかねえ、この判決。
>是非善悪の弁別や行動制御の能力が著しく減退しているが、全く失われていたとはいえない
という判断が妥当かどうかは私はもちろん判断できませんが、弁護士の方がご指摘のように、
>危険な人物は社会に放置できないという政策的判断の結果ではないか
という気が私もなんとなくしますね。この人物を刑務所に入れたとして、はたしてそれが再犯防止につながるか、そのために刑務所(というか、この場合矯正施設と呼ぶ方が妥当かもしれません)はどのような処遇をこの人物にするか、です。まあ飼い殺しじゃないですが、2年間適当に放り込んでおくだけになってしまいませんかね。「それでいいのだ」というレベルの話でしょうが、前の記事で山本譲司氏がコメントしているように
>必ずしも知的障害が原因でなく、生育歴や彼自身のこだわりが誘発している可能性が高い。彼には社会からの疎外感があるか、そもそも社会にいるという認識さえないのではないか
という認識が妥当かなと思います。それで、別の関係者が
>罪を罪として償うためにも、地域に納得してもらうためにも、今回は無罪にならない方がいいのかもしれない
と語るような苦渋の思いを、この判決を下した裁判長氏は感じていらっしゃいますかね。少々疑問なところです。
これだけでも、思いっきり(どんな判決が出ようと)鬱になりそうな話ですが、これまたどうしようもない人間のことを。私の元記事はこちら。記事の引用はこちらから。
>元ソフトバンク選手を逮捕…船外機盗んだ疑い、本人は否認
漁船から船外機を盗んだとして、福井県警鯖江署は13日、窃盗容疑で、プロ野球ソフトバンクの元選手伊奈龍哉容疑者(26)を逮捕した。
同署によると、水産物卸売業をしていると供述し「知人が盗んだのは知っていたが、なぜ共犯になるのか分からない」と容疑を否認している。
同じ容疑で知人3人が既に逮捕、起訴されており、供述などから伊奈容疑者が関与した疑いが浮上した。転売目的だったとみられる。
逮捕容疑は6月22日夜、知人と一緒に福井県南越前町や同県越前町の船揚場にあった漁船から外付けの船外機3台を盗んだ疑い。
伊奈容疑者は近江高(滋賀県)出身で2006年に高校生ドラフトで指名され、外野手として入団。07年に戦力外通告を受け退団している。
こちらも。
>元プロ野球選手が福井の船場で窃盗 伊奈龍哉容疑者、容疑否認
福井新聞ONLINE 8月14日(木)8時2分配信
福井県警鯖江、越前両署は13日、窃盗の疑いで兵庫県洲本市、プロ野球ソフトバンクの元選手で自称水産物卸売業の伊奈龍哉容疑者(26)を逮捕した。鯖江署によると、容疑を否認している。
逮捕容疑は兵庫県洲本市、無職西堀通昭(37)、同、無職吉澤雷火(40)、同県南あわじ市、無職北崎公揮(23)の3被告=いずれも同罪で起訴済み=と共謀して、6月22日午後10時ごろから同10時半ごろにかけて、南越前町河野と越前町米ノの船揚場で、小型船用の船外機3台を盗んだ疑い。
鯖江署によると、伊奈容疑者は洲本市から電話で3人に指示していた。3人は「伊奈容疑者に盗みを誘われた」などと供述しており、同署は伊奈容疑者が主犯格とみている。
6月18日夜にも越前町、南越前両町の漁港で船外機計8台が盗まれる被害があり、両署で関連を調べている。
伊奈容疑者は、2006年、高校生ドラフトの3巡目で指名され、ソフトバンクに入団、翌年退団した。
[ 2014年8月13日 20:48 ]
記事には明記されていませんが、この人物は、以前にも刑事事件を起こしています。
>元ソフトバンク選手は被災地で電線を盗み逮捕
【最近の元プロ野球選手不祥事】
元プロ野球選手ではソフトバンクに07年に外野手として在籍した伊奈龍哉容疑者(23)が、兵庫県洲本市で知人女性から現金4万円入りの財布を盗んだとして今年2月に窃盗容疑で逮捕。さらに翌月の30日に、震災で被災した福島県南相馬市から電線約10メートル(9330円相当)を盗み現行犯逮捕された。(後略)
[ 2011年6月24日 06:00 ]
この人物がソフトバンクを1年で追い出された理由も、たぶん素行不良なところが嫌われたのでしょうね。でなければ、高卒ルーキーを1年で退団させるなんてことはないはず。
それにしてもこの人物も、相当どうしようもないやつですね(苦笑)。震災での火事場泥棒の事件が、不起訴処分になったのか執行猶予か罰金の判決が出たのかは不明ですが、たぶん実刑にはなっていないと思われるのですが、全然更正されていないじゃん(笑)。いや、現段階では容疑否認中ですので、犯人扱いしてはいけませんが、ただ報道の
>鯖江署によると、伊奈容疑者は洲本市から電話で3人に指示していた。3人は「伊奈容疑者に盗みを誘われた」などと供述しており、同署は伊奈容疑者が主犯格とみている。
というのが事実なら、この人物は相当悪質ですね。犯罪傾向がそれなりにすすんでいるといわれても仕方ないでしょう。だいたい
>知人が盗んだのは知っていたが、なぜ共犯になるのか分からない
というのが仮に事実としても、お前どういう知人を持っているんだよ(笑)というレベルでしょう。類は友を呼ぶの類です。あきれてものも言えません。
それにしても、上の重度の知的障碍者の人とは違うんだから、もう少し更生しろよと思いますが、社会人時代に性犯罪をしてプロになって性懲りもなくまたやった馬鹿(こちら、こちら、こちら)と同様、あるいはちょっと病的なところもあるんですかね。実刑が確定していまどこかの刑務所で服役しているはずの内柴某と同じようなものでしょう。救いのない連中です。
明日から、何かなければ旅行の記事を再開します。